世帯年収を300万上げる方法(経済学で考える兼業主夫)
皆さん、こんにちは!兼業主夫への道を邁進する兼業主夫パパです!毎回、共働き家庭の家事・育児が円滑にいくために夫(パパ)が実践したほうがいい事を紹介しています!いずれも私、兼業主夫パパが実践してみて確かに効果がある!と思うものを共有できればと思います!
通常は兼業主夫への道の紹介をしていますが、5回に1回程度、違う角度で兼業主夫関連の情報を発信してみたいと思っています。今回はちょっと変わった観点から兼業主夫について検討してみます。
実は私、大学時代は経済学を専攻していました。そして、結構著名な先生のゼミでゲーム理論を学んでいました。(ゼミの発表で当時はあまり有名ではなかったwikipediaをコピペしたのを見事に見破られてしまうほど出来はいまいちでしたが笑)
ゲーム理論で一番有名なものに”囚人のジレンマ”というものがあります。
簡潔に言うと、二人の囚人が協力した結果と協力しなかった結果で得られる報酬が異なり、自分の都合のみ考えた場合、結果として報酬が二人協力した場合より全体報酬が少なくなってしまう、というものです。
実はこれ、結婚した家庭の収入に大きく関連していると思っています。
次に示すマトリックスが私が考える、夫婦の労働モデルと世帯年収の関係です。
上記の表では左の行で夫の家事・育児参加状況、右の列で妻の労働スタイルを記載しています。それぞれの表内の()の数値は(夫の収入、妻の収入)と考えてみてください。(上記はあくまでも期待値ですが、皆さんが思う感覚と大きくはずれていないと思います。)
また、オレンジの部分は夫のそれぞれの家事・育児への協力の仕方により、妻の仕事スタイルとして起こりやすい状況を表しています。
まず、「夫(サポートせず)」を見ていきましょう。
この行では、妻がワンオペになることを想定しています。もともと、日本社会ではこの形が多かったと思います。妻が家事・育児に関してワンオペになると、専業主婦もしくはパート勤務になるケースが多いです。もちろん正社員でこれまで通り働こうという方もいますが、長期的にみると非常に困難な状況になります。(子育ての特性上、病気休暇が生じやすく、出張が不可能だったりするため)
このモデルケースでは、夫は企業戦士として仕事に邁進できるため、出世競争にも参入しやすく、収入は他の夫のモデルケースよりも高くなっています。一方で、妻は専業主婦の可能性が高いので、世帯年収として夫の収入のみとなります。
次に夫が「イクメン」の場合を想定します。
この場合、夫の収入は企業戦士の場合よりも若干低くなることを想定しています。(家族を大切にする人が多いので、夜の残業や会食への出席量は少ない、かつ、出世第一よりもワークライフバランス重視と考えるため)。夫がイクメンの場合は、妻はパートに出ることも十分可能になると考えられます。さらに、妻が正社員で働く方も沢山いらっしゃると思います。今の日本のワーキングママの代表的な姿なのではないでしょうか。
しかし、ここに大きな問題が生じています。まず、いくら夫がイクメンとは主たる育児・家事は妻が担っています。このため、学校・園の行事は妻の出席が主体であり、子供が病気の場合の場合の対応も妻が行うケースがほとんどです。さらに、正社員でも時短で働いている場合が殆どであり、家に帰っての家事(買い物や夕食の準備)もほとんど妻の担当になっているはずです。
このため、妻側の疲労は相当なものであり、自分が会社でさらに上のレベルにチャレンジしようという気持ちは起きにくいというのが現実です。
このため、妻側の収入は正社員といえども、低いままでとどまっているケースが多いです。
さらに重要なのは、日々の仕事量(会社でも家庭でも)に忙殺されて、正社員を継続しようというモチベーションは非常に難しいという面も見逃すことはできません。
このため、一時期はこれから説明する兼業主夫モデルとそん色ない世帯収入が得られますが、長い期間継続する事が難しいという側面もあります。
最後に私が考えている「兼業主夫モデル」についてみていきます。
まず男性側の収入ですが、他の二つのモデルに比べてさらに低くなっています。これは残業時間や会食等に一部制約が生じるためです。(※残業・会食は直接出世や収入増加につながるわけではありませんが、仕事量や人との接点が増えると、そのような機会が増えるのは紛れもない事実です)
一方で仕事はきっちりこなしますので、決して低い水準にはならないものと考えられます。
さらに、妻側についても夫と同様に正社員として働く事が十分可能であるため、収入は男性とそん色ない程度に得られます。
結果として世帯収入は、他の二つのモデルよりも高くなることが想定されます。さらに、継続してその状況と続けることが可能であり、子供が手にかからなくなった後もブランクなく仕事ができる点も大きいです。
これまで見てきたように、単純に世帯年収のみを考えると兼業主夫モデルの期待値が高くなる事は理解してもらえたと思います。
では、なぜ多くの男性が「兼業主夫」を目指さないのか。
それは男性側の収入期待値が企業戦士モデル、イクメンモデルの方が高いからです。
さらに、一昔前まで収入や役職が順調に増加する年功序列社会が日本企業には定着していたため、企業戦士モデルの夫の収入期待値が700よりも大きかったという過去があります。
しかし、年功序列モデルの崩壊や日本の経済成長の陰りなどにより、当該期待値は年々下がってきています。
これが、昨今、企業戦士モデルよりイクメンモデルが支持される理由の一つと考えます。
この流れはさらに加速し、男女の待遇の差が少なくなればなるほど、兼業主夫モデルに移行していくのではと予想しています。
今回は、このように、ゲーム理論の観点から見ても、兼業主夫モデルが一番理にかなっているという点を説明させてもらいました。
でも、本当に大事なのはこれらの金銭面のメリットのみならず、妻側の精神的な負担の面からみても、兼業主夫モデルが非常に優れている点も是非理解してもらえればと思います。
それでは今日はこの辺で!