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家族のことや自分のことで手一杯にも関わらず「何か変わらなきゃ」と思って相談にだけは来る人の心理分析

家族のことや自分のことで手一杯にも関わらず、「何か変わらなきゃ」と思って相談にだけは来る人の心理分析

こうした人の心理には、複雑な葛藤や無意識のパターンが関係しています。「現状に追われているのに、なぜ相談には来るのか?」という視点から、以下のような要因が考えられます。


1. 内心の焦りと「変わらなきゃ」という義務感

  • 「このままではダメだ」という 焦り を感じている。

  • しかし、日常が忙しすぎて具体的な行動には移せない。

  • 「変わらなきゃ」という プレッシャー だけが強まり、相談することで一時的に安心しようとしている。

心理的背景: 「行動する余裕はないけど、何もしないのも怖い」


2. 相談することで「変わろうとしている気分」になれる

  • 相談することで「私は努力している」「変わろうと頑張っている」という 自己正当化 ができる。

  • 実際に変わるのは難しくても、相談していることで自分を納得させることができる。

心理的背景: 「実際には動けないけど、相談することで“変化している”と感じたい」


3. 何をどう変えたらいいかわからない

  • 変わりたい気持ちはあるが、何をすればいいのか 具体的なイメージが湧かない

  • そのため、まず相談という形で 手がかりを得ようとしている

心理的背景: 「変えたいけど、何をどうすればいいのかわからない」


4. 相談することで「安心感」を得たい

  • 相談すること自体が 心理的な安心材料 になっている。

  • 「誰かに聞いてもらえた」というだけで、少し気持ちが落ち着く。

  • 本当は行動する余裕がないけれど、誰かに話すことで 「大丈夫」と思いたい

心理的背景: 「変わるためというより、ただ安心したい」


5. 変わる準備が整っていない(トランス・セオレティカル・モデル)

心理学には**行動変容ステージ(トランス・セオレティカル・モデル)**という理論があります。
このモデルでは、人が変化するには以下のような段階があるとされています。

  1. 無関心期(変わるつもりがない)

  2. 関心期(変わりたい気持ちはあるが、まだ具体的な行動はしない)

  3. 準備期(少しずつ具体的なアクションを考え始める)

  4. 行動期(実際に変化を起こし始める)

  5. 維持期(変化を続ける)

この人たちは 「関心期」 にいる状態。
➡ 「変わりたい気持ちはあるけれど、まだ行動するエネルギーはない」
➡ そのため、 とりあえず相談に来る ことで変化の第一歩を踏み出そうとしている。


6. 無意識に「変わらない理由」を探している

  • 相談した結果、「やっぱり今は無理」「状況的に仕方ない」と思うことで、行動しない自分を正当化できる。

  • 変わることへの恐れもあり、「できない理由」を探している可能性もある。

心理的背景: 「変わりたいけど、本当は変わるのが怖い」


7. 「自分ではどうにもできない」と思い込んでいる

  • すでに 「自分では変えられない」という無力感 を持っている。

  • 「誰かが助けてくれるかもしれない」「解決策を提示してもらえるかも」という 依存的な心理 で相談に来る。

心理的背景: 「自分ではどうにもできないから、誰かにどうにかしてほしい」


🌟 こういう人に対してどう関わるべきか?

このタイプの人は「変わるためのエネルギーがまだ十分でない」状態。
そのため、以下のようなアプローチが効果的。

① 小さな変化を提案する

  • 「じゃあ、最初に◯◯だけやってみようか?」と 負担の少ない行動 を提示する。

  • 例:「毎日5分だけ、○○を考える時間を作るのはどう?」

  • 小さな成功体験を積ませることで、次のステップへ進みやすくする。

② 「変わらなきゃ」ではなく「自分のペースでOK」と伝える

  • 「無理に変わる必要はない」「焦らなくてもいい」と伝えることで、プレッシャーを減らす。

  • 相談するだけでも進歩していることを認める。

③ 本当に変わる気があるのかを探る

  • 「もし今のままで良いなら、それでもいいんだよ?」と問いかけてみる。

  • 変わりたい気持ちが強いなら、小さな行動を促す。

  • もし「やっぱり変わりたくない」と気づいたなら、それも本人の選択として尊重する。

④ 相談だけで終わらせない工夫

  • 「次は〇〇を考えてみて」「次に話すときに△△をやってみた感想を聞かせてね」と、少しずつ実践を促す。

  • 「また相談に来てね」だけで終わると、ループする可能性がある。


🎯 まとめ

「変わりたいけど、今は何かをする余裕がない」という葛藤を抱えている人は多い。
心理的には 焦り・安心感を求める気持ち・具体策が見えない不安 などが影響している。

このタイプの人に接する際は、無理に変えさせるのではなく、 「小さな変化」を積み重ねられるように促す ことが大切。
また、 「変わらなくてもいい」という選択肢を提示する ことで、余計なプレッシャーを軽減できる。

相談に来るだけでも、その人にとっては大きな一歩。
「何も変わらなかった」と思わず、「今は準備段階」と考え、じっくり関わるのがポイントです!

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