Yale Summer Session Law Seminar (1/8) - Introduction
本稿は、日本法弁護士が2023年夏、Yale Summer Session Law Seminarへ参加してきた経緯等を記録するものです。全8回の各記事から構成されます。
(8月26日追記)
全8回分ひと通り書き終わったので、改めて全体的に読み直し、ちょこちょこ文章を修正しました。次回以降についても同様です。ご承知おき下さい。
(写真は、Yale大学の中心であるCross Campusにて到着初日に撮影したものです。奥に見えるのがSterling Memorial Libraryです。)
自己紹介
私は、日本法弁護士で、日本国内の大手渉外法律事務所に勤務している者です。
2023年夏から米国ロースクール(LL.M.)での留学を始めました。
自分自身の挑戦を記憶が新しいうちに記録しておきたいと思い、また、もしかしたら今後米国留学を考えている方の参考になることもあるのではないかとも思い、Noteの形で記録を公表することにしました。
Yale Summer Session (YSS)とは
留学の流れ
留学の第一段階は、Yale大学でのSummer Session (Law Seminar) (YSS)への参加です。その後、Univesity of Texas at Austin (UT)のLL.M.の履修も控えていますが、本稿執筆時点では、YSSがちょうど終わったところなので、当面はYSSについて書いていこうと思います。
YSSは、7月3日(月)から8月4日(金)までの5週間のプログラムになります。概要は以下のホームページのとおりですが、概要だけからは分からない詳細・実情を次回以降書いていきたいと思います。
なぜYSSか?
なぜYaleのSummer Sessionを受講したかですが、まず順序としては、先にUTでのLL.M.が決定しておりました(なぜUTなのかについてはまた今度書きます。)。
その後のLL.M.へのスムーズな接続を考えると、UTのSummerも考えたのですが、以下の理由により、やめました。
①もっぱら英語能力の習得のためのコースと聞いており、かつ、UTのAdmissionから自分の英語能力(←TOEFLの点数から推し量られる限度ですが…)であれば特に履修する必要ないと言われたこと
②せっかくなので別の土地・別の大学で生活・勉強してみたいと思ったこと(多くの日本人弁護士がそのような選択をしていると思います。)
その上で、具体的にどこにするかですが、Texasとは全く違う地域にあることや、伝統ある名門校であることから、Yaleにしました。実際、両者は、気候、政治的スタンスなど多くの面で対照的だと思います(もっとも、UTの所在するAustinという都市は、保守が強いTexas全土の中で唯一リベラルな土地柄とも言われており、Austinで暮らす限りはあまり政治面での違いは感じないかもしれません。)。
Yaleがサマースクールを開いていることは、日本の弁護士にはあまり知られていないのかもしれません。YaleにはLL.M.もあるのですが、Academicsのバックグラウンドがないと入校できないと言われており、普通はそこで話が終わるようです。しかし、よくよく調べてみるとサマーに限っては実務家に対しても開かれているということがわかりました。このように「盲点」的な感じがしたのも、Yaleを選んだ理由の一つです。なお、出願時点では「盲点」と思っていたものの、実際に参加してみると、30人弱のクラスの中で自分含め日本人が4人(当初5人だったのですが、一人直前で辞退)であり(また、以前勤めていた法律事務所の同僚弁護士がちょうど1年前にYSSに参加したのですが、彼女の話によると昨年もそんな感じだったとか。)、実は全然「盲点」ではなかったことが後から分かります。
以上がYSSへの参加を決めた背景です。
次回以降
全8回の予定です。今後の記事を以下に貼ります。
第2回が概観で、第3回から第7回は各科目のDetailです。その上で、第8回で総括を書きます。
順番に読むと長くなりますので、まずは、第2回・第8回を読んで頂くだけで十分かもしれません。