グラミー賞!?世界のJ-POPと「ダンス・ダンス・ダダ」

こんにちは。ネット断捨離をしており、久々にツイッターでも覗くか~。と思ったら驚くべきニュースが。自分もサウンド・プロデュースで参加させていただいているMAISONdesが、グラミー賞公式サイトにて紹介された!!!との。

まだノミネートまでは行ってませんが、由緒正しき歴史あるグラミー賞もJ-POPの影響力を無視できなくなってきたのかもしれません。映画版・鬼滅の刃の世界的ブームや、友人のきくおくんが世界的に支持されてたり……独自のボカロ/アニメ的世界とリンクして、アメリカのTop40的ではない(クッキリした展開があったり、どこかゆめかわいい、グロかわいい)摩訶不思議な世界が、日本以外の人の心も捉え始めたということで、極東の歌謡曲&ゲーム音楽で育った自分としても非常に嬉しいことです。これは正式にノミネートされる日も遠くないのでは?「アイウエ」「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」「ヨワネハキ」全部良い曲だもんなあ。

自分が#暗殺貴族に提供させていただいた「Dark seeks light」も世界中でカバーしてもらっていて、特にThai McGrathさんのメタル・カバーが超かっけえ!!!!!!!

海外の方が日本に来た時に、ヴィレッジヴァンガードやドン・キホーテの雑多な店内をCOOLと思う、みたいな話を聞いたことがあります。J-POPの魅力もそれにかなり近いんじゃないでしょうか。普通ならごちゃ混ぜにしないものをゴッタ煮しちゃう日本人の下世話な感性というか、ビーフ・シチューの作り方聴いたのに伝聞で作ったら肉じゃがになってしまった、、、みたいな、そういうある種雑で適当な多様性、みたいなものがガラパコスに進化していくと独特の面白みを帯びてくるのでは?と思っております。(K-POPはそれを、より削ぎ落されたループ・ビートに合わせて展開している気がしますが、J-POPは明確に起承転結のある展開が特徴だと思う)

で、ケンカイヨシが作っている音楽も"誇張されたJ-POP"だと思っています。勿論、自分が影響を強く受けた80's FUNK、90's R&BやMPB(ブラジル音楽)の要素も多数持ち込まれてはいるのですが、J-POPが提示したごちゃ混ぜ音楽を、よりカオスに誇張したものを作りたいなー、と思ってやっています。まあそれは別に『日本の魅力を世界に伝えたい!』という野心があるのではなく、ただ単にそういうものが趣味なのでやってる。笑 原口沙輔くんをインタビューしたとき、近い気持ちで曲を作っていたのが無意識のシンクロを感じて嬉しかったりしたな。(沙輔は『とにかく色んな音楽を漁るように聴いている』『自分がやっている音楽が"J-POP"であることに(彼の場合中学生の頃から)自覚的』という面で、非常に親近感が湧く友人かも)

ごちゃ混ぜ音楽という意味では90年代のサザンオールスターズがもっとも理想的な形でそれを実現していたと思う。サザンの中では売れたほうのシングルじゃないんですが「PARADISE」は鬼のようにカッコいい。デジタル・ロックにファンク(James Brown)、北原白秋からヒップホップ、政治批判までゴッタ煮の大騒ぎみたいな曲なんですが、支離滅裂なギリギリで黒光りするカッコ良さに満ちている。親父がサザン大好き人間だったので、ケンカイヨシは幼少期にそういうものを耳にタコが出来るほど聴かされて育つわけです。

そういった無意識の影響の集大成が「ダンス・ダンス・ダダ」
この曲は特に肩に力が入ってなくて、シンガーソングライターの友人達(たなか焚吐谷口猛くんキタニくんあたり……昔なので忘れた)がうちに遊びに来てた時に「普段こんな感じに音いじってるよ~」みたいに言ってその場でトラックの7割くらいを仕上げた覚えが。

自分的にはNEW JACK SWINGというジャンルなのですが、感覚的にキーボードを弾いて足していったら自然とメロウな仕上がりになった。ビートはほぼサンプリングの切り貼り、シンセ・ベース、エレピは俺が手弾きしたもので、ストリングス・アレンジはいつもの塩野くん&谷崎さん。「m-floっぽい!」というコメントは、全然意識してなかったんだけど子どもの頃m-floが青春だった俺としては超嬉しかったりした。(言われてみればPlanet Shiningの頃のフレーヴァーがあるかも……)そして、なんと超偶然でこの楽曲のエンジニア様は「ASTROMANTIC」の楽曲MIXも担当されている!!!!!

まあでもこの曲の主役はたなかくんの言葉のスタイリッシュな響きと、EMAさんの周波数だけでめっちゃオシャレな声の魅力ですね。とにかくずーっとボーッと聴いていたい魅力が声そのものにあって、車とかで流したら凄く素敵な気分になれるのではないでしょうか。

まあでも無意識に色々混ざっています。2000年前後の日本のR&Bブームの感じとか、チル・トラップ、80年代のヒップホップなどなど……まあこういう風にカオスな影響を鳴らし、まとめて世に出せるというのはJ-POPという異種格闘技みたいなジャンルの一番面白いとこじゃないでしょうか。コード進行は80年代R&B最大の名曲、The Isley Brothers「Between The Sheets」のサンプリングです。

合わせてダンス・ダンス・ダダを歌えると思う笑

Suchmosさんの登場によってロック・リスナーの方がR&B/FUNK的音像を自然と受け入れてくれるようになって、ボカロ/アニメの隆盛によって、世界中の方が自然体のJ-POPを楽しんでくれる……というのはとても夢がある時代だと思います。あと、シンプルに俺が仕事しやすくて助かる。ありがとう。

機は熟したと思うので、ケンカイヨシも世界的なヒット曲を作れるように頑張るぞ!?!?!(おわり)

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