住まいの断熱基準が新しくなります
2021年11月に国が新たな断熱基準を設定することを公表しました。
今回はこのことを受けて
新基準の内容
新基準によって何が起きるか
これから建てるべき住まい
についてお伝えします。
1 新基準の内容 〜何が変わったの?~
住まいの断熱性能はUa値で表されますが、今までは省エネ基準レベルが最高等級4でした。
なのでZEH(ゼッチ)レベルの家には等級はありませんでした。
表にすると、、
という状態です。
今回の新基準では、次のようにZEH性能を超える基準が創設され、等級も新たに7まで追加されることが決まりました。
これまでは「省エネ基準」よりどれだけ断熱性能の高い住まいを建てたとしても、取得できる等級はどのお家も「最高等級4」でした。
しかし今後は、
ZEHレベルは等級5
HEAT20 G2レベルは等級6
HEAT20 G3レベルは等級7
というように、細かく認定されることになります。
2 新基準によって何が起きるか
今後、具体的には4つの事が起こると考えられます。
多くの住まい手が、ZEHより性能の高い住宅の存在を知る機会が増え、高断熱の住まいが増える
上位等級の住まいを標準化する工務店やハウスメーカーが増える
日本の住まいの資産価値が向上する
(これまでは高断熱住宅をコストを払って建てても、国からは等級4の評価まででしたが、今後は高性能住宅としてきちんと評価されます)住まい手側の見抜く力(知識量)が今まで以上に必要になります
(Ua値競争が今まで以上に激化し、本当の快適さよりもUa値の数値だけがいい住宅が増えることが予想されます)
これは今後の住宅の性能向上に寄与する、とても意味のある事です
3 これから建てるべき住まい
〜なぜ新基準を創設したの?〜
そもそもなぜ今、断熱性能の上位等級を設定したのでしょう。
やはりそれは「2050年のカーボンニュートラル」を達成するため。
2050年に二酸化炭素の排出量の収支を0にするためには、何十年も住み続ける家で必要な冷暖房エネルギーを小さく抑える必要があるからです。その為には今まで以上の高い断熱性能の住まいが必要です。
今年何度も行われたカーボンニュートラルについての政府の検討会で議論が尽くされ、新基準としてようやく形になりました。
ただし今回はまだ等級が設定されただけ。どの等級の住まいを建てるか依然自由な状態です。
〜今後の計画〜
いつまでも自由な状態では意味がありませんので、数年以内に等級4以上の住まいしか建てられなくなる事が決定しています(2025年等級4義務化予定)
さらに国は徐々に上位等級の住まいに補助金交付や税制優遇など、住まい手が選択したくなるようなメリットを打ち出し、カーボンニュートラル実現に向かうのは間違いありません。
そうなると、10年後の2030年頃はどうなっているでしょう?
その頃は、等級6の家は、いたって普通の家になっているはずです。
であれば、今から建てる住まいは、最低でも等級6、可能であれば等級7程度の性能にしておくのが賢明ということになるでしょう。
10年後、20年後に後悔しない住まいを建てておきたいですね。
ーー追伸ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は、現時点で等級6(Ua値0.46)の住まいは、
夏涼しく冬暖かい住まいにする為の性能としては
最低レベルとお伝えしています
”なぜ等級6の性能の家が最低なのか”
その理由を「かしこい住まいづくり講座」で色々な観点から
詳しくご説明しています
これからどんな住まいを建てるべきか悩まれている方は
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