#しかたなくない
注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。
0.はじめに
本日(2021年12月14日)から1週間、
渋谷109前を起点に「#しかたなくない」プロジェクトが始まります。
このプロジェクトはその名の通り、自分にとって「しかたない」としてあきらめてきたことや、そもそも「しかたない」と思ってこなかったような出来事、社会的/文化的な慣習に対して【そんなことない、#しかたなくない】んだ、ということを改めて考える、世の中に社会実装していくことを目的として作られたプロジェクトです。
このプロジェクトが立ち上がるには大きく2つの伏線がありました。
1.新たな価値を提供する、『スマルナ』というコミュニケーション
2.SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021
1.smaluna
めちゃくちゃ我田引水、ポジショントーク全開で行きますが私たちネクイノは2018年6月から婦人科領域特化型オンライン診察プラットフォーム『スマルナ』を運営しています。このサービスを運営していく中で多くの声をユーザーやそのご家族から頂いてきました。
スマルナではピル(低用量ピルまたは超低用量ピル)という医薬品を中心に据えたサービス展開を行なっています。2018年のサービス開始直後から、↑↑↑にあるような声をたくさん頂戴するに際し、改めて私たちが提供しているのは「ピル」という物質的なモノの提供価値なのではなくて、高度成長期以降後回しにされてきた自分のカラダや性を大切にすること=SRHRの社会実装実現を提供しているんだなぁ、と自らサービスのあり方をサイテイギしています。SRHRの社会実装についてはコチラのnoteでも書かせていただきましたが、私たち日本の社会はさまざまな個人の権利や考え方を「◯◯な社会を優先する」ために犠牲にしてきた経緯があります。多くの場合、それは「当たり前のこと」「しかたないこと」として社会に、地域に時間をかけてゆっくりと、かつ不可逆的な方向に根付いていってしまいます。
こういった時間をかけて醸成された文化的なもの、慣習を変えていくことはとてもとても大変です。そもそも、変えなければならない理由を探すところから物語は始まったりします。
我が国においては2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、不幸中の幸いとしてこういった「文化的なもの」「慣習」を変換させるエネルギーを社会に与えてくれました。多くの場合、それは働き方だったり、生活そのものだったりするのですが、人々はこの変革によって気づいていなかった「しかたないもの」に気づくことができました。
私たちネクイノは、スマルナのプロジェクトを通じて様々な「しかたない」とされてきたことを「#しかたなくない」に変容していくためのトライを創業以来続けています。このプロジェクトに賛同してくださる多くの医療従事者の方々、ユーザーさん、行政や自治体の方々、協力企業の方々のおかげで、ほんの少しだけでも「しかたない」を「#しかたなくない」に変えてこれたと思っています。
この取り組みを、私たちの事業領域だけでなく様々な「しかたない」を「#しかたなくない」に変えていくために改めて多くの仲間を募り、本プロジェクトを立ち上げさせていただきました。
2.SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021
この「#しかたなくない」プロジェクトの発足にあたり、私たちの力だけでは足りない部分を一般社団法人渋谷未来デザイン(以下、FDS)様のお力を借りてキックオフまで辿り着くことができました。今回発行した冊子はVol.00(ゼロ)であり、まだVol.1にすら辿り着いていませんが、この00を作成するきっかけとなったイベントが、このSOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021(以下、SIW)にて行われていました。それが、これです。
"Z世代のココロとカラダの性を考える"というタイトルで行われたセッションで、文字通りココロのこと、カラダのこと、性のことを本気で考えるセッションです。日本が誇る文化の発信拠点である渋谷だからこそできるテーマで、当事者にとって必要な情報ってなんだろう?どんな取り組みがこの課題の解決につながるだろう?という内容にあふれたものです。
これらは、私たちがスマルナ立ち上げ当初から感じていた課題感をまさに言語化し、解決策への足がかりとなる大きな分岐点になりました。このようなイベントが行われた直後に、タイミングよく同じ「渋谷」という街を起点に社会実装に向けた取り組みができることを心から嬉しく思います。
3.で、今後どうするの?
本日、囲み取材などでもお話をさせていただきましたが「しかたない」を「#しかたなくない」に変えていくために、私たちは自分たちの得意分野であるカラダのこと、性のことを中心に取り組みます。が、世の中に残されている「しかたない」ことはこれだけではありません。例えば、働き方。長時間労働を前提とする働き方や、生産性を高めることを望んでいないような働かせ方、キャリア育成の課題。友人や家族とのコミュニケーションのあり方に対する課題やそもそも「学校で学ぶ」ことさえも課題と感じる当事者には「しかたない」ものなのかもしれません。こういう様々な領域において抽出された「しかたない」ものをどうやって「#しかたなくない」に変えていけるのか、そういう解決策を持っている企業様や団体・組織様などとコラボレーションしていきたいと考えています。
まずは、2022年1月12日に予定している「#しかたなくないオリエンテーション」を通じて課題の抽出と仲間集めを行いたいと考えています。ここには、私たちのようなスタートアップだけでなく、FDSさんに所属する企業、渋谷区に関係する企業・組織様などにお声がけをして一つ目の『輪』を作りたいと思っています。そして、そこから広がるストーリーの中で、どんな未来を描いていくのか・・・を皆さんとディスカッションさせていただきたいと考えています。今日の時点で決まっていることが少なくてごめんなさい。事前にネゴの済んだ出来レースではなく、社会とコミュニケーションを取りながら一歩ずつ社会実装を進めていくプロジェクトなんだ、と温かい目で見守っていただければ、そして積極的に参画をしていただければ!と考えています。
2021年12月14日
株式会社ネクイノ
代表取締役 石井健一
Special Thanks
本プロジェクトのクリエイティブは
Creative Studio REINGさん
Konelさんのお力添えで実現しました!
『#しかたなくない』に決まるまでの裏話はまたどこかでnoteに書きます!
▼Credit
主宰:株式会社ネクイノ
企画制作:Konel + REING
Project Designer : 出村 光世(Konel)
Creative Director&Planner: 田中 佳佑(NEWPEACE)
Producer: ユリ アボ(REING)
Production Manager: 落葉 えりか(REING)
Assistant Planner: RIKU(REING)
Art Director&Designer: 上西 祐理
Copy Writer: 小山 佳奈
Planner : 加藤なつみ(Konel)
Photographer: 石田 真澄, エド オリバー, 酒井 優衣, 嶌村 吉祥丸, 中里 虎徹
Stylist: 川谷 太一
Hair&Make Up Artist: 英太(VeLO/vetica)
Production Supporter: 金山 美菜子, 大谷明日香(REING), 蔭山ラナ(REING)
会場構成・什器製作:中島 康一朗(small scale projects)
WEBサイト制作:UNITEBASE Inc.