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ルックアップとCSV読込のジレンマ

CSV読込するには重複禁止設定が必要

kintoneでCSV読込を行う事を想定した場合、ルックアップフィールドに重複禁止の設定を行う事が大事です。しかしながら「顧客名」をルックアップに指定したい場合、同姓同名の可能性があり重複禁止設定が出来ません。
そこで、「顧客番号‐顧客名」の様な結合フィールドを用いる事になります。文字列フィールドの計算式は重複禁止が出来ないので、文字結合プラグインを用いる等の方法が、他の記事でもよく紹介されていますね。
結合フィールドがあれば、例えば下図の場合に「徳川」を入力して「5-徳川 家康」を選択できて便利です。

顧客番号と顧客名を結合したフィールド

実際にCSV読込してみると

kintone側の設定が出来たので、これまで別システムで管理していた顧客データをCSVで書き出したものをkintoneに読み込もうとすると、CSVには「結合フィールド」が無いという問題にあたります。
エクセル開いて、VLOOKUPで顧客番号を探し出し、新しい列に「顧客番号‐顧客名」を追加。それなりの手間をかけて、軽い達成感とともに読込完了。
ところが、エクセルで一生懸命VLOOKUPしたりしている間に(エクセルが勝手に)電話番号の先頭を0落させたり、番地の2-1を日付の2月1日に変えたりしてしまうという「あるある」を忘れて、そのまま読み込んでしまうと後が大変です。(この問題はCSVを編集できるエディタを使い、エクセルを使わないようにする事で回避できます)
これとは別に、同じアプリに何度もCSV読込を行う場合は、その度に「結合」フィールドを作る作業が発生して、とても面倒ですよね。
CSV読込の為に結合フィールド作ったのに、そのことがまた別の問題を生んでいる様な・・・。

プロにお願いして便利にしていただきました!

そんなジレンマを抱えたまま月日は流れ・・・、縁あって「DataSyncer for kintone」という「CSVゼロタッチ連携サービス」をテスト利用する機会がありました。その際に開発元のCraftex社に提案したところ、なんとCSVを加工しなくても「結合フィールド」を自動生成し、kintone読込できるようになりました。(詳しくは下記の記事をご覧ください)
カラム結合文字を生成してkintoneへ登録|Craftex公式|note
特に、同じアプリに何度もCSV読込を行う場合は、PC内の指定したフォルダにCSVファイルを入れるだけで自動的に読込が行われるので、とても楽になります。

ノー転記な社会を目指して

もうすぐ、インボイス制度が始まり、各社の経理担当者の負荷が増大が見込まれています。以前から私は、発注側と受注側の双方が(請求と支払など)同様のデータをそれぞれのシステムに手入力しているのは無駄でしかないと感じています。しかしながら、企業とシステムの壁がある為に、まだまだ手入力による転記が多い状況だと思います。
kintoneが広まって、案件⇒見積⇒請求という流れの中で、前工程で一度入力したデータの自動転記(使いまわし)が進んできました。
せっかくなので、請求した後の自動転記(使いまわし)も、請求⇒支払⇒入金消込へと、企業やシステムの壁を越えて続いていって欲しいと考えています。出来るだけ早期に実現すると良いですね。
企業やシステムの壁を越えた自動転記(使いまわし)の実現手段を考えた場合、CSVによるデータの受け渡しというのは汎用性が高く、しかも低コストなのではないか思います。
発注側と受注側のやり取りは毎月の事なので、社会全体で考えると(地味ですが)とても大きな業務改善になる気がします。


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