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#社会保障

往復書簡2019(アゼルバイジャン・バクー↔東京)社会保障の基本思想

往復書簡2019(アゼルバイジャン・バクー↔東京)社会保障の基本思想


勿凝学問444次のYouTube動画がアップされているという連絡が届く。

授業の履修者に紹介しようかと思うも、香取さんのことを知らない可能性大なので、香取さんがアゼルバイジャン大使だったときの往復書簡を紹介することにした。なお、この往復書簡は、『ちょっと気になる社会保障 V3』知識補給「ヒューリスティック年金論」に登場している。

年金を政争の具にすべからず『中央公論』2019年10月号

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連帯してみんなで助け合う仕組みをもっておく、ただそれだけのこと

連帯してみんなで助け合う仕組みをもっておく、ただそれだけのこと

勿凝学問435 敬老の日2024年9月16日に「こんなはずじゃなかった、介護保険」というYouTube上で8時間に及ぶマラソンシンポジウムを上野千鶴子さんが企画していました。
 私が頂いたテーマは「究極の財源問題/税・保険折衷方式は正しかったのか?」でした。当日、次のような話をしています。

特集「いまある「フクシ」を越えていくために」の中で書いた「連帯してみんなで助かる仕組みをもっておく、ただそ

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「終末期医療、お金かかる論は「素人」 専門家がデマ批判」『朝日新聞デジタル』2019年2月19日

「終末期医療、お金かかる論は「素人」 専門家がデマ批判」『朝日新聞デジタル』2019年2月19日

勿凝学問433

 (将来忘れた頃のために日付まで書いておくと)2024年10月27日の総選挙を前に、終末期医療、安楽死の話が盛り上がっている。きっかけは、 衆院選の公示15日を控えた12日、日本記者クラブ主催の与野党7党首討論会で、国民民主党の玉木雄一郎代表が次のように発言したこと。

 終末期医療に関しては2019年にインタビューに答えた話があるので、明日の授業で紹介しようかと思ったのだが、『

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高齢社会対策大綱の策定のための検討会での発言録

高齢社会対策大綱の策定のための検討会での発言録

勿凝学問432明日の授業のために急ごしらえ
(第5回以降は、急ごしらえ以降の追加分)

ちなみにこの会議、第5回から、一人一人の発言時間を短縮するために全員に提出資料を求められた会議だった。

高齢社会対策大綱の策定のための検討会(令和6年2月~) - 内閣府 (cao.go.jp)

報告書

第8回会議(2024年8月5日)第7回会議(2024年7月17日) 提出資料提出資料

○権丈構成員

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マクナマランの誤謬と医療経済学

マクナマランの誤謬と医療経済学


勿凝学問423『日本病院会雑誌』から毎年夏前になると、銷夏随筆というエッセイの依頼がくる。銷夏とは、暑さをしのぐこと――これまでのものは次。
銷夏随筆(2017年~)

今年は、次のようなエッセイを書く。

銷夏随筆「マクナマランの誤謬と医療経済学」『日本病院会雑誌』2023年7月号

歴史を踏まえ未来を創る社会保障政策論

歴史を踏まえ未来を創る社会保障政策論


勿凝学問422様々な図がカラー版になった記念すべき講演録? 2023年3月9日に浜銀総研に頼まれて話したこと――於 横浜駅前の崎陽軒本店の講演会場。『Best Partner』の編集者がなかなかすばらしく、リード文をはじめ、見出しなども、ともて良い感じでまとめてくれる。そして様々な図が、カラー版になった記念すべき刊行物(?)。
『Best Partner』2023年7月号より

2024年『Be

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「専業主婦の年金3号はお得だ」って誰が言った?

「専業主婦の年金3号はお得だ」って誰が言った?

勿凝学問420

6月26日が、東洋経済オンラインのインタビュー記事がアップされて1ヶ月だった。6月26日時点、すなわち公開1ヶ月時点での「月間アクセスランキング」は次――1ヶ月経つと対象外となるという仕組みのようで。

この記事は、インタビュアーの野村明弘記者のオンライン記事として配信されていたので、ここにnoteにまとめておこうかと思う。
東洋経済オンラインの会員記事は次。
・「専業主婦の年金

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適用拡大から適用除外規定の見直しへ

適用拡大から適用除外規定の見直しへ

勿凝学問419適用拡大が、先日の年金部会の議題であった(2023年5月30日)。そこで、次のように話している。

第4回年金部会での発言あの日の全文を――いや、まだ発言しないつもりでいたら、いきなりさされてしまい。

議論の優先順位適用拡大から適用除外規定の見直しへ
 被用者保険の適用除外規定は図を描いて考えたらいい 適用

こども未来戦略方針がまとめられた日

こども未来戦略方針がまとめられた日

勿凝学問418第6回こども未来戦略会議で、「こども未来戦略方針(案)」が議論され、出席者全員による承認を得る。会議終了後に、「こども未来戦略方針」が閣議決定される(2023年6月13日)。

第6回こども未来戦略会議での発言
当日の発言は、次である。

本当は、改革時にはおよそ7割が反対していた04年年金改革が、今は、国際的に次のような評価を得ていることも発言に組み込みたかったのだが、限られた時間

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こども未来戦略会議、5回の発言

こども未来戦略会議、5回の発言

勿凝学問417
こども未来戦略会議というものが、2023年4月から開催されていた。第5回が6月1日に開かれた。ここに、過去、5回の発言をまとめておく。
(その後、6-8回を追加)

第8回 12月11日(月)17時45分ー16時44分
第7回 10月2日(火)10時30分ー11時28分

社会で子育て 考える機会

社会で子育て 考える機会

勿凝学問413朝日新聞2023年3月16日耕論 児童手当の所得制限

字数の都合で、消えたところまぁ、仕方なし(笑)。
『もっと気になる社会保障』には、次がある。

為政者の保身の初出は2009年に出した『社会保障の政策転換――再分配政策の政治経済学Ⅴ』の「第21話 基礎年金の租税方式についての国民的議論はすでに終わっているよ」

この五つの問いに対して、すべて「イエス」とクリアできないと、租税方

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「子育て基金」で男性の魅力のかさ上げ

「子育て基金」で男性の魅力のかさ上げ

勿凝学問412時事通信社2023年3月13日「男性の魅力のかさ上げ」の初出は2004年に出した『年金改革と積極的社会保障政策――再分配政策の政治経済学Ⅱ』の「第3章 積極的社会保障政策と日本の歴史の転換」子育て支援連帯基金の初めての報道――2017年6月24日の『東京新聞』

「年収の壁」話と最適不明瞭性の原理

「年収の壁」話と最適不明瞭性の原理

勿凝学問411レントシーキングが織りなす華麗なる景色
先日2月24日の全世代型社会保障構築会議で、次のような発言をしている。

研究者としては、自分の仮説、予測通りに事態が展開していくことはおもしろいものではある。ただ、それがカッサンドラよろしく不吉な予測であるために、その予測が当たったからといって、喜んでばかりもいられない。
「年収の壁」騒動については、次を書いているが、その後の展開も、まさに政

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プライマリ・ケアって何?――松田晋哉先生、草場鉄周先生との鼎談

プライマリ・ケアって何?――松田晋哉先生、草場鉄周先生との鼎談

「勿凝学問410」2017年に刊行し、翌年に増補版を出した『ちょっと気になる医療と介護』の重版出来の連絡が届く。第3版にしようかと思い、新企画の一つとして、プライマリ・ケアに関する鼎談を思いつく。産業医科大学の松田晋哉先生と日本プライマリ・ケア連合学会理事長の草場鉄周先生との鼎談は、とてもおもしろいものになったので、オンラインでの公開も行うことにした。
(写真は草場先生提供)

日本プライマリ・ケ

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