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米国司法試験の準備記録 (2024年7月受験)

はじめに

テキサス州の司法試験を受験

私は、2024年7月に米国テキサス州の司法試験(Bar Exam)を受験しました。この記事では、司法試験に向けてどのように準備したかについて書こうと思います。

周知のとおり、米国は州ごとに司法試験が異なるのですが、私が受験したのはテキサス州のものです。ただ、同州が現在採用している試験問題は、ニューヨーク州など主な州と共通であるため(NCBEという団体が主催するUniform Bar Exam)、準備方法も基本的には同じと言っていいと思います。そのため、本記事の内容は、テキサス州以外の州での受験を予定している方の参考にもなるかと思っています。[1]

受験記録である以上、試験結果についても書いておくのがフェアだと思いますが、MBE152.7、MEE+MPT147.3の合計300点で「合格」でした。テキサス州の合格最低点は270点なので割と余裕のある合格だったと言っていいと思います。

私の勉強方法の特徴

同種の受験記録(とりわけ日本語で書かれたもの)はすでに多数オンラインで公開されていますので、そこに本記事を追加することにどれだけの意義があるか分かりませんが、他の受験生と比べて私の勉強方法にはいくつか特徴的な点もありそうです。なので、同様の観点で準備しようとしている人には参考になるかもしれません。代表的には、以下の各点が特徴として挙げられます。

  • いわゆる日本人ノート含む日本語の教材は一切使わない

  • 受験準備の最初期におけるインプットにあたって、Barbriのビデオを全部鑑賞する

本記事の構成

本記事では、最初に試験科目をざっと確認し、その上で、私個人の全体的な戦略、使った教材を紹介します。最後にもう少し細かくどういうステップで勉強していったかを時系列に沿って書いていきます。

試験科目

UBE準拠の司法試験は、大きく分けて3つの科目に別れます。すなわち①MBE(Multistate Bar Examination、択一)、②MEE(Multistate Essay Examination、エッセイ)、③MPT(Multistate Performance Test、実務文書作成)です。これらが2日間でテストされます。配点は、MBE 50%、MEE 30%、MPT 20%です。これらの点は、UBE採用する州はすべて共通と理解していますが、テキサス州については以下のウェブサイトで日程等が公表されています。

次に各科目の出題範囲ですが、MBE(7科目)とMEE(数え方にもよるが14科目)については、問題作成者であるNCBEがアウトラインを公表しています(以下のウェブサイト参照)。これらを見れば、どのようなトピックがテストされるか分かります。もっとも、試験の準備にあたって予備校教材等を使う限りにおいては、その教材をしっかり使い込むことで全てのトピックをカバーできると思うので、このアウトラインを独自に読み込む必要はなさそうです。

https://www.ncbex.org/sites/default/files/2023-01/MBE_Subject_Matter_Outline.pdf

https://www.ncbex.org/sites/default/files/2023-07/NCBE%20MEE%20Subject%20Matter%20Outline_0.pdf

全体的な戦略・使った教材

米国司法試験だからといって特殊な点はなく、まず必要な知識をインプットして、あとはひたすら問題演習(アウトプット)というのが大きな流れです。もちろん、アウトプットしながら随時インプットに戻るというベクトルもあるので、両者を並行しながら進める時期もあります。

また、MBE(択一)レベルの知識をさらに論述形式にまで深めたのがMEE(エッセイ)という関係にあるので、MBE→MEEの順で完成させるのがセオリーかと思います。MBEについては難しく考えることはなく、インプットを終えたら、ひたすら問題演習をこなすのみです。

MEEは、法的三段論法に従って論述する必要がある以上、いわゆる規範に相当する部分を暗記して答案上に吐き出せるようにしておく必要があります(特に非母語での論述になるため、暗記の必要性は日本語の試験以上にあります。)。また、MEEは合計14科目と非常に科目数が多いのですが、一部はMBE7科目と重複しており、この重複科目から取り掛かります。

残りの1科目であるMPT(実務文書の作成)については、MBE/MEEと異なり、インプットが不要(必要な知識は全て現場で与えられる)というのが特徴であり、アウトプット(答案作成)の手法に慣れてしまえば、短時間で準備できると言えるでしょう。そのため、比較的後半戦になってから着手します。

MBE/MEE用のインプット

Barbri - ビデオ

MBE、MEEいずれでも使う知識は一緒なので、試験勉強の序盤はインプットが中心でした。教材としては、Barbriのビデオを見ました。[2]

他の日本人受験生の過去の受験記録を見ると、最初のインプットとしてこのビデオを見るかどうかがまず分水嶺のようです。ビデオを見るのは少数派であり、多数派は日本人ノートを読むのではないかと思われます。個人的な印象ですが、Barbriのビデオは非常にコンパクトでわかりやすかったです。自分で英文を読むのと比べると、勝手に読み進めてくれるので、疲れに左右されず、インプットをガンガン進められるというメリットはあると思います。また、ビデオの方が時間がかかるような気もしますが、倍速視聴により結構短縮できます。なお、個人的には、そもそも英語でアウトプットしなければいけない試験なので、日本語でインプットするのはナンセンスにも思いますが、歴代の日本人の記録を見る限り、そこに苦労を感じている形跡はないので、この辺は人によるのかもしれません。

Barbri - CMR

以上のビデオ鑑賞の補助教材として、BarbriのCMRがあります。講義用のハンドアウトのようなものです。講義を聞きながら視覚的に理解する上で有益ですし、講義の後の練習問題でわからなかったところを確認するのにも役立ちました。ただ、内容が薄いので、この後に続く本格的なMBE対策をこれで乗り切るのは無理そうです。どこかで後述のBarbri Outlineに切り替えていく必要があります。

Barbri CMR (Civil Procedureの例)

MBE演習

Emanuel

Emanuelは、MBEの過去問を集積した書籍ですが、これをMBEの問題演習対策で使いました。[3]

Emanuel表紙

Emanuelについては、「解説がわかりやすいが、長い」というのが日本人受験生の間の評判ですが、私もそのとおりだと思いました。なので、どこまで解説を読むかは手持ち時間との関係でよく考える必要がありそうです。一つには、正解の選択肢に関する解説だけ読むという切り方もありそうです。ただ、私の場合、比較的時間に余裕があったこともあり、全部読みました。不正解の選択肢に関する解説も読むことで、微妙な選択肢の切り方などのテクニックが身についたように思います。

また、Emanuelには、MBE7科目で合計約480問掲載されていますが、所収している問題のチョイスがいいと思います。1周やれば、MBEで出題されるトピックが一通りカバーされるようになっているようです。後述のとおり、私はEmanuelを解きながら、逐一手元のBarbri Outlineに立ち戻ってメモしていったのですが、Emanuelを終わらせる頃には、Outlineのほぼ全ての部分にメモが入っていました。

なお、解説を全て読んだことからも分かるとおり、私は、Emanuelはかなりじっくりやり込みました。そうすると、インプットの段階からEmanuel一本だけで良かったのでは?(Barbriのビデオ見る必要なかったのでは?)という気もしますが、さすがにインプットは、一つの「筋」に従ってやるのがいいと思うので、Barbriビデオ→Emanuelの順番で良かったのではないかと思っています。[4]

Barbri - Outline

Emanuelによる問題演習のお供として、BarbriのOutlineを使いいました。Outlineというだけあって、MBE/MEEに必要な知識を全てカバーすることが意図されており、実際、使ってみてそのくらいの網羅性があったと思います。このOutlineがいわば六法全書のような役割を果たすわけです。私は、Emanuelで一問解いて解説を読むたびに、Outlineに立ち戻って、該当箇所をハイライトしまたはコメントを入れる、という使い方をしました。

Barbri Outline (Civil Procedureの例)

このような使い方をする効用は2点あって、まず、たった今解いた問題で問われているイシューが当該科目全体の中でどこに位置付けられているかが体系的に分かり理解が深まります、また、都度立ち戻ることでOutlineを徐々に手懐けることができ、試験直前期に「これだけ読み返せばOK」という見返し用の教材が手に入ります(逆に言うと、事前にある程度読みほぐしておかないと、直前期になっていきなりOutline読破するのは無理)。[5]

なお、以上の効用を得るには、必ずしもBarbriのOutlineである必要はなく、MBEに必要な知識類を網羅している文書であればなんでもいいと思います。ただ、インプットでBarbriを使うのであれば、連続性の観点からBarbri Outlineが一番いいと思います。この点、Barbriの教材という意味では、インプットのときに使ったCMRも候補になりますが、内容が薄すぎたり、無駄なHypoが挿入されていたりと、直前期にも使うことを想定すると、いささか心許ない印象でした。さらにいうと、逆に、CMRではなくOutlineをインプット(Barbriのビデオ鑑賞)の段階から使えばいいのでは?というのも考えましたが、とにかくスピーディに一通り概観を得たいというインプットの目的に対して、Outlineはややtoo muchなように思います。

MEE演習

SmatBarPrep - Flashcards

MEE対策でまず手をつけたのが、論述に必要な規範の「暗記」です。MEEの特徴として、問題文で与えられる事実関係はそれほど長くなく、「あてはめ」で多くのことを書くことは期待されず、むしろそれに先行する「イシュー」スポッティングや、個々のイシューに対応する「規範」の展開への比重が高いことが挙げられます。このような試験を攻略するには、やはり規範を「暗記」しておくのがベストと思います(特に英語の試験なので)。

この観点から使ったのがSmartBarPrepのFlashcardsです。教材は、なるべくBarbriに一本化したかったので悩ましかったですが、Barbriが提供する教材の中には、上記目的意識に沿ったものがなかったので、やむを得ず入手しました。[6][7][8]

SmartBarPrep Flashcards (Civil Procedureの例)

使ってみた経験上、MEEで問われるイシューはFlashcardsで概ねカバーされていると言っていいと思います。MEEの過去問から作っていると思うので、ある意味当然ではありますが、MEEでは同じような論点が毎年繰り返し問われているという話もあるので、それも考慮すると、MEE対策の暗記としてはFlashcardsで十分と言えそうです。

他方、SmartBarPrepのFlashcardsを使うことの最大の弱点は、SmartBarPrep作成のOutlineを前提に作られていることです。なので、Flashcardsで暗記していて、「これは何を言いたいんだ?」という(言葉足らずの)カードに遭遇したときは、SmartBarPrepのOutlineを見て趣旨を確認する必要があります。その際、元々インプット教材として使ってきたBarbriとは別の言葉で同じ概念が表現されていたり、結構ストレスがありました。教材をBarbriに一本化できなかったことが裏目に出ています。Flashcardsがそれ単独でしっかり作り込まれていれば「これは何を言いたいんだ?」なんて疑問はそもそも出てこないのですが、残念ながらそこまで出来の良いものではなかったです。他に適切な教材がなかったので使い続けましたが、本来的には、Barbriが自前のFlashcardsを作るのが一番いいと思っています。[9]

Barbri - MEE Testing

以上の暗記作業と並行して、BarbriのMEE Testingで問題演習しました。この教材は過去問を集めたものと思われます。

Barbri MEE Testing (Civil Procedureの例)

模範解答がしっかりしているのが好印象です。ただ、しっかりしすぎていて絶対真似できないですが。[10] 特に、規範を展開する部分でどこまで書くのが「お作法」なのかを知る上で参考になりました(例えば、Negligenceの問題があったら、イシューになる要件のみならず、とりあえずprima facieの4要件は全部書いておくなど)。[11]

MPT演習

Barbri - MPT Workbook

MPTは、事前知識不要なので、とにかく演習してタイムマネジメント(1問90分で書き上げる)のコツを掴むのみです。教材としては、Barbriの教材に入っている過去問集(Workbook)を使いました。

過去問以外に適切な教材もないのですが、90分の中でどう時間配分するかなどの方法論については、BarbriのMPT講座とか、その他YouTubeの動画とか、色々な情報があります。問題演習する中で、自分にあった方法を模索する際に参考にするといいと思います。[12]

私自身の方法論としては、試行錯誤を重ねた結果、最終的に次のようなものに落ち着きました。前提として、いわゆるIRACに沿って答案構成します。

  1. まずFileは全部読む。その上で、答案の体裁・枠だけ作っておく。

  2. そのあと、Libraryを全部読む。その過程で気づいたIssueは答案に書いておき、また、あとでRuleを書くのに使えそうな箇所は、問題用紙上でハイライトしておく。

  3. Libraryを読み終えたところで、Library掲載の法令・判例に基づいてIssue/Ruleを完成させる。また、一つのRuleを書き終わったら、忘れないうちにApplicationも記憶ベースで書いておく。

  4. そのあと、Fileを読み返していき、上記で一度書いたApplicationをブラッシュアップしていく。

時間管理としては、ステップ1から3は自然体で取り組み、最後のステップ4の作業の密度を、その時点での残り時間に合わせて調整する、という感じでした。

具体的なステップ

以上が全体的な戦略ですが、具体的にどういう時間軸で各教材に取り組んだかについて簡単に書いていきたいと思います。

軽くスケジュールを考えておく(1月頃)

2024年1月に、いつ勉強に本格着手するかスケジュールを検討し、多くの先人たちに倣って、卒業後(私の場合5月11日)に開始することにしました。卒業後すぐ動けるように、1月の時点で試験科目の確認、教材の確認だけしてました。Barbriもこのタイミングで買いました。

その際、参考にさせていただいたのが以下の各受験記録です。

卒業前後から勉強開始、まずはインプットから(5月5日-24日)

卒業してから本格着手しようと思っていたのですが、実際には春学期の期末試験が割と早く終わったこともあり(5月4日には最後の科目が終了)、予定より1週間早くスタートできました。そこからは、起床時間のすべてをインプットに振り、ひたすらBarbriのビデオを倍速視聴していました。なお、基本はBarbriが提示する順次に沿って視聴していくのですが、そうするとMBE科目だけでなく、MEE科目も間に挟んできます。しかし、とにかくMBEを片付けたいという戦略に従い、このようなBarbriの指示は全部無視しました。5月24日にMBEのインプットが一通り終わった感じです。

MBE演習、MEEの暗記(5月24日-7月6日)

インプット完了後1週間ほどは、BarbriのPractice Questionsを解いていました。これはBarbri独自問題のようです。その上で6月2日頃にBarbriの提供する本番形式の問題”Simulated MultiState Bar Exam"(Barbri模試と呼ばれることもある)をやってみましたが、正答率は55%くらいでした。引き続きMBE対策を続ける必要を感じましたが、そもそもBarbri独自問題は意味がなく、過去問を使って演習した方がいいと思ったので、ここでEmanuelに切り替えました。

他方で、ずっとMBEの問題を解いていると集中力がもたないので、MEE科目のBarbriビデオを鑑賞し、Flashcardsを使ったMEE用の暗記作業も入れていきます。

インプットに全振りしていたときとは異なり、1個1個じっくり確認していくような勉強に変わっていったので、ペース的にはスローダウンし、長距離走の様相を呈してきました。

7月6日でEmanuel合計480問の演習が終わり、MBE対策はコンプリートしたことにしました。

MEE演習、MPT演習に軸足を移す(7月7日-22日)

MEE演習については、教材はBarbriのMEE Testingを使ったのですが、Write outするにせよ、答案構成だけにとどめるにせよ、本番と同じ環境(ILG Examというソフトウェアを使う)で取り組みました。30分以内で書き切る感覚が身に付いたところで、Write outするのはやめて答案構成だけにとどめ、むしろ数をこなしていく方針に切り替えます。また、Flashcardsでの暗記作業も並行して継続します。[13]

MPTについては、週に1回を目処に取り組もうとしたのですが、毎回新しい知識が与えられてそれに基づいて答案を書くという科目の特性上、すごく気が重いので、結局あまりできなかった気がします。ロースクールのメンバーで答案練習会をしたりしたので、それをペースメーカーにしてなんとか食らいついた感じです。

MBE対策については、Emanuel完了後は特に演習はしておらず、BarbriのOutlineを一日1科目のペースで読み返しただけでした。

直前1週間でレビュー (7月23日-29日)

最後の1週間は、基本的にやったことのレビューです。MBEについては、少し問題演習から離れてしまったこともあり、1問あたりの時間配分の感覚を取り戻すため、Emanuel末尾の問題合計200問を25問ずつに分けて、1セット45分で練習し直しました。時間節約のため、間違えた問題・自信がない問題だけ解説を読むことにしました。この200問の正答率は、143/200でした。必ずしもスコアが高いわけではないですが、まあ十分合格水準だったかと思います。と同時に、試験範囲が広すぎて、これ以上勉強しても劇的に上がるのは難しいかもしれないな、という感触を持ちました。

Outlineの読み直しや、Flashcardsによる暗記も続けます。Outlineについては、すでに一度読み直しているので、むしろまだ読んでないところを潰すことにしました。少なくともMBEについては、深く理解せずとも一回でも触ったことのある論点であれば解ける問題がほとんどだと思うので、「広く浅く」という姿勢が重要だと思います。

試験本番(7月30日-31日)

MBEは時間が足りなくなることはないだろうと予想していましたが、実際、午前は18分余り、午後は7分余りました。問題形式に違和感は全く感じなかったので、Emanuelで過去問演習したのが効いたのだと思います。ただ、準備してもどうしてもわからない問題は相当数ある、という印象をさらに強めました。過去の受験記録を読んでも、ある程度まで行くとMBEの点数は伸びにくくなるから、MBEを一定のレベルまで上げたらMEEの方に注力するというストラテジーがメイクセンスする、という声を聞きますが、完全に同意です。

まとめ

現実には日々試行錯誤しながら勉強方法を模索していたのですが、全部終わって今振り返ると、最終的には以上のような形に落ち着きました。結果としては、無事合格できたのでよかったです。本記事が今後受験を検討されている方にとって参考になりましたら幸いです。


[1] 他方で、出願手続や試験会場におけるレギュレーション、司法試験合格とは別に満たす必要のあるアドミッションのための要件(宣誓など)については、州ごとに全く違うと思います。これらについては別途書く予定です。

[2] なお、Barbriもいくつかコースがあると思いますが、私は、紙媒体の教材(後述するCMRやMEE Testingなど)が欲しいと思ったので、Bar Review Guided Passにしました。価格は、なんと2,783ドル(!)。ただ、買う時期が早ければディスカウントがあるかもしれません。私はなんとなく1月に買ったのですが、いずれ必要になることはわかっているので、もう少し早く買っても良かったと思います。

[3] なお、同書籍末尾に追加の200問(Practice MBE)が掲載されていますが、これが「Emanuelオリジナル問題である」との記載をどこかで見たような気がします。しかし、Emanuel自身の説明によると、実際の過去問から持ってきたもののようです。

Emanuelからの抜粋

[4] その他、過去問演習という意味では、AdaptiBar、JD Advisingを利用することも考えられそうです。私は使いませんでしたが。

[5] BarbriのOutlineをこのように使うのは、実は今回が初めてではなく、今年3月に受験したMPREで経験済みです。MPREでの成功体験があったからこそ、BarbriのOutlineへの信頼感は元々あったとも言えます。MPREの受験記録は以下の記事をご参照下さい。

[6] SmartBarPrepもいくつかコースがありますが、私はUBE Ultimate Packageを買いました。275ドルです。

[7] SmartBarPrepの教材の中には、Smart Sheetsというのもあり、過去の受験記録を見ると、これを使って勉強(暗記)した例もあるようです。ただ、Flashcardsは、このSmart Sheetsから暗記に必要な箇所を抽出することで作られているようなので、Flashcardsを使えば十分だと思います。

[8] SmartBarPrepは、2024年7月試験用教材のリリースが遅くて、私が5月に購入した段階では2月試験用の教材しか存在しませんでした。6月になって初めて7月試験用教材が送られてきました。もっとも、2月試験用と7月試験用で大差はなかったので、バージョンには拘らずさっさと購入して使い始めるのがいいと思います。

[9] あるいは、SmartBarPrepはFlashcards以外にも、MBE、MEE、MPT向けの教材を含んでいるので(ビデオはないですが)、そもそもBarbriを使わず、SmartBarPrep一本で試験対策することも考えられるかもしれません。もしそうだとすると、Barbriよりだいぶ安く済むはずです。

[10] 模範解答という意味では、各州の司法試験委員会がサンプル回答を公表していることがあると思います(例えば、以下のテキサス州のもの)。ただ、玉石混交であり、題意に答えきれていないと思われるものも多数見受けられたので、問題演習の答え合わせとして使うには心許ないと思いました。

[11] MEE Testingを使って答案作成する場合、Barbriに添削をお願いできます。ただ、答案のフレームワークについては、MEE Testingの模範解答を読むことで十分理解できますし、結局、個々の事実関係に即したwrite outより、幅広くイシュースポッティングできる能力、規範の正確な暗記が重要になってくるので、添削が役に立ったとは思わないです。実際、最終的には、MEE Testing掲載問題から各科目8題ずつやりましたが、そもそも答案を書き上げるということはほとんどしておらず、基本的には答案構成しただけです。

[12] MPTもBarbriの添削を受けることができます。ただ、私の場合、90分をどう使うかの基本的な部分(何分で問題文を読み、何分で答案を書くか)で四苦八苦してしまったので、添削の必要性を感じるレベルまで至らなかったです。一般論としては、MEEより1問あたりの持ち時間が長く、答案も長くなる分(MEE1問30分に対しMPT1問90分)、書き方に幅が出てきそうなので、添削を受けることのメリットはあるかもしれません。

[13] MEEについては、この時期にJD Advisingが出題予想を公表しました。私も一通り見ましたが、結局全部Likelyと言われているので、全然役に立たなかったです。ただ、もし時間がなくてヤマを張る必要性があるのであれば、有益なのかもしれません。


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