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2023年のHRTech展望!3つのトレンドと「Microsoft」の進化について。

こんにちは。ハイマネージャーCEOの森です。

自分は自他ともに認めるHRTechオタクなのですが(これまでもこんな記事を書かせていただきました)

今回は年始めに、2023年現在HRTech業界で起こっているトレンドについて考えてみたいと思います。

HRTechについて積極的にリサーチ・発信している専門家のジョシュ・バーシンのこちらの記事を参考にしています。

HRTech市場は鈍化傾向。なぜなら採用が停滞しているから。

海外では景気の停滞により採用がストップしています。採用の抑制が5%~8%に増えており、GAFAMでも新規採用をストップしていたり、大規模なリストラを行っている会社もあります。

採用の抑制だけでなく、人員削減も行っている中で、1社あたりの従業員数が減少。そのため「従業員数×単価」が絶対的な方程式であるHRTechのサービスは伸びが鈍化しています

意識をしていないと忘れてしまいますが、HRTechサービスのベースになっているのは基本的には「従業員数」であるため、従業員数が伸びないとなると既存顧客からのアップセルが難しくなっています。

その中でも伸びている領域

HRTech市場全体としては成長が鈍化していますが、中には伸びているサービスもあります。大きく分けると以下の3つ。

①契約社員管理
②チャットボットサービス
③ミッドサイズ向けタレントマネジメントシステム

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①契約社員管理サービス

まずは契約社員管理サービス。これからのトレンドとして、正社員だけではく、契約社員やGig Worker、複業を組み合わせた組織になっていきます。テック企業では40%前後の社員が正社員以外になっているという話もあります。

その中で契約社員管理サービスが海外で伸びていて、2023年は更に伸びていくことが予想されています。


日本でいうと、Pastureさんやシューマツワーカーさんのようなサービスです。

②チャットボットサービス

2つ目はチャットボットサービス。チャットボットをインターフェースとして、EXを高めるサービスが伸びています。


特に採用領域でのチャットボットの活用が進んでいます。

採用領域は定型的なコミュニケーションが多いことがその理由だと考えています。採用に関する質問や、面接の日程調整などを自動化することができています。Allyo(現在はHireViewが買収)というサービスやMyaというチャットボットのサービスなどがある。

最近Chat GPT-3が公開された事もあり、かなりホットな領域になっています。新しいテクノロジーが市場を進化させています。

③ミッドサイズタレントマネジメントサービス

最後は、ミッドサイズタレントマネジメントシステム

海外サービスではLatticeCulture Amp15FiveWorkTangoが伸びています。これらのサービスは最初はパフォーマンス・マネジメントサービス(目標や人事評価管理サービス)からスタートしているものの、今では「パフォーマンス・マネジメント」「従業員エンゲージメント」「キャリア支援」の機能を持ったサービスになっています。どこも示し合わせたように領域統合を進めていて、見ていてとても面白いです。

Lattice
Culture Amp
15 five
worktango

2019年にHRTechカンファレンスに参加した際に「領域の統合が起きていく」という話を書かせてもらいましたが、かなり激化したマーケットになっています。

3年前に書いたHRテックカンファレンスレポートから抜粋

SAP・SuccessFactors(大企業向け・カスタム開発が必要)よりも手軽に安く、またサービスの統合によってミッドサイズタレントマネジメントサービスも、SAPにより近づいている印象です。「ミッドサイズ向けのAll in one」とジョシュ・バージンがさかんに言い始めています。

米HRTech大手のLatticeも買収・統合を進めています

HiManagerを提供していても思いますが、やはり中堅企業・スタートアップにおいて大企業向けサービスが選ばれることはほぼないです。コスト的にもかなり高く、初期設定が労力がかかってすぐにスタートできず、小回りが効かないため、選定の対象外になっていきます。

最近では大企業さんのご支援も増えてきておりますが、一部門での導入を考える際に、社内の既存の社内システムでは、やはり使い勝手が悪い。それに部門導入だと、全社のシステムをいじれないケースがほとんどです。全社システムでは細かいニーズ(週報・目標の可視化など)を満たすことができない。逆にミッドサイズのスタートアップのクライアントでも、エンタープライズ向けサービスを検討しているケースがありますが、断念しているケースが多いです。

つまり、市場にある良いツールを使っていく方が、簡単に早く、求めるものを得られる状況になっています。大企業の一部門はミッドサイズの企業みたいなものだと捉えると、わかりやすいと思います。

エンタープライズ向けではMicrosoftの進化が圧倒的に凄い

最後に。5年前に参加した2018年のHRTechカンファレンスで「HR領域以外のサービスがHRTech市場に参入してくる」という話が出ていましたが、まさにその通りになってきています。

特にMircrosoft Vivaの進化が圧倒的に凄いです。

Allyoを買収して「Viva Goal」を提供しており、OKRに対応しています。チーム単位のパルスサーベイによって自分のチームのコンディションを簡単にトラッキングすることができる「Viva Pulse」や、社内のQAサービス「Viva Answers」などもあり、人事ツールでもあり、マネジメントのツールでもあると言えます。

Microsoftの「Viva Goal」
Microsoftの「Viva Pulse」(こちらの記事より引用)

2018年のHRTechカンファレンスで、GoogleやMicrosoft、Meta等がHRTechにくると聞いて、その時は全くイメージできなかったんですが、今はかなり来ています。

人事のゴールが「EX(Employee Experience)を高めること」に変化してきている中で、必要とされているのは、人事が使いやすいツールではなく、現場の課題解決につながるものになってきています。その中で、HRTech(人事ツール)がWorkTech(現場ツール)にアップデートされてきています。

Microsoftの強みは、なんといっても「現場で使われてきた」こと。それをさらに「マネジメントでも使えるように」拡張しています。まさにWorkTechになってきている。HRTech内で領域統合しても追いつけないスピード感で、Microsoftが進化しているような気がします。いつか、PowerPointを使う感覚でOKR管理する世界線が来るかもしれない、なんて思いました。

(↓EX向上にフォーカスしていることがよくわかります)

まとめ

①HRテック市場は成長が鈍化傾向にある
②その中でも「契約社員管理」「チャットボット」「ミッドサイズタレントマネジメント」サービスは伸びている
③Microsoftの進化、HRTechからWorkTechへの進化が進んでいる

HiManagerは、直近ではパフォーマンス・マネジメント領域にフォーカスしていますが、中長期的にはミッドサイズタレントマネジメントサービスを目指しています。

ご関心を持ってくださった方は、是非、下記URLよりお問い合わせください!

こちらのお役立ち資料もぜひご覧ください!