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統合失調症入院日記その4

それからあった病院での出来事は、あまりに些末的なことなので、辿々しくは書かない。

ただ、主治医の先生と話す機会があって自分が任意入院であること、1日もここから早く退院したいことなどを話すと

「3日後にご家族がきて、その時に手続きをしてもらえればあなたは退院できます」

私は、嬉しくなった。

しかし、同時に悲しくもなった。

私は相変わらず病室で寝てばかりの時間を過ごした。

そして、また考え始めた。

一体、何故こんなことになってしまったのだろうか、と。

私の小さい頃からの夢は、その小さいころに叶わなかった、家族が仲良く暮らせる暖かい家庭だった。

決してお金の面で不自由させたり、借金をして子供を振り回したり、ましてや殴る蹴るの暴力で言い聞かすようなことをする家庭なんかじゃなく。

ところが実際は、一体何回妻に心苦しい思いをさせてきたことか!

私の病気のせいで子供はいないし、貧乏だし、今のように入院するほど症状は悪化して心配させるし、何のいいところもない……

私はだからプログラマーになった。

工場やブラックバイトのような暴力やパワハラが横行するような場所じゃなく、また機械や車の運転をするような統合失調症の症状が悪化すると命に関わる職場じゃなく。

中高と数学が出来て、でも家庭では借金を繰り返す父と暴力で大暴れする兄がいて大学どころじゃなかった私は、高卒のまま働いたのであった。社会では結構な学歴差別も受けてきたし、自分で学費を貯めて医学部に行こうとしたものの仕事と学業の両立がはかどらず、実らなかった。

闘病と独学の両立で時間はかかったものの、プログラミングができる仕事に内定を得ることは出来た。

しかし、そのプログラマーという職業で働いている間も、今回わからないことだらけでパニックになってしまい、幻聴・幻視を呼び寄せ、築いてきた勉強や技術も、もちろん会社の在籍も途中でダメになってしまった。


本当に、これまでの人生で唯一よかったことといえば、妻に出会えたことくらいか。

だが、もし今度のことで離婚させられても、私の方からは何も言えない。法的にも配偶者が統合失調症である場合は一方的に離婚できると聞いた。

もはやその唯一の光すらも失いかけてる。

入院なんかしなければよかった……


もしこれを読んでいる皆様が、精神病にかかり任意入院の形で勧められてきたら

医師に対し、断固断りましょう。

入院しても何も良くなりません。ロクでもない環境に放り投げられ、厄介払いさせられるだけです。

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