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終わりを思い描き、体験を最大化せよ

メキシコのことを調べることになった。メキシコのイメージを確認したいので、生成AIを用いてメキシコの画像を生成した。

その中に髑髏(どくろ)の仮装をしたお祭りの画像があった。
「これは何かの間違いなのか」
と一瞬思った。

しかし、何か文化を知る上で参考になるのかもしれない、と思い、検索ツールや生成AIで髑髏の仮装をするお祭りを調べた。

その結果、カトリーナというメキシコのお祭りであることがわかった。ハロウィンの後の11月1日と2日に開催されるとのことだった。
メキシコに髑髏のオーパーツがあることは聞いたことがある。透明な髑髏で光を通すことができる髑髏である。だが、お祭りにも髑髏が登場するのは発見だった。

髑髏は死のイメージがある。西洋においては死神として、東洋においては遺骨として登場する。いずれも死にまつわるときに登場するので、ネガティブな印象を与えるかもしれない。だが、髑髏または骸骨は別の意味がある。

西洋のタロットカードに死神というカードがある。死神のカードは死にまつわるカードなのだが、死という意味合いが異なる。通常、死というと永久に復活できないイメージがあるけれども、死神のタロットカードは意味が異なる。スマートフォンのリセットボタンのイメージに近く、突然終わるという意味を持つ。突然終わることのみを表しているので、その後復活する余地があると言える。

死というのは再生という意味合いがある。あるものにとっては永遠に復活できないかもしれないが、別のものにとっては再生を表す言葉になりうるのである。それを祝うことがハロウィンであり、カトリーナのお祭りである。お祭りは何のためにするのかというと自分や周りの再生のためである。厄払いとは厄という過去の自分を終わりという死に向かわせ、新たな自分を誕生させる、復活のプロセスである。

終わりを思い描くことから始める、というアプローチがある。ここでいう終わりとは自分が葬儀をあげられていて、参列者から何を言われているのか、という状態を指す。自分の中の終わり、つまり自分自身の死を思い描き、そこから何ができるのかを考えていくアプローチである。これによりミッションを見つけ、言語化することで自分がなすべきことがわかる、ということである。日常生活で死から考えるということはあまりないため、ミッションを考える上では大切なアプローチである。

私は時々自分の終わりを思い描くことがある。今までは安楽死のような死に方を思い描いていた。だが、ひとりでひっそりと死んでいくあり方もよいのではないか、と考えるようになった。そのように考えると好きなことをしながら終わりを迎えるのもありだと考えるようになった。そのように考えるようになってから、ミッションが変わってきた。それに伴い、投資先の対象も変えることにした。体験を最大化することをミッションとし、体験を増やす方向にシフトした。それにより、今まではすることはないと思い込んできた方向にシフトすることができた。今でも模索は続けていて、毎日ミッションを確認しながらさらに体験機会を増やす方向にシフトしている。

ビジネスにおいても死は忘れがちだか、毎日のように存在している。お金がない、時間がない、人がいない、などさまざまなところから死の矢は降ってくる。それは内部にとどまらず、外部からもやってくる。お客様に見捨てられる、相手がお金を払ってくれない、大切に育てた社員に裏切られる、などさまざまな死の剣がある。それはいつ何時どこから降ってくるのかわからない。大したことがないと思っていたことが死因だということが往々にしてある。がん細胞ももともとは小さなコピーミスから始まるのだから、いつどこで時限爆弾が発火するかはわからない。だからこそ、ビジネスにおいても終わりがあることを意識し、良い終わり方を考える必要がある。良い終わり方とは自分の期待通りに終わることであり、期待通りに終わるためにはミッションを定め、目標を決めることが必要である。そして、目標を維持するためにはパートナー、特にお客様を見つけることである。

終わりを描くことは遠い将来を考えることではない。いつ何時終わるかわからないビジネスなり家庭生活なり人生に対して光を灯すためのアプローチである。それは北極星を探すためのコンパスとなり、私たちの人生に安定をもたらす。終わりを思い描くのに髑髏を思い浮かべる必要はないが、すべてのものに終わりというものは意識した方が良い。そうでなければいつの間にか死神がやってきて髑髏になっている可能性だってありうるのだ。それは本文を読み終えた直後かもしれないし、1年後かもしれないし、100年後かもしれない。それはわからないから終わりを思い描くことから始め、今すぐ行動し、体験の機会を増やしていこう。

ただ、そう言われていきなり終わりを思い描くことが難しいと思う方もいるかもしれない。かといって今すぐ死神には会いたくない方がほとんどである。その方たちのためにひとつアプローチがある。それは一瞬の体験を大切にする方法である。
今この瞬間は高速の矢のごとく短時間で生まれて短時間で死んでいく。一瞬の体験を大切にすることで終わりを思い描くことができる。ビジネスや人生は一瞬を長くしたものに過ぎないから、終わりを思い描きたい人は一瞬の体験を大切にしよう。その積み重ねで人生を充実させることができるのだから。


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