次世代AI統合プラットフォーム Composioの革新性と可能性
Composio (https://composio.dev/) は、AIエージェントと大規模言語モデルを250以上のツールやアプリケーションに最小限のコードで接続できる革新的なAI統合プラットフォームである。サンフランシスコを拠点とするスタートアップが提供するComposioは、信頼性の高いAIエージェントの開発時間を大幅に短縮し、数ヶ月かかっていた作業をわずか数日で完了することを可能にしている。
業務システムとの統合
Composioの主要な特徴は、gmailやSlackやSalesforceなど様々なシステムとの円滑な統合にある。開発者はComposioを利用することで、複雑なAIエージェントを迅速に構築し、業務プロセスを自動化することができる。
各システムとの連携は非常に簡単だ。連携したいアプリケーションを選択をすると、連携のためのSetupボタンが用意されている。
Setupのボタンを進むとOAuthなどで認証情報を取得することができる。そして、認証情報はComposioで管理されることとなる。
アプリケーション開発者視点としては、以下の3点がComposioを使うメリットとなる。
各システムの認証を取得する仕組みの構築が不要
各システムの認証情報をComposioが管理
自然言語を使い各システムを操作可能
これらの利点により、開発者は効率的にアプリケーションを構築できる。
Composioの根幹: Function CallingによるAI機能の拡張
Composioプラットフォームは、Function Callingを簡単に使用可能にすることにより、AIエージェントの能力を大幅に向上させている。Function Callingの活用により、AIは単なるテキスト生成から、外部システムとの直接的な相互作用が可能な動的なアシスタントへと進化する。リアルタイムデータの取得や複雑なタスクの実行など、より高度な操作でも簡易な実装で可能となる。
ComposioにおけるFunction Callingの仕組みとしては単純だ。必要なシステムのAPIに対して、自然言語でタスクを入力すると、APIに渡すパラメータを作成し、APIをコールできる。つまり、APIの仕様などをComposioが管理しているので、わざわざ自分でFunction CallingのためにAPIの仕様書を組み込む必要がないということだ。
Composioのサイト上で、実行したいタスクを自然言語で与えると、APIをコールのために生成されるパラメータや実行結果を確認できる。そして、Compositをプログラムで動かすためのコードまで提供してくれる。
from langchain.agents import create_openai_functions_agent, AgentExecutor
from langchain import hub
from langchain_openai import ChatOpenAI
from composio_langchain import ComposioToolSet, Action, App
llm = ChatOpenAI()
prompt = hub.pull("hwchase17/openai-functions-agent")
composio_toolset = ComposioToolSet(api_key="*************")
tools = composio_toolset.get_tools(actions=['SLACK_SENDS_A_MESSAGE_TO_A_SLACK_CHANNEL'])
agent = create_openai_functions_agent(llm, tools, prompt)
agent_executor = AgentExecutor(agent=agent, tools=tools, verbose=True)
task = "your task description here"
result = agent_executor.invoke({"input": task})
print(result)
サンプルコードは、CrewAIやLangChainやLettaなど主要なフレームワークに対応している。このサンプルコードを組み合わせることで、複数のシステムを連携した複雑なアプリケーションを構築できる。
従来のiPaaSとの比較
Composioと似たようなサービスとして考えられるZapierなどiPaaS (Integration Platform as a Service) とComposioを比較するとどうか。Composioはシステム上でのタスクの実行は基本的に自然言語による命令をベースとしている。つまり、細かくパラメータを指定することなく、直感的にシステムに命令できるようになっている。
ZapierでSlackのrandomチャネルにメッセージを送る場合:
チャネルとメッセージをそれぞ指定して実行ComposioでSlackのrandomチャネルにメッセージを送る場合:
「randomチャネルに〇〇をおくる」というタスクを実行
Slackの例は単純だが、ユーザの入力をシステムと連携させることを考えると、Composioは従来型iPaaSソリューションとは一線を画しており、AIに特化した統合機能を提供し、開発者により大きな制御と柔軟性を与えている。
将来の展望
この記事では、ComposioというAI統合プラットフォームを紹介した。Composioの革新的なアプローチは、企業のワークフローに革命をもたらすと期待されている。開発時間の短縮、90%以上の精度を誇るAIエージェントの信頼性、既存システムとの統合の容易さなど、多くの利点を提供している。2029年までに3,116億ドルに達すると予測されるエンタープライズAI市場において、Composioは重要な役割を果たすことが予想されている (参考: https://yourstory.com/2024/12/composio-makes-ai-integrations-agents-composio-tech30-enterprise)。
Composioに限らず、このようなAIと従来のシステムを統合するための技術革新により、企業は急速に変化する顧客ニーズに迅速に対応し、高い精度と効率性を維持しながらAI駆動のソリューションを展開することが可能となっていく。