30.南インドの旅:インド最高の聖地ラーメシュワリで、朝日を浴びながら沐浴、すべての罪を洗い流す
ラーメシュワリはインドからスリランカに伸びる地峡の先端にある、インド人にとって一生に一度は訪れたいと願っている聖地だ。この地峡は、地政学的にも形成過程が解明されていない謎の多い地域だ。
神話ラーマヤーナは語る。シータ姫をスリランカの魔王に拐われた時、ラーマ王子は猿の勇者ハヌマーンに助けを求めた。勇者ハヌマーンはスリランカまで橋をかけ、ラーマ王子と共にシータ姫を助けに行った。魔王を倒し、ラーメシュワリに戻ってきたラーマ王子は、ラーマナータスワミー寺院を建て、神へ感謝を捧げた。
さあ、神話の世界へ入って行こう。
ラーメシュワリが近づくと、両側に海が広がってくる。ラーメシュワリ半島に入る前に、大きな橋を渡る。その時左側に見えるのが鉄道のためのパンバン橋だ。運がよければ、列車が通るのを見ることができる。橋の上は停車禁止なのだが、みんな停車して覗き込んでいる。インドの架橋技術を感じることのできる素晴らしい景観だ。
橋の反対側には漁船が浮かぶ。ラーメシュワリは漁業の中心でもある。さらに走っていくと、先端のシュリラムセツポイントに到着する。そこは聖地に到達して興奮したインド人達でいっぱいだ。
先端の岩場に立つと、スリランカが見えるような気がする。スリランカはわずか数10キロ先なのだ。
砂州ではたくさんのインド人達がはしゃいでいる。心が沸き立つ。
シュリラムセツポイントに行く途中には、1964年のタイフーンで破壊されたダーナシュコデイという町がある。そこには夢破れ荒廃した町と、土産物屋が猥雑に並んでいる。帰りに寄ってみよう。
ラーメシュワリの町に戻ったら、いよいよ12世紀に建造されたラーマナータスワミー寺院に行ってみよう。
歴史ある素晴らしい寺院だ。携帯、カメラは持ち込み禁止なので、心に深く刻みつけよう。これはホテルにあった絵だが、雰囲気はとてもよく出ている。
西のゴープラムから寺院に入り、東のゴープラムを出、門前町を抜けると、アグニ・ティータームという沐浴場に出る。そこは沐浴に来た人でいっぱいだ。
ぜひインド人達と一緒に沐浴し、すべての罪を洗い流そう。
もし、満月の夜にラーメシュワリに来れたら、神秘の月の出に照らされた沐浴もできる。タイミングが合えば、ぜひトライして欲しい。
さて、次の日の朝は、ラーメシュワリ最高の体験、昇る朝日に照らされながらの沐浴だ。未明からたくさんのインド人達がアグニ・ティータームに向かう。そこでは至高の体験が待っている。
魂の震えるかけがえの無い時間を過ごすことができると思う。ぜひ訪れ、体験して欲しい。