藁片付け冬期湛水
脱穀の終った藁を片づけています
隣が畑なので畑でマルチとして使います
残りは丸く積んで保管します
藁塚
ホタルイ コナギ オモダカ等は減ると思いますが クログアイについてはどう対処すべきか
冬季湛水
熊本・ 村上厚介
湛水で生物が グーンと増えた
2016年から手植え、手刈りで1町5反(1.5ha )の田んぼで本格的に米づくりを始めました。いつか不耕起、冬期湛水で米づくりができたらと思っていましたが、冬に水を入れられる環境がありませんでした。
21 年、自宅の前のクヌギ林とスギ林を冬にも水を引ける棚田に開墾。水を引き、米づくりを始め、イネ刈り後の 12月から水を溜め始めました。冬期湛水は2枚の田んぼで実践。1枚は面積1畝(1a)で代かきしてから、もう1枚は2畝で不耕起で実験しました。
冬の間は水も少なく、棚田なので、不耕起の田んぼは水が溜まらないかなと思いました。それでも、ずっと水を入れ続けていたら少しずつ持ちがよくなり、1カ月で半分、2カ月ほどで全面に溜まるようになりました。
冬場に水を溜めた田んぼは一面に藻が張り、4月上旬には今まで見たこともない量のオタマジャクシが田んぼ一面に泳いでいました。外気温より水温のほうが温かいので、冬の間もイナワラをエサに微生物が活発に活動し、植物プランクトンが発生。光合成細菌が空気中のチッソを取り込み、田んぼを肥やして、生物多様性の高い田んぼになったのでは、と思っています。
播いてないのに、 イネが発芽 !?
この田んぼでは前年、脱粒しやすい昔の品種「旭1号」を作付けしていました。そのこぼれダネが発芽し、5月上旬には、草丈 10~15cmの苗が田んぼ一面を覆いました。そこで、このまま田植えをせずに生えた苗を育て、収穫まで見守ることにしました。
5月末に苗は8本に分けつし、6月中旬には膝丈ぐらいに生長。ただ、あまりにも密植になっていたので、苗を間引いて別の田んぼに約1反(10a)分、移植しました。畑苗代や革新米麦作法(20年4月号p124 など)を実践してきましたが、6月中旬でこんなに大きな苗になったことはありませんでしたので、本当に驚きです。
自然の苗床となった不耕起の田んぼは、足がぬからず長靴でもラクに歩けて、苗も簡単に取れました。苗丈が大きくがっしりしているので、田植えの時も手を田んぼにつけず、茎の部分を持って挿していくだけ。腰をあまり屈めず、かなりの速さで植えることができました。今まで田植えをしてきた中で、一番速く、楽しく植えることができ、イネもよく育ちました。