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ラテン・アメリカ旅行記 - 第6回(旅程⑥ / Ecuador)

前回Uyuniなどについて書いて終わりましたが、今回は、最後の目的地Quito, Ecuadorについて書きます。今回でラテン・アメリカ旅行記のうち、旅程についての概観は最後となります。なぜ最後をQuitoにしたかは前回の冒頭をご参照下さい。

Quitoは、旧市街全体が世界遺産に指定されており、植民地時代の歴史も含め非常に興味深い街です。独特な教会美術を発展させています(この点においてCuscoと似ていると思います。)。あとは、赤道が通っているので、それも有名です。

冒頭の写真は、赤道博物館で撮影したものです。自分は赤道にまたがって立っていることになります。

Ecuador (1/9-11)

Quito (1/9-11)

前回書いたとおり、UyuniからQuitoへ向かう途中で、La Pazでの長めのトランジットがあり、その後、一旦Lima(3回目)に行き、ここで一泊。翌朝そこからQuitoへ移動します。

  • 移動:LATAM (Lima to Quito)  USD 379.03

  • 時差:GMT-5 (不変)

さて、Quitoでの滞在は、Quitoに向かう時点から既に波乱を含んでいました。すなわち、移動日の前日Limaにいたとき、Ecuador全土に緊急事態宣言(麻薬カルテルの親玉が脱獄したため)が発令されました。緊張感ある中、Quitoに向かい、また、到着してからもさらにテレビ局占拠事件が起こるなど、更に事態は混迷を深めることになります。とはいえ、結論としては、現地友人やガイドの助けもあり、無事に予定どおり観光を済ませて米国まで帰ることができました。

当時の時系列にまとめると以下のとおりです。

1/8(月)夜
Lima滞在中、在エクアドル日本国大使館より「非常事態宣言の発令(外出禁止令)」というメールを受信。午後11時から午前5時までは外出禁止とのこと。旅行者にも当然適用あり。

https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=147688

それだけでは宣言発令の背景がわからなかったので、その時点での報道を確認したところ、Los Chonerosというギャングの親玉であるAdolofo Maciasが脱獄したとのこと。

https://www.reuters.com/world/americas/ecuador-declares-state-emergency-amid-prison-chaos-2024-01-08/

https://www.theguardian.com/world/2024/jan/08/ecuador-adolfo-macias-fito-missing-gang-leader?CMP=share_btn_tw

直ちに在Quitoの友人に相談。友人は、UT卒業生の弁護士(LL.M.)、元々面識はなかったが、今回の旅の途中(Rio)でふと気づき、せっかくなのでQuitoでも誰か卒業生に会ってみようと思い、LinkedInで探し出した。友人と話す中で、脱獄があったのは、GuayaquilというQuitoからだいぶ離れた都市であり、元々ギャング関連で治安が懸念されているのもGuayaquilである、という点が確認できた。もちろん、宣言発令されたばかりだし、彼もギャング関連の専門家ではないので、最後は自分で判断してQuito行きを決断。

1/9(火)
 
Lima発 
昼過ぎ 
Quito到着。空港からUberでホテルに移動。Uberのドライバーと前日発出された緊急事態宣言について話す。 
2:00pm頃 
ホテル到着。特に緊急事態宣言等の話はなし。 
3:00pm頃 
散歩に出発。店が閉まっていたり、人々がせわしなくどこかに向かっているように見えたりで、戦争前?のような雰囲気を感じ取るが、緊急事態宣言のせいかな・・と思う。 
4:20pm頃 
散歩中に現地の人から「戦争に入るぞ。早くホテルに帰れ」と言われ、その場でネットを調査したところ、数時間前に、テレビ局占拠事件があったことを認識。https://www.bbc.com/news/world-latin-america-67930452
そのまま急いでホテルへ帰宅。
5:10pm頃
ホテル到着。ネットで詳細な調査を開始。続けて、日本の外務省からもテレビ局占拠事件を踏まえた続報あり。https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=147702 
GuayaquilのみならずQuitoでも爆発等があったとのこと。https://www.cnn.com/2024/01/09/americas/armed-men-interrupt-live-tv-ecuador-intl/index.html 
日本でも報道あり。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240110/k10014315801000.html 
その他、政府関係のX(旧Twitter)で最新情報をフォロー。 ある程度リサーチが落ち着いたところで、ホテルのサウナで心身を整える。
7:15pm
友人とオンライン会議。状況を整理してくれて、かつ安心させてくれた。いい弁護士。さすが。空港の顧問をやっているらしく、今のところ空港が止まるとかは聞いていない、という貴重な話も教えてもらう。
他方で、翌日に予定されていたツアーのガイドとも連絡がつき、大丈夫か?と聞いたところ、「予定どおりで問題ない」との回答。これについても友人の弁護士に相談したところ、ツアーガイドが翌日からはBusiness as usualと判断しているのであれば、いいニュースなのでは、とのこと。せっかくなので、友人・ガイドを信じて参加してみることに。

1/10(水)

起床し、ニュースチェック。その結果、状況はコントロールされているようだったので、ガイドツアーへの参加はキャンセルしないことに。念の為、友人にも再度相談するが、旧市街にある政府関係施設付近はクローズしている可能性が高いが、参加することには違和感ないとのこと。外を見たところ、バスは普通に走ってるし、交通量もあるようなので(普段との差はわからないが)、日常の景色のようにも見えた。9:00am 
ツアー開始。概ね予定どおりに進行する。旧市街はだいぶ人が少ない様子だったが、大統領官邸の近くの広場も、軍人に見守られながら観光できた。ガイド曰く、「むしろ人少なくてラッキーだ。」とのこと。
 
友人とディナー。
参加したツアーのガイドから、緊急事態宣言に関連して他の客からキャンセルが出ないように、早めにレビューを書いてくれと依頼されていたので、書いてあげる。

1/11
終日、一人で観光。全く問題なし。
11:55 pm
Atlanta, U.S.A. に向けてテイクオフ。

ということで、以上の次第であり、基本的には予定どおり観光できました。以下、宿泊先と、ツアーの内容について書きます。

  • 宿泊:JW Marriott Quito ★★★★ USD 5.5 (2 nights) (マリオット系列のため、ポイントを使いほぼ無料) [1] 
    Quito市内ではグレードが高い方のホテル。なので、対応が非常に丁寧で、緊急事態という状況の下では、大変助かりました。サウナがあったのも、Good、夜あんまり出歩けない中でサウナに入り浸った。ただ、純粋にホテルのクオリティとしてみると、建物が古いのが気になります。また、立地的にも、旧市街からかなり通りので、観光向きではないかもしれません。 

  • ツアー:Private and Personalized City Tour  ★★★★★ USD 130.00 
    全体的に非常に満足度の高いツアーでした。参加者は私とAustralianの2人でした。それに対し、緊急事態ということもあって現地ガイドが2人もついたので、めちゃくちゃ豪華。現地ガイドは、ラテン・アメリカにしては珍しく?英語が堪能でした。

https://www.viator.com/tours/Quito/Private-and-Perzonalized-City-Tour-of-Quito-Teleferico-and-Middle-of-the-World/d735-237918P1 [2]

  • 観光:Intiñan Equator Museum ★★★★★
    赤道博物館です。博物館に所属するガイドを雇う必要あり、一旦自分たちのガイドからは離れました。コリオリの力とか、色々科学の勉強になります。[3]

卵を立てる
かっこいい
  • 観光:Basílica del Voto Nacional ★★★★★
    教会です。国民投票で作ることを決定したのでこのような名前になっているようです。Quitoの中心部にあり、塔に登るとQuito全体を見渡すことができます。

  • 食事:Somos Ecuador Restaurante ★★★★★
    ディナー。現地の友人(UT Law卒業生)に連れて行ってもらいました。伝統的なエクアドル料理が食べられます。

うまい

まとめ

緊急事態宣言下という異常な状況ではありましたが、友人やツアーガイドの助けもあって、その都度適切な対応を取りつつ、うまく切り抜けることができました。個人的には、(死なない程度に)トラブルを楽しむのが旅の醍醐味と思っているので、今回のラテン・アメリカを締めくくるに相応しい素晴らしい経験ができたと思います。

U.S.A. (1/12-)

1月11日の深夜便でQuitoを出発し、機内泊を経てAtlantaに到着。その後、Austinまで移動です。これでようやく旅も終わり。

  • 移動:Delta (Quito to Atlanta, and Atlanta to Austin) USD 394.82

今後の連載について

ラテン・アメリカ旅行記について言えば、まだ書き途中の原稿があるので(荷物、Tips、トラブル、Venezuelaなど)、当初の予定では、それらを完成させるつもりでした。しかし、ここまで結構時間がかかってしまっていて、気づいたらもう今学期も終わろうとしており、卒業(5月11日)がすぐそこまで近づいています。卒業までに色々書いておいた方がいいトピックもあるので、まずはそれを記事にすることに注力しようと思います。ラテン・アメリカ旅行記の続きは、卒業後に再開する予定です。


[1] Ecuadorは、通貨としてUSDを使用しています。

[2] ツアーのウェブページを見ると、Telefericoも予定に入っているように見えますが、実際は修理中のようです。我々も行くことはありませんでした。

[3] この博物館の近くに、それっぽい赤道モニュメント(Middle of the World City)があるのですが、それは実際には赤道の上を通っていないので要注意。


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