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山登り型の文章と、散歩型の文章。


友人が月刊発行する通信『まなびおむすび』に、今月の考現学というコーナーがある。日常であった一つのできごとから考えを深めていくコラムに、いつも楽しく読ませてもらっている。そのコーナーの紹介文に書かれたものが気になっていた。

「今ここ」からはじめる考現学。(書ける・書けない)を考えず書いているうちに、未知なるものが見えてくる。

文章の書くにはいろんな方法がある。

細かく言ってしまえば人それぞれだろうし、それぞれの色をもって大事にすればいい。一方で、武道のような一定の型も少なからずあって、それを基準として文章をまとめようとするのも、いいことだと思う。

無数にあるだろう型のなかで、「山登り型」と「散歩型」を考えてみたい。

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山登り型とは頂上を目指していくようなものである。目的地があって、中間地点があって、いくつかのポイントを経てゴールにたどり着く。ビジネス書として書かれているものは、こういう論理構造をしっかりとさせたものが多い。

反対に散歩型には明確なゴールがはじめからない。フラッと書きはじめて、その時の気分で進む先を変えたりする。景色を楽しむうちに思わぬ方向に行ったり発見があるかもしれない。

芸人で小説も書く又吉直樹さんが先日番組で話していたことを思い出す。

「書くときにゴールを決めずに進むことが多いんですよ。自分でもわからないことを書きはじめて書きながら考えて、どういうことなんだろうと。小説を書いていても主人公が喋りそうなことを書いたりして、自分でわからなかったりするんですよ。」

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友人の書く文章も、こんな感覚なのだろう。

勝手な主観だが、最近は山登り型的書き方がはやっているというか、よく見かける。目指すものがはっきりとあって、伝わるものも決まっていてそれはそれとしてとてもいいものだ。ただ書くなら散歩型もいい。

明確に決めなきゃと考えをつめすぎず、気軽に、まずは書いてみようかと進められる。どこに行くのか何が見えてくるのかわからない、その道のりを読んでいる人も一緒に楽しんでもらえるような文章ができあがる、だろう。

例えば毎日の記録として書いていきたいけれど、何だか考えすぎて結局寝てしまうような自分には、こんな方法を試してみたいと思えた。


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