HRテックからWorkテックへ。エンゲージメントを高める「EX(従業員体験)」とは?
今回ご登壇頂いたのは、ハイマネージャー株式会社で代表を務めている森謙吾さんです。
森さんは、PwCコンサルティングで人事・組織コンサルティングに従事された後、ハイマネージャー株式会社を創業され、現在はパフォーマンス管理やエンゲージメント管理のSaaS「HiManager」を中心に事業を展開しておられます。
今回は、HR Techに精通されている森さんから、「HRテックからWorkテックへ。エンゲージメントを高める「EX(従業員体験)」とは?」をテーマにお話頂きます。
※本記事は、2021年9月29日に開催されたDMMオンライン展示会のイベントレポートとなります。
はじめに
ハイマネージャー株式会社で代表取締役を務めている森と申します。本日はよろしくお願いいたします。
前職はPwCという会社でコンサルタントしておりましてベンダー側の会社を立ち上げをいたしました。
会社のミッションが職場の心理的安全性を高めていくというマネジメントのリモートワークに適したピープルマネジメントサービスを提供しております。リモートの中で目標管理から1on1、褒めてフィードバック評価して働き方を可視化するところまで一気通貫で行うということです。
本日はツールの活用、グローバルでどういう動きがあってどういうツールがトレンドになっているかをご共有させていただきます。
EXを高めるために、従業員の人生全体を良くしていく必要がある
EXを高めるということで、ラスベガスで昨年の冬と今年の春で行われた内容を中心に海外のトレンドをご共有させていただければと思います。こういった体験を高めていくという中で、今回、特にホットトピックになっていることは「リモートワークになっている」ということです。
実際多くの会社で、海外でも国内でもリモートワークになってきています。Inntegration Work snd Lifeと言われていましたけれども、プライベートはプライベートで仕事は仕事と、出社したら切り替えるということができましたが、自宅で仕事をしていく中で、やはりそこが混ざっているということが多く注目されていました。
HRTechからWorkTechへ。人事のためのツールから従業員のためのツールへ
自宅で仕事をしていく中で生産を高めていかなければならない従業員の方は多くのツールを使っていてツール疲れが起きています。そういった背景で人事の方が人事のためのツールを導入していくということは今まで多くあったと思います。
必要な部分はありますが、勤怠や従業員データベース、タレントマネジメントがある中で、そこをEXの観点からシフトしていこうということがカンファレンスで中心の話題になっていました。まさにそれがHRTechからWorkTechへという形になっております。
HRTech、HR人事のためのテクノロジーから仕事をよくするWorkTechへ、働きやすくする、仕事をやりやすくするツールにと変わってきています。
具体的には、従業員のインターフェースとなるチャットツールを基盤に、それらのツールと連携したサービスを指す
具体的にツールというのは仕事のためのツールということで、元々人事の方が導入されている給与管理勤、勤怠管理などがどんどん仕事を緩くしていく形で(これらがなくなることはないのですが)、仕事をよくするツールにしていこうということがあると思います。
WorkTechという言葉を聞くとすごそうな仕事のためのツールと感じられるかと思うのですが、具体的にどういうものなのかお話しさせていただこうと思います。
WorkTechはどういうことかというと、いろいろ解釈はありますがジョッシュ・バーシンを中心にいろいろ話をしていたのはインザフローブワークと言ったりするのですが、仕事をしている一連の流れの中で色々完結できることを言っています。
WorkTechの中では従業員がよく使っているチャットツールやビデオツールをインターフェイス、基盤にしてそれらのHRサービスはそこと連携して提供していきましょうという考えで扱われておりました。
これがHRTechかというツールが多くあると思います。例えばZoomとかMicrosoftTeams、Workplace、Slackは普通に今までで考えるとHRTechというより業務効率化ツールというところがあったと思います。
WorkTechという従業員の体験をよくする、働きを高めるためにはそれらのサービスが基盤となっていくのではないかという話が上がっていました。
ではこれらのツール以外はWorkTechになれないのかというとそういうわけではなく、これらと連携してシステムを提供していくということが大事なことだと思います。
例えば給与とか勤怠管理がSlackからできるとか人事評価がセールスフォースからできる、Zoom上でやり取りをしていて(これはまだないのですが)従業員の健康情報を自動で取れるなど、生産性情報ツールを中心に連携させて今までの人事ツールの価値を提供していくことかと思います。
具体的に言いますとWorkTechの核となるコミュニケーションツール、生産性の向上ツールを紹介させていただきたいと思います。
まずはSlackで、日本だとチャットワークもあるかと思いますが、こういったチャットを入れて従業員の方が基盤にしていくことです。
日本ではあまり使われていないのですが、Facebokのビジネス版となり、チャットもついています。
他にservicenowという会社があります。チャットボットで即時性が大事という話もありましたが、人事や総務にメールで問い合わせをして一日後かえってきますではなく、自動でボットが返してくれる、ボットが返せない場合は裏に人がいて返してくれるというサービスがあります。
Microsoft Vivaという日本ではあまりないのですがMicrosoftの肝いりの人事領域のサービスでMicrosoftTeamsと連携していて、どれぐらいコミュニケーション量が増えているのか減っているのか、サーベイもTeamsと連携して簡単に取れます。
従業員のポータルみたいなところをTeamsのチャットボットで検索して行けたりとTeamsのコミュニケーションのチャンネルを軸にしてデータを取ったり、データを表示したり、まさにWorkTechを再現しているようなサービスをMicrosoftが昨年ぐらいにリリースしました。
次にZoomもかなり中心に使われるツールと言えると思います。最近アップストアを、マーケットプレイスみたいなものをオープンしまして、Zoom上でSlackと連携したり、今後ですけれどもZoom上で感情認識をして従業員の働き甲斐などを見たりも出てくるのではと思っています。
それ以外のツールはどのようにWorkTechになっていくかというと、まさに連携を取っていくこと、例えばtrelloタスク管理ツールもSlackから新しいタスクを切ったり、進捗状況を確認したりできるようになっています。
他には給与勤怠管理の有給申請や勤怠管理もSlackから送れるようになっています。
勤怠の「8時から始業開始しました」ということを勤怠キングオブタイムみたいなシステムを使用していたかと思いますが、始まり終わりを入れる、入れ忘れていたら月末にすべて入れる等あったかと思いますが、Slack上でワンクリックできます。
今何しているかなどログを取っている会社もあるかと思いますが、わざわざシステム移動しなくてもSlackで簡単に入れられます。
セールスフォースの更新もわざわざセールスフォースに入らなくてもSlack上で更新出来ます。なんとなくイメージが伝わればと思います。
元々HRTeckはお堅い、UIがよくわからない、従業員の方からするとなんでこれ入れなけらばならないんだろうというイメージがあったのですが、WorkTechは本当に従業員の方がより楽になる、EX高める事がメインですので、簡単に気軽に即時的に使えるというところがとても大事になってくると思います。
研修もまた今まではシステムに入って「これうけていないな」とか「リマインドがたくさん飛んできてやらなければならない」といったことが多いと思いますが、「今日はこの短い動画を見てください」とSlackで来ているのをワンクリックで見たりできます。
サーベイもログインせずにSlackで送られてくるので答えるだけということになります。
最後に宣伝のようで申し訳ないのですが、イメージとして我々もにWorkTechを目指していますので、例えば1on1のメモをSlack上で簡単にとることができたり、アンケートをSlack上で簡単答えることが出来たり、目標の更新もSlack上で行うと、わざわざシステムに入らなくていい、誰かを褒めることもSlackでできるという連携をしています。
WorkTechはまさにチャットツール、コミュニケーションツール基盤に連携していくというどんなツールでもWorkTechになっていくのではないかと思っております。
また従業員の生産性を高めるウェルビーイングサービスも当てはまる
こういったところがひとつの観点で、あとは従業員の方がより生産性を高めていく、EXを高めるということでwellbeingも注目を浴びていて、いろいろな領域、ファイナンスの部分(日本だと従業員の金銭面の支援のサービスはほとんどないと思うのですが)海外ですとそういったお金の運用の部分の支援があります。
健康管理で日本だとFINCが歩数の管理や、エモーショナルの瞑想のサービス、ヨガを提供するSOELUのフィジカルや感情面の管理等いろいろあります。こういったものも、WorkTechになると思います。
有名なものはheadspaceやコームというマインドフルネスのサービスです。B向けに提供しています。
また、資産の運用の支援を提供するところもあります。
Fincのような従業員の歩数にトラッキングしてポイントがたまると商品と引き換えられる等もあります。
まとめますと、今までのHRTeckというと自分には関係ないツール、人事の方が使えればいいでしょう、というところがあったかと思いますが、そうではなくEXを高めていくという中で従業員そのものにメリットがあるそして使いやすいというところが注目されています。
これからツールを選定される中ではこのツールが従業員にとってどう思われるかEXを高められるのか、WorkTechになっているのかを選定の基準にしていただけるとよいかと思います。
・・・OKRや1on1、フィードバック、人事評価などハイブリッドワークのマネジメントに必要な機能が全て揃ったピープルマネジメント・プラットフォーム「HiManager」の提供、及びマネジメント・人事評価に関するコンサルティングを行っています。