ガリガリ君が当たらない夏
①
うつむき文字のないスティック見てる 新しい柚子味の袋を破る
これで終わりにしようと 何度心に決めたことか 虚しい夏の日
押し寄せる潮騒にココロ乱れて 湾岸線コンビニに向かって走る
当たらないのはもう分かり切っているツキの無さが悔しい夏の日
だんだん涼しくなる 夕陽が急いで海に還る
焼けた背中の皮 むけてしまえば もう食べる情熱もない
②
陽に焼けた長い髪 海風に揺れ ふたりで最後に開くソーダ味
永遠に忘れない なんて冷たくて辛いだけの 哀しい夏の日
だんだん涼しくなる隣では肉まん頬ばる人
立ち昇る湯気が 白く見えれば もう食べる季節でもない
どんどん壊れてゆく 食べ過ぎてお腹がキュルキュル鳴る
最後のひとつハズしてしまえば もう思い出すこともない
Ⓡ
だんだん涼しくなる だんだん冷たくなる
じんじん苦しくなる さんざん腹痛くなる
もう食べる気力もない……
ガリガリ君 ガリガリ君 ガリガリ君