水蒸気と水(3) 〜飽和水蒸気圧〜
割引あり
前回、水と水蒸気の状態を水分子が行き来するという話をしました。そして、水蒸気の水へのなりやすさ、これは、(水蒸気を含む)空気の温度と空気に含まれる水分子の多さによって決まるというような話をしました。
今回、ここら辺の話をもう少し定量的に進めたいと思います。
水蒸気圧
ここに何かガラスのようなものに囲まれた空間を想像してください。この空間の空気の中に水蒸気分子がいます。水蒸気が動き回っています。
水蒸気分子の多さを1個、2個と数えても良いのですが、あまりにも数が多いので個数で数えるのは現実的ではありません。そこで化学の分野では、モル(mol)で数えるのが一般的です。1モルは6.02に10の23乗をかけた非常に大きな単位です。一方、建築の環境分野などの工学の世界では、水蒸気の多さをモルではなく、水蒸気圧で表すことが多いです。そこで、まず、水蒸気圧とは何か?を説明をします。
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