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SAPの公式トレーニングに参加してみた

ERPパッケージの代名詞であるSAP。
その知名度とは裏腹にあまり情報が出回っていないことでも有名だが、その中でもほとんど情報が無いSAPのトレーンングに参加したので体験談 (思い出話程度)を残します。

参加した背景


自分は普段、自社のSAPの開発保守を担当しており主にSD (販売管理)モジュールが主戦場となっている。とは言っても、アドオンまみれのなんちゃってSAPであるためSAPを担当しているのに標準機能を知らないなんとも言えない状態。さらに、避けては通れないHANAへの移行に向けて、今更ながらSAPを学ぼうとトレーニングに参加することにした。

今回は認定資格を取ることも視野に入れてアカデミーレベルのSales in S/4HANA Academyに参加した。

職場ではコロナもあったことからここ数年誰もトレーニングに参加しておらず、どれが適切なコースなのか分からなかったが、コース内容に「認定試験」という文字があったので選んだ。聞くところ、昔はコースに認定試験が入っていたそうなので。

結果的に選んだコースは正解だったが、このコースの中に「認定試験」の受検料が含まれていないことはこの時はまだ知る由もなかった。
PartⅠ,Ⅱの二部制で合計150万円ほど。噂には聞いてたが、なかなかのお値段。自分は会社のお金で受講したが、これ個人負担で受講する人いるのか。


参加したコースは以下の2つ
TS460:Sales in SAP S/4HANA Academy Part I
TS462:Sales in SAP S/4HANA Academy Part Ⅱ


最近主流の現地参加とオンラインのハブリット型での開催だったが、自分は現地参加を選択。合計で1ヶ月ほど日中束縛されることになるが、仕事は幸いなことに同僚が一時的に引き継いでくれたので調整できた。

ちなみに、会場について申し込みのページには品川トレーニングセンターとしか書いてなく、前日に品川トレーニングセンターってどこだ?ってサイトなりメールなりを焦って漁りまくった話はまた後日。現地で参加する人は注意、というかSAPのサイト分かりずら杉内。

コース内容と感想


SAPの2025年だったり2027年問題と言われたりするように、今まさにS/4 HANAへの移行案件が溢れかえっており、SAPコンサルの需要が最高潮な時代。さぞたくさんの受講者(猛者)がいると思っていたが、予想を反してPartⅠ,Ⅱのどちらも参加者は15人程度で、しかも参加者の半分近くが社会人1年目だった。もちろん、ベテランの方も参加者の半分を占めていたが、SDモジュールを担当している人は意外にも自分含め数人程度だった。
ちなみに、ベテラン勢の多くはオンラインでの参加だった。

コースの内容は大体こんな感じ。
・組織構造
・ビジネスパートナー
・販売管理の流れ (受注、出荷、請求)
・受注、出荷、請求のそれぞれの伝票の構造について
・各伝票タイプの機能、明細カテゴリの機能
・各伝票のカスタマイズ
・利用可能在庫確認
・会社コード間販売など

最初に組織構造や販売管理ではどういった処理があるか、受注伝票はどういった構成をしているかを学んだ。
後半 (PartⅠの2週目から)からPartⅡにかけて、次第にカスタマイズの話に入る。
私は自社のSAPの保守を担当しているので、基本的にカスタマイズは既に設定されている (ヒント:このコースで学ぶカスタマイズは主に導入時に設定するもの)。従って、この各伝票のカスタマイズは普段の業務ではほとんど気にすることもなかった(ここが何かの障害に繋がることもほとんどないため)ところなので非常に勉強になった。

例えば、請求伝票を登録した際の請求タイプは何によって決まるか、価格は再決定するか。この価格はどのように設定するか。
もし知らない方や勉強したい方は下に記載したサイトが分かりやすいので参考にして欲しい。

講義の形式は、まず最初にテキストの内容の説明があり、1つないし2つトピックが終わると用意されているSAPの環境でテキストの演習問題に従って操作した。だいたい講義4割、ハンズオン6割といった割合か。
伝票を登録し設定値を確認。なぜその値になったのか、値を変えるにはどうすれば良いかを操作しながら学んだ。
正直、伝票を登録→値を確認→カスタマイズの設定値を変更→伝票を登録→値を確認、というサイクルを何度も何度もするので、日に日に単純作業に感じてしまい若干眠くなったりならなかったり。

また、ぶっちゃけSAPのテキストは翻訳がやや雑で図もお世辞にも分かりやすいとも言えない。
実際に講義でもほとんどが図の説明(というか図の見方)があるだけでテキストの本文は稀にしか読まれなかった。演習問題の時間が多めだったのもそれが影響している気がする。

まとめ


SAPのトレーニングを受けて、SDモジュールで想定されている処理や簡単なカスタマイズについて知ることができた。
アドオンまみれのSAPしか知らなかった自分は、SAPはこんな業務を想定されていて、こんな処理、設定ができるんだと多くの発見や学びがあった。
ただし、150万円も掛けて、1ヶ月近くも缶詰で勉強するほどかと言われるとそうでもない気もしたことも、また事実。
トレーニングの内容さえわかれば、正直ネットにあるブログや記事を見た方がSAPのテキストを読むより遥かに分かりやすいと感じたし、私も復習などではテキストを見返すというよりはネットにあるいろいろなサイトを見て理解を深めた。

最後に、参考になるサイトをいくつか紹介する。
これ以外にも分かりやすいサイトはいくつかあるので、トピックごとにお好みのサイトで勉強して頂ければと思う。

SAPコンサルブログ
 →各テーマの要点が簡潔にまとめられているので、概要を掴むのに最適なサイト。またカスタマイズ方法がわかりやすく書かれており、各設定の関係を把握することができるのが○。

SAPコンサルのメモ帳
 →こちらもカスタマイズにおける各設定の関係が視覚的に分かりやすく書かれておりオススメ。また、SAPの画面イメージも載せてあるのでSAPを触れる環境があるのであれば、こちらのサイトを参考にしながら設定を調べるのも良いかも。


最後まで読んで頂きありがとうございました。







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