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パパ1人×子ども2人でマレーシア移住!リモートワークでどう乗り切る?

クアラルンプール (KL) に5歳と2歳の子どもを連れて戻ってきて、早くも1ヶ月が経った。私はデータサイエンス・AI分野でスタートアップを日本で経営しており、昨年末から移住生活を始め、一時帰国を経て、再びKLでの生活を整えている。

研究者から起業家へ、そして子育ての挑戦

九州で育ち、大学で東京に出てきた私は、大学でコンピュータサイエンスにドハマリし、研究の世界に足を踏み入れた。そして、博士号取得の過程でデータサイエンスの会社を起業し、それ以来ずっとスタートアップの道を歩んでいる。

初めて海外に行ったのは26歳の時だった。そこで「もっとグローバルな環境で仕事がしたい、そして将来、子どもたちにもそんな環境を提供したい」という思いが芽生えた。その後、会社の売却や新規立ち上げ、結婚、子どもの誕生と、人生の転機を経験するなかで、海外移住のタイミングを見計らっていた。

九州で約20年、東京で約20年と日本での生活が40年近くなり、「次は別の国で過ごしたい」という思いが強くなっていた。同時に、子どもたちがまだ小さいうちにグローバルな環境で育てたいという願望もあった。これらの思いが重なり、ついに海外移住という行動に踏み出した。

現在、妻がまだ日本に残っているため、私は「リモートワークをしながら子ども二人の育児を担う」という生活を送っている。仕事と子育ての両立は簡単ではないが、子どもと過ごせる時間は限られており、その成長の瞬間をできるだけ見守りたいと思っている。だからこそ、仕事の進め方や生活リズムを工夫しながら、子どもとの時間を大切にすることを最優先に考えている。

だが最大の壁は「私1人で5歳と2歳の子どもを育てながら、会社を経営できるのか?」という点だった。

子どもたちにグローバルな環境を与えたいけど、パパ1人でも可能なのか?

私が移住先に求めた条件はこうだ:

「子どもたちが国際的な視野を育める教育環境」 「リモートワークに適した環境」 「生活コストが高くなく」 「日本との時差が少なく」 「言語の壁が高すぎない」

この条件を満たす国はどこだろう?そして本当に1人でも子ども2人と海外生活が成り立つのか?

マレーシアの総合的な住みやすさが決め手に

海外移住しやすい国を色々比較した結果、マレーシアへの移住を決断した。マレーシア・クアラルンプールへの移住は、予想以上にスムーズだった。多文化社会、整った都市インフラ、教育環境の充実、そして何より子どもたちにとって暮らしやすい環境が決め手になった。

子どもたちとのクアラルンプール生活

ここからは実際のマレーシアの生活について紹介する。

住まい:快適なコンドミニアム生活

私たちは、モール直結のコンドミニアムを月額4,400リンギット(約15万円)で借りている。東京の同等クラスの物件と比べるとかなりリーズナブルで、設備も充実している。買い物や食事にも困らず、プールや公園なども敷地内にあるので、子どもたちの遊び場にも困らない。

セキュリティも24時間体制で、子どもたちと安心して暮らせる環境が整っている。モール直結という利便性は、子連れ生活では想像以上に価値がある。特にワンオペ育児の場合、買い物のための移動時間が最小限で済むのは大きな利点だ。

子どもの教育:将来を見据えたグローバル環境

子どもたちのために移住を決めた最大の理由は「早い段階からグローバルな環境で育てたい」という思いだ。5歳の子はインターナショナルスクール、2歳の子はプリスクールに通っている。

5歳の子も2歳の子もまだまだ言語は勉強中だが、日に日に新しい言葉を吸収し、少しずつ英語で会話ができるようになってきている。特に5歳の子は、「Good morning」から始まり、今では少しずつ英語を日常で使おうと努力している。2歳の子も単語を少しずつ増やし、コミュニケーションが取りやすくなってきた。

子どもたちは私の想像以上に環境に適応し、新しい言葉や文化を吸収している。様々な国籍の友達と遊ぶ姿を見ると、この決断は間違っていなかったと実感する。

教育費は決して安くはないが、子どもたちが自然に多言語・多文化環境に触れられる価値は計り知れない。

食事事情:多様な選択肢と手頃な価格

クアラルンプールの食事事情は素晴らしく、子どもたちにも日本食、マレー料理、中華、インド料理など様々な選択肢がある。外食文化が発達しているため、値段も手頃で、日本食レストランも充実している。

仕事で忙しい日には「Grab Food」のデリバリーが便利だ。日本のUber Eatsと比べてもデリバリーの上乗せが低い点が気に入っている。子どもたちも現地の味に少しずつ慣れ、お気に入りのローカルフードもいくつか見つけた。

ワンオペ育児の状況では、食事の準備に割ける時間も限られているため、こうした利便性は大きな助けになる。

サポート体制:ベビーシッターで子育て支援も充実

子育てとリモートワークを両立させる上で助かっているのが、「Sitly」というベビーシッターアプリだ。このアプリでは近くに住んでいるベビーシッターを探せる。朝の準備や夕方の時間帯など、忙しい時間に手伝ってもらうことで、仕事との両立が可能になった。

  • 平日朝:6:00〜7:30(子どもたちの朝食・準備・送り出し)

  • 平日夕:18:00〜20:30(お迎え・夕食・入浴サポート)

  • 週末:11:00〜19:00(子どもと遊ぶときに一緒にきてらったり、仕事中面倒見てもらったり)

時給20リンギット(約700円)で雇えるため、上記のように頻繁に来てもらったとしても費用は月額約10万円程度で、子育てが圧倒的に楽になる。

子どもと過ごす時間は貴重だが、24時間365日一緒にいることが最善とは限らない。適切なサポートを受けることで、質の高い親子の時間を確保できるようになった。特に妻が不在の中での子育てでは、こうしたサポートシステムが精神的な余裕を生み出してくれる。

ビザと働き方:デジタルノマドの自由

現在はデジタルノマドビザ(最長2年)で滞在中だ。その後は現地法人設立も視野に入れている。リモートワークをしながら子育てをする身としては、ビザの選択肢が色々あるのは非常にありがたい。

時差のメリット:リモートワークとの相性

日本との時差が1時間しかないので、日本のクライアントやチームとの業務もスムーズだ。子どもたちが7時すぎに学校へ行くタイミングで仕事を始めるのもちょうど良く、生活リズムを整えやすいのも大きなメリットだ。ただし、日本時間21時からのミーティングは少し大変だが、そこはサポートを活用して乗り切っている。

妻とのコミュニケーションも、時差が少ないおかげで取りやすい。子どもたちが寝る前に日本にいる妻とビデオ通話ができるのは、家族の絆を維持する上で大きな助けになっている。

言語環境:英語

マレーシアでは英語が広く使われており、日常生活でも困ることはほとんどない。「割と適当な英語でも通じてしまう」ため、私自身の英語力が思ったほど伸びないというのは意外だった。

一方、子どもたちの語学習得能力には驚かされる。毎日新しい英語の勉強をしているので、逆に私も一緒に学ぶことすらある。また、マレー語や中国語にも自然と触れられる環境は、言語感覚を育むのに理想的だ。

多文化社会:子どもの視野を広げる

マレーシアの最大の魅力は、マレー系、中国系、インド系など多様な民族が共生する多文化社会であること。子どもたちは自然と異なる宗教や文化に触れ、多様性を尊重する姿勢を身につけている。

様々な祝祭日や文化行事を通じて、子どもたちの好奇心も刺激されている。このような環境で育つことが、将来のグローバル社会で生きる力になると確信している。

子どもたちの未来のための挑戦

親1人、子ども2人という状況でも、マレーシア移住は思った以上にうまくいっている。もちろん苦労も多いが、子どもたちが日々グローバルな視野を広げていく姿を見ると、この決断は正しかったと実感する。

マレーシアという国の総合的な住みやすさ―教育環境、生活コスト、インフラ、多文化社会、日本との近さ―これらすべてが、子育てとリモートワークを両立させる環境として理想的だった。

今回の移住をきっかけに、「できない理由」より「できる方法」を探す姿勢が大切だと改めて実感している。現地のサービスやコミュニティを活用し、柔軟に適応することで、新しい可能性が広がった。

データサイエンスやAIの世界も急速にグローバル化が進む中、子どもたちには早くからそうした環境で育ってほしいという思いが、日々強くなっている。子どもたちの言語習得やグローバルな視点の芽生えを見るたびに、この決断が彼らの未来への贈り物になったと感じる。

リモートワークと子育ての両立を目指す方々、特に「子どもにグローバルな環境を」と考えているパパやママたちに、マレーシアという国はおすすめできる。

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