見出し画像

こんなクリニックあってもいいですよね。

はじめに

このnoteは、非公開です。今回、Facebookやtwitterなどで興味を持っていただいた方向けに書き起こします。ですので、この内容をSNSにあげたり、口外しないようよろしくお願いします。

1.ネクストイノベーション株式会社とスマルナっていうサービス

僕たちは、大阪のスタートアップです。代表の僕は薬剤師の資格を持っていますが、経営陣の多くが医師、歯科医師、薬剤師などの医療系の資格を保有しています。さらに、サポートしてくださるメンバーにも、医療系の国家資格や、医療にめっちゃ詳しい弁護士さんなど、IT企業を名乗っていますが基本的には「どっぷり医療に起源がある」大阪の会社です。

私たちが提供しているサービスは、婦人科特化型のオンライン診察サービス「スマルナ」っていうものです。簡単にサービスをご説明しますと、スマホの向こう側に医師がいて、診察をしてくれて、ピルを処方してくれるというサービスです。決済もスマホ上で完了し、院内処方の仕組みを使うことで、処方箋が届くのではなく薬が実際に自宅など指定の場所に届くサービスです。

2.なんでこれを始めたんだっけ

なんでこのサービスを始めたかって言いますと、僕の原体験は大体2010年頃に遡ります。当時、僕はノバルティスっていう外資系の製薬会社で、臓器移植に関するプロジェクトに従事していました。臓器移植はみなさんご存知の通り、日本では安全に提供できる医療ですが絶対数も含めそこまで周知されているものではありません。当然、移植を受けられる施設も限られます。
そうすると、地方に住んでいる患者さんは、移植を受けるために都市部の医療機関を受診しないといけないんですね。まぁこれは移植に限らずがんやその他難しい病気と一緒なんですが、移植って、手術を受けて1年位無事に経過すると、「ほとんど健常人と同じ生活ができる」んですね。(一部、免疫抑制剤のコントロールやフォローアップを除き。)最近でこそ、がんサバイバーの方の社会復帰などが話題になっていますが、まさにそんな感じです。とにかく普通の生活が送れるんです。(妊娠出産もできたりします)
でも、⇧に書いたように、移植施設って限られているので、移植に造詣のある医師の絶対数も少なく、都市部に集中しているわけです。当然、移植後も患者さんは地元での生活をしているわけなので、定期的に移植施設を受診しなければならない。片道3時間とか、5時間かけて来て、3時間まって、3分診察受けていくわけです。めちゃくちゃ大変ですよね。でも、選択肢がない。

で、当時僕は移植医の先生方とこんなことを言っていました。
「先生、これ採血を地元の開業医さんでやってもらってデータだけ送れば、大阪に患者さんくる回数1/3以下に減らせますよね」って。そうやって外来の枠あけたら、先生の手も開くし、手術の件数も増やせて結果的に救える人増やせられますね、って。

当時はまだLINEとかFacebookとかも出始めで、全くメジャーななかったんで”メール”でのやりとりを想定していたんですけど、
こういうの、テクノロジーでなんとかならないのかな、って思ってたんです。

その後、2015年に厚生労働省から新しい通知がでます。いわゆる「遠隔診療」の夜明けです。この通知を見て、「時代が来た!」って思いました。そして、当時同じように医療に対し問題意識を持っているメンバーを集めて、ネクイノを創業しました。

創業最初は「オンライン診察をすること」が目的でした。だれもこの領域でビジネスを成功させたことがない、そんなフェーズだったからです。なので、当然

【保険診療ベースで、高血圧とかできたらデカいよね】

なんてとこから思考が始まります。ところが、そのタイミングで先行している企業が数億円単位の資金調達に成功したことを知ります。ここで僕たちは考えました。「後追いじゃ勝てないから違う道を考えよう」って。
そのとき、そもそも自分達って何がしたかったんだっけ?ってところに立ち戻ります。

3.医療の体験を変える

元々、医療に対する問題意識を持って、って話を⇧で書きました。その問題意識ってなんだっけ?って紐解いていくと
・医師に依存しすぎていて他の医療スタッフの価値を最大化できていない
・保険診療では「数を捌く」が最優先され、患者に対して知識を移して健康リテラシーを高める方法がとれない
・結果的に現場が疲弊していく
こんな感じでした。そこで、創業時の想定では「患者」を対象にするサービス設計を考えていましたが、そうじゃない、まだ患者になっていない人、これから患者になっていく人、そういう人向け(現役世代向け)に、診療サービスと疾患啓発を掛け合わせて提供していくこと、その時に医師に依存しない仕組みを後ろ側で作り上げることができれば未来の医療の形を変えることができるんじゃないか、って思ったんです。

4.最初のサービス「スマ診」「オトコノスマ診」

現役世代向けにサービスを構築していく上で、オンラインなので「受診するのが恥ずかしい」とか「相談するのが恥ずかしい」っていう領域にフォーカスをするっていうのは早い段階で決めていました。最初に狙ったのはED(勃起不全症)・AGA(男性型脱毛症)っていう男性向けのコンプレックス市場と、女性向けにピルをソリューションとしたサービスの2本立てを考えました。最初から両方やっても良かったのですが、当時のメンバーに
・オンライン診察の経験(どうやってやっていけばいいのか)
・女性向けマーケティングの経験
という2つの能力が足りていなかったので、自分自身が男性ということで「少しは気持ちがわかるだろう」ということで男性向けサービスから開始しました。その後、「抗インフルエンザ薬の予防投与」「花粉症」などの領域を追加して行きます。こうやって1,000人単位でユーザーさんとコミュニケーションを重ねることで、僕たちは何をやっていくことが必要なのか、何をすればユーザーさんたちに喜んでもらえるのか、という経験値を積み上げて行きました。

5.そしてスマルナ稼働

2018年5月20日、スマルナをテスト稼働します。そして6月より正式なサービスインを行いました。スマルナの特徴は、⇧で経験してきたことを踏まえて大きく2つの進化を経たことです。1つ目は、オンライン相談室の開設。スマ診では、診察室に入った後医師が患者からの質問に答えていましたが、その質問の多くは「医師でなければ答えられない内容」ではありませんでした。これって、ネクイノのコンセプトの医師の資源を消費しないモデル作りに反します。そこで、この相談室を設けることで例えば「副作用が怖いんですけど」とか「私って飲めるんですか?」「これはアフターピル必要ですか?」というような相談を薬剤師が受けられるようになりました。これで飛躍的に医師が診察をこなせる数が増えました。また、相談室は診察室を出た後にも活躍します。例えば、「歯科で抗生物質もらったんですけど、飲み合わせ大丈夫ですか?」と言ったような質問にも、相談室は活躍します。さらに、医師と患者の間でやり取りされたカルテを、本人の承諾のもと薬剤師が閲覧できるようにしていますので、リアルな薬局で起こるような、処方箋を渡されて「今日はどうされました?」から始まることがなくなり、「それは・・ちょっと先生に電話して聞いてみますね」もなくなります。これにより、ユーザーの万満足度も飛躍的に向上しました。

もう一つの特徴が、「定期便」です。これは、一定期間の間毎月決済をすればピルが定期的に配送されてくるサービスです。薬局あるあるの、「同じ薬をもらいに行くためだけの受診」を最小化したい、という思いから作り込んだサービスです。

医療系サービスって「よくなって当たり前」っていう感じで改善するのが普通なので日頃ここまで感謝されることがほとんどないのが通常なんですけど、スマルナって人々が「欲しい」って思ってくださっていた、必要としてくれているサービスなんだなぁってつくづく思います。

6.次はオフラインで新しい体験を。

2020年1月現在、ユーザー数は7万人くらい。間違いなく、国内最大級のピルコミュニティです。こうやって、オンラインでの体験は日々進化をしていますがとは言っても医療サービス。やっぱりオフライン、リアルなユーザーとの接点っていうのがとっても重要なんです。そこで、「クリニック作るか」ってことになりました。正確には、僕たちは営利法人なので医療機関の開設者になることはできません。そこで、連携している医療法人さんのお力を借りて、スマルナのコンセプトをインストールしたクリニックをプロデュースすることになりました。まだ、場所などは未公表なのですが、2020年3月末ごろオープン予定、大阪キタエリアです。
今回、ここで働いてくれるメンバーを募集しています。ここまでの文章を読んでくださった方なら、「まぁ普通のクリニックは作らないよね」っていうとこにはご理解いただけるかと思います。そこで、⬇️がそのクリニックのコンセプトです。

スクリーンショット 2020-01-31 0.49.36

スマルナクリニックでは、保険診療を一切行いません。また、クリニック単独での収益性を追求しませんので、「必要ないけどこの検査しようか」とか「検査の結果を聞くためだけにクリニックにまたきてね」といったことが一切ありません。また、クリニック自体の存在意義が「相談する場所」「体験する場所」「自己決定を支援する場所」なので、診察や検査のウエイトがそもそも低く、薬もほとんど出ません。ん?どゆこと?って思われたと思います。ちょっとこのサイトをご覧ください。北欧のスウェーデンには、「ユースクリニック」という名のクリニックがあります。ここは、13才から25才くらいまでの人が対象となるクリニックで、基本無料です。無料で、からだについての教育をしたり、性の相談に乗ったり、パートナーとの向き合い方を一緒に考えたり、避妊の仕方をしっかり教えたり、緊急避妊薬の処方を行ったりしています。そう、ここは「怒られる」場所でもなければ「責められる」場所でもない。そんな場所なんです。このコンセプトを日本版にカスタムしたクリニックを、僕たちが大阪にプロデュースします。

どういう働き方になるか、だけ書いておきます。今回は、薬剤師さん、または看護師(助産師)さんを募集します。

いずれも、シフトを組む形でクリニックに勤務をしてもらいます。クリニックへ来てくれた人たちの悩み事に応じて、おのおのの専門分野を生かしながら相談に乗っていただきます。多分最初はガラガラです。手が空いている時は、クリニックでユーザーさんに情報提供するツールを作ったり、オンライン相談室のスタッフとして返信する作業などを行なっていただきます。
クリニックの診察時間を夜遅くするつもりはありません。またフルタイムじゃなくて、パートタイムでもいいと思っています。さらに、子育て中などでなかなか現地へいけないんだ!っていう方もプロジェクトに参加してください。その際はオンライン相談室の役割を主にになってください。

薬剤師さんは、きっとお薬の詳しい説明とか、ピルっていうほど怖くないんだよ、っていうお話が中心になると思います。もちろん、来た人全てにピルを飲んでね!っていうつもりは毛頭ありません。自分にとってどうしていくことが自分の健康的な生活に最も寄与するのか、自分の身を守るために良いのか、またパートナーとの関係性も含めて支援してあげてください。

看護師さん(助産師さん)は、女性の体の仕組み、生理の仕組み、なぜ妊娠するの?避妊って?みたいな話から、パートナーとどう向き合っていけば良いのかって部分まで、文字通り心に寄り添ってあげてください。

こういう新しい働き方で、僕たちの次の世代の人々が、一人で考え孤独に悩み、辛い思いをすることを一人でも救っていければ、って考えています。

待遇面については、ご相談させてください。フルタイムに近い形でガチっと稼ぎたい、って方もいれば、私は本業があるから収入はそこまで重視してないよ、って方もいるし、扶養の中でやりたいの、って方もいらっしゃると思います。この辺りは、皆さんのライフスタイルに応じて働き方も柔軟にご提案させてください。(よくありがちな、「うちは○時まで働ける人じゃないと採用できないんだよね〜」っていうのは絶対にしたくありません。)

ということで、とっても長い文章を最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。ここまで読んでいただいて、スマルナのクリニック面白そうだな・・いっちょ働いてみたいな、そう思っていただけた方は、あたらめて石井当てにFBメッセンジャーか、twitterでDMください。もちろん、一気に皆さん全員とご一緒できるわけではなく、ごめんなさい!埋まっちゃいましたってこともあるかもしれませんが、その際はご容赦ください。

皆さんと、素敵な出会いになればいいなと思ってます。

ネクストイノベーション株式会社
代表取締役CEO 石井健一 拝

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?