日産Leafバッテリーをヤフオクで買って容量チェックしてみた
はじめに
日産(Nissan)にリーフ(Leaf)というEVがあります。量産されていて街中で見かける事も多く、珍しい自動車ではありません。
発売から年月が経ちモデルチェンジもしていて、EV関係のパーツ屋やヤフオクなどで中古のバッテリーが出回っているのを知りました。
今後の乗用ロボット用のバッテリーを作る上で参考にするためにLeafの中古バッテリーを1つ買って分解してみようと思います。今回の記事は分解の前段階として分解前の容量チェックを行いました。
!注意! リチウム系バッテリーの取り扱いを間違えると発火、爆発の可能性があります!
購入したバッテリーはヤフオクで6000円程度です。恐らく第1世代のLeafの車体から外したバッテリーの中に1つと予想していますが、詳細は不明です。金属ケースにはセルが4セル入っていて、2直列2並列で1単位となっているようです。ケースから出ている端子はプラス側、マイナス側、バランス端子の3つです。
バッテリーの充放電電圧は次の資料を参考にしました。正しい保証はありません。
Leafの車体にはこのバッテリーが48単位入っているようで、前提が正しければLeafのバッテリパックの中では基準電圧3.8V容量33.1Ahのバッテリセルが96直列2並列になっているはずです。バッテリパックの基準電圧364.8V, 容量66.2Ah,24kWhになるはずです。
充電器はiCharger 4010を使い、microSDにログを記録してLogViewでログを見ました。この記事に出てくるグラフ画像はLogViewの画面です。
使用履歴が分からないためバッテリーの劣化具合が分かりませんが、新品より何割か容量が落ちていると予想して、結果は予想通りでした。
テスト条件
Nissan Leafのバッテリー1ユニット(2直列2並列と思われる)を充放電して容量を確認しました。
1セルあたりの充電電圧は4.2Vまで、放電電圧は2.5Vまでとしました。
充電電流は40A、放電電流は130Wを上限として電圧次第で成り行きとしました。これはiCharger4010の最大値です。
充放電中のバッテリパック電圧、各セル電圧、電流、出力、容量をログに保存しました。
結果
容量は充電、放電共に51Ah程度となりました。新品のときの容量が66.2Ahだとすると、新品時から比べて使える容量が77%程度に減っている事になります。
用途によってはまだまだ使える元気なバッテリーと言えます。EVに使った中古バッテリーを建物の蓄電池として使うという話は十分に可能だと実感しました。
放電の最後に1セル目と2セル目の電圧にある程度の差が見られました。この電圧差はバッテリセルの劣化により性能のバラつきが拡大してきた事による物と言えるかもしれません。(バッテリー仕様が分からないので、最初からこれくらいのバラつきは許容範囲内なのかもしれません)
以下に各グラフを示します。
充電時のパック電圧
充電時の各セル電圧
充電時の電流
充電時の出力
充電時の容量
以下、放電時の各グラフです。
放電時のパック電圧
放電時の各セル電圧
放電時の電流
放電時の出力
放電時の容量
最後に
素性が分からないNissan Leafの中古バッテリーをヤフオクで購入して、ラジコン用の充電器で充放電してみました。
容量は新品の77%程度に劣化していると思われます。
次の記事では金属ケースを分解して内部構造やバッテリタブの接合部を見てみる予定です。
!注意! リチウム系バッテリーの取り扱いを間違えると発火、爆発の可能性があります!