考えるヒント23 車内販売、エレベーターガールにみるデジタル化とアナログ化
さて、先週のニュースですが、東海道新幹線 10月末で車内ワゴン販売を終了するようですね。まあ、仕方ないところもあるのでしょうが、思うところがありました。
自分も新幹線を利用しますが、車内販売を利用することあまりないですね、最近では、駅のキオスクがコンビニ代わりなので、だいたい、そこで十分です。とくに、よく利用する東京・軽井沢は新幹線で1時間ちょっとなので、小田急線でいうと、新宿・藤沢くらいのイメージで、通勤・通学と同じ感覚です。
さらに、新幹線も早くなりましたよね。たしか、小学生のころ、静岡から母親の実家がある姫路まで、朝一番でこだまにのって、昼過ぎにようやく姫路に到着した記憶があります。で、やはり、新幹線に乗っている時間が長いので、名古屋あたりで、カチカチのアイスクリームを食べるのが楽しみでした。が、いまや、東京・大阪間は、のぞみで2時間半、あっという間ではないですが、その気になれば、日帰りでも往復できますね。で、名古屋についたら、あっという間に大阪です。
というわけで、東京・大阪といえば、かつての旅情の佇まいから、東京・軽井沢、新宿・小田原のようなカジュアルな通勤圏内になりつつあるのかもしれないですね。で、こうした技術=速度アップの進歩が、これまでの仕事を奪った例は枚挙にいとまがありません。たとえば、もう60年以上前になりますが、電話交換手、その昔、電話で通話するためには、電話交換手という人手を経由して通話をしていました。たしか、となりのトトロで、娘のさつきがお父さんの大学に電話をかけるとき、交換手が登場しました。その昔は、電話交換手は憧れの職業だったようですが、今は存在しないですよね。
もう一つは、自分も記憶にあるエレベーターガール、昭和生まれじゃないとわからないかもしれないですね笑 今から30年以上前の昭和では、どの百貨店にもエレベーターガールがいました。仕事は、シンプルでエレベーターの操作、案内で、「上にまいります」というシンプルな案内もありましたが、その階のおススメを案内してくれるエレベーターガールもいました。その昔は、若かりし宮沢りえがエレベーターガールの役を演じたりと、高嶺の花でしたが、バブル崩壊以降、エレベーターガールは、めっきり見なくなりましたね。
さて、車内販売と電話交換手とエレベーターガール、時代が必要とされなくなった役割かもしれません。ただ、振り返ってみると、アナログの良さもあったかもしれないです。自分が若かりし頃、静岡の松坂屋のエレベーターガールは洗練されていて、松坂屋のエレベーターガールのお姉さんにエレベーターにまた乗ってみたいと思わせるものがあったように思います。車内販売も似ているかもしれないですね。駅前のキオスクだろうと、車内販売だろうと、缶ビールは同じですが、「この人」から買うのは違いますよね。
というわけで結論、電話交換手、エレベーターガール、社内販売、この手の話はデジタル化が避けられない業種です、が、アナログのおもてなしはカタチを変えて残ると思います。たとえば、鉄道だと、JR九州のななつ星 in 九州、とことんおもてなしを追及するスタイルだと思います。で、JR東海は、社内ワゴン販売終了の代替サービスとして「グリーン車のみ」モバイル注文のようですね。こんなデジタル化ではなく、価格を5倍、10倍にして、おもてなし側にふって、旅情溢れる東京・大阪新幹線旅にしてはどうでしょうか笑