"最前線"にやっとやっとたどり着けた。
注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が主に株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。
はじめに、今日のリリースを。
今日(2021年1月12日)のAM10時に配信したこのリリース、個人的には3年越しの念願が叶った思い入れの深い内容になりました。
2018年6月からオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」を展開しているんですが、その一番最初のフェーズからやりたかった取り組みです。
具体的には、スマルナで提供している「スマルナ相談室」の機能を切り出して学生・生徒向けに活用する、と言うもので親や先生、友人やパートナーにさえも相談しにくい内容についてプライバシーに配慮押した形で助産師や薬剤師が相談に対応する*、と言うものです。導入初期は(生物学的)女性生徒を対象としますが、条件が整えば(生物学的)男性生徒向けにもなんらかのサービスを開発していきたい、と考えています。
* 実証実験のため無償で利用できます。
僕は、世界最高水準である日本の医療体制を最大限リスペクトしていて、この仕組みをなんとか世界へ持っていけないか・・・って日々考えているんですが、その最高水準である医療体制の中でこぼれてしまっていたり、置き去りになっちゃってる領域が少なからず存在していることは日頃から社内イベントなどを通じてメンバーにはお伝えしているかと思います。
スマルナが解決したい領域はもちろんその中にあって、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の実現を「医療×コミュニケーション」の軸で解決していくのがスマルナで、その目指す世界観は”ココロとカラダが健康で、ワタシらしい人生を選べる世の中を作る”って言うのはご存知の通りかと。
プラットフォーマーとして目指す世界と、
優先せざるを得ないことの狭間で。
スマルナは、現在スマートフォンのアプリ(ネイティブアプリ)を中心としたコミュニケーションを展開しているんですが、カテゴリーが「診察系アプリ」というものになっています。これは、特にapple社の基準だと17+(17歳以上出ないとダウンロードできない)という制限を受けてしまうため、本来このコミュニケーションが必要とされる中学生や高校生の世代になかなかリーチをすることができなかった、と言う経緯があります。この世代の方々に「困った時に、いつでも安心して相談できる」環境を整えるためにどうするか・・・って言う議論をサービス立ち上げ期から社内でカンカンガクガク議論を重ねてきたのですが、今回、岐阜県立不破高等学校さんのお力添えにより、実証実験の形でこの課題への取り組みに大きな一歩を踏み出せたことを心から感謝します。
スマルナ、って言うサービスを運営してきてほんの少しだけですが分かってきたことがあります。それは、
1.情報は発信者と受信者という2極だけの話じゃなくて(そんなに簡単じゃない)
2.プライバシーに徹底的に配慮した相談できる環境って必要不可欠である
スマルナ相談室が間違いなく世の中の課題解決に役立っている、ということの表現形なんですが、
性に関する悩みとか相談って、ユーザーと相談員と両方が歩み寄らないと課題の解決に結びつかないんだな、ってことです。
正しい問いを相談員がしなければ、ユーザーは正しく質問することができなかったり、同じ事象を双方が違う言葉や意味で受け取ってしまっていたり。
特に、ホルモンの影響を受ける(生物学的)女性の体、健康については画一的な答えや模範解答でクリアできるシチュエーションは限られるので、双方は相手のことを慮って会話を重ねていく、まさにこれがコミュニケーションなんだろうな、ってことを強く思います。
性教育って、そして
本当に、少しずつ世の中は動き始めているな、って強く感じていまして、例えばSNSの上ではたくさんの性教育を担う方々が活躍されていたり、関連する情報を集約して発信している方がいらっしゃったり、「生きるためのの学問」としてこの領域について間違いなく議論が進んでいます。
そういう「世の中」が動いていく瞬間に、自分たちが何をできるか、世の中が変わっていくのを加速させるためにどんな提案ができるのか、これからも考えていくことが僕たちのミッションの一つだと考えています。この分野の先を走っている方々からたくさんのお知恵と経験を賜りながら、これからも進んでいきたいと考えています。
2021年1月12日
株式会社ネクイノ代表
いしけん。