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ロゴマークの刷新を通じた自社理念の強化と共有へのトライ - 前編

デザイナーの@kenichisuzukiです。KARTEというCXプラットフォームのプロダクトを提供する株式会社プレイドで働いています。初noteです。

印象に残っているロゴマークは?」と聞かれて、あなたはどんなロゴを思い浮かべますか?
特定のプロダクトや商品のもの、いわゆるブランドのもの、それらを展開している企業のものと、ロゴマークが作られている単位は様々です。

7月2日、プレイドはコーポレートロゴの刷新を行いました。
この記事では、「ロゴマークが果たす役割」についての自分の学びを整理しながら、ロゴ刷新を通じて、「目指す理想像を実現するために自分たちが重要視する理念や価値観、行動を想起してもらう」ために取り組んだ事を紹介したいと思います。


ロゴとは?

そもそもロゴとは何でしょうか?似ている言葉が多いので、以下の4つに分類してみました。

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- ロゴタイプ:企業名やプロダクト名などの文字を装飾的に表したもの
- シンボルマーク:企業やプロダクト、個人などを象徴する記号や図形
- ロゴマーク:シンボルマークとロゴタイプを合わせたもの
- ロゴ:上記のいずれかまたは全てを指す際の略称として使われるもの

いずれも人により様々な定義がなされていますが、この記事では上記の使い分けで書いていきます。
便宜上、ロゴ全体を指す部分では「ロゴマーク」という言葉を、「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」を個別に指す場合はそれぞれの言葉を用います。


ロゴマークが担う役割

ロゴマークという概念を示す際に用いられる「記号」という言葉の定義を調べてみると、

- 情報伝達や思考・感情・芸術などの精神行為の働きを助ける媒体のこと
- 人間が何らかの意味と結び付けることにより、記号として成立する

とあります。

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何らかの情報を伝えやすくしたり、思考活動をしやすくするための図形が「記号」であり、それを会社やプロダクト・個人を象徴するものとして、意味と結びつけたものが「ロゴマーク」と言うことができそうです。

ロゴマークが担う役割をまとめると「対象の意味を記号で示すことにより、情報伝達や思考、行動を助けること」と捉えることができます。


ロゴマークの種類

記号で示す対象として、冒頭では「企業やプロダクト、個人」と書きましたが、自分がよく目にするものとしては以下の3つが多いです。

- プロダクトロゴ:市場に向け販売されている商品名を表したロゴマーク
- ブランドロゴ:一連の商品群の総称を表したロゴマーク
- 企業ロゴ:商品やサービスを提供している企業そのものを表したロゴマーク

ロゴマークの有無は名称の違いに依存します。スタートアップの文脈だと「プロダクト名と企業名が一緒」「プロダクト名と企業名が別々」の2つのケースがあり、それぞれメリット/デメリットがあるのではと考えています。

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プロダクト名と企業名が一緒
(例:Dropbox社、SmartHR社、トレタ社など)
- メリット:
 - 名前を別々に覚える必要がないため、記憶に残りやすい
 - プロダクトと企業に対し共通の意味付けをもたせることができる
 - 企業名を冠につけたプロダクト展開(Dropbox Paper、InVision Studio)
- デメリット:
 - 一つの記号に複数の意味合いを込めにくい
 - 多事業展開する際、一つだけ企業名の事業が存在することになる。均一さを保つにはどちらかを変える必要が出てくる
プロダクト名と企業名が別々
(例:Atlassian社、Nulab社、Atrae社など)

- メリット:
 - プロダクトと企業、それぞれに別々の意味付けをすることができる
 - 多事業展開の際の不均一を避けられる
- デメリット:
 - エンドユーザー視点ではプロダクト名は認知されるが、企業名は認知されにくい
 - ロゴマークそれぞれの管理コストが増える


プロダクト名と企業名が別のプレイドの場合

自分が所属しているプレイドの場合、プロダクトである「KARTE」とは別に、企業として「プレイド」という名前があります。

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(KARTEプロダクトロゴのデザインプロセスについては、以下の記事をご覧ください)

それぞれのロゴに対し、個別に意味づけが出来る状態です。ロゴマークを刷新するにあたり、これらをどのように扱うか?を考える必要がありました。
そこで「誰に対して」「どんな意味を想起できるとよいのか?」という観点で役割を整理しました。

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プロダクトロゴ
- 誰に対して?:
 - 対社外に軸足を置く
 - プロダクトの顧客やエンドユーザー
- どんな意味を想起してもらう?:
 - プロダクトが実現したい理想像
 - 「人と向き合うことを通じて笑顔の体験をふやす」
企業ロゴ
- 誰に対して?:
 - 対社内に軸足を置く
 - プレイドのメンバー
- どんな意味を想起してもらう?:
 - 理想像の実現のために必要な理念や価値観


ロゴ刷新の目的

上記を受けて、プレイドにおける企業ロゴの役割は、「プロダクトを提供していく内部のメンバー」に対して、「目指す理想像を実現するために自分たちが重要視する理念や価値観、行動を想起してもらう」ことと決め、今回の刷新に至りました。


なぜ今なのか?

おかげさまでKARTEは多くのお客様にご利用いただき、これから先より良い体験を提供していくために、一緒に働くメンバーも増えていく時期と感じています。メンバーが増えるということは、そこに流れる情報量やコミュニケーションの経路も増え、複雑になっていくことが予想されます。

そうした中、現在の自分たちが重要視する理念や行動に対して共通認識を持てずに進んでしまうと、コミュニケーションコストの増大に繋がり、コラボレーションの妨げになるという危険があります。
そうなる前に、理念や行動を記号に繋ぎ認識を共有出来ることが、これから先のコラボレーションを加速させることができるのではと考えたのが理由になります。

付け加えると、オフィスを移転するというタイミングでもあり、新たな環境でスタートするにあたり、改めて自分たちが大切にしている事に向き直ろう、という意思表明でもあります。


ロゴ刷新のプロセス

後半の記事では「自分たちが重要視する理念や価値観、行動を想起してもらう」ために、どのようなプロセスを経てロゴマークを設計していったかを述べていきます。

<後編はこちら>


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