文字組の話(禁則処理)
前回はフォントについての話をしました。
今回は文字組(組版)についての話をしようと思います。
組版とはなんでしょうか。
ChatGPT(GPT-3.5)にも聞いてみました。
wikiでは「文字・図版・写真などを配置する作業の総称」。
ChatGPTでは「読みやすく、美しいデザインの文書や出版物を作成する作業」。
どちらも文字を組む作業という位置づけではありますが、ChatGPTの方の説明にある「読みやすく、美しい」という言い回しは良いですね。列挙されているように、文字組には多くの機能が存在し、それらを用いて文書を読みやすく、美しいものにするのが組版の目的となります。
今回は特に禁則処理について掘り下げていきます。
禁則処理にも様々なルールがあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E5%89%87%E5%87%A6%E7%90%86
ChatGPTにも聞いてみたのですが、回答が思っていたのと違ったので割愛します。禁則処理に対する英訳がカーニング(kerning)にされており、文字間の調整の話をしてくれました。文字間の調整は禁則と関連する機能ではあるのですが、それはそれで別の機会に掘り下げたい内容なので後日のトピックとします。
蛇足ですが、禁則処理のプログラムをChatGPTに作ってもらったのですが、こちらも思っていたのと違う結果が出たので伏せておきます。禁則文字を発見したら即改行する、といったプログラムを生成してくれました。おそらく私の使用方法が間違っていたのでしょう。後日改めて挑戦します。
前置きが長くなりましたが、禁則処理とは文字列を読みやすく改行するためのルールです。
行の始めに句読点(、。)が来たり、行の最後の文字がはじめ括弧類(「)だと文章が読み辛いですよね。このnoteの文章を表示する時も禁則処理は適用されていて、文書を読みやすく保っています。(ブラウザによるかもです)
それら文字を無理やり行の始めや行の最後の文字にしたい場合は、その文字で行を満たすくらいしかありません。やってみましょう。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
見る環境によっては1行で表示できているかもしれませんね。2行で表示されるようにズームアップをするか、ブラウザの幅を調整していただければ幸いです。複数行で表示されているのであれば、2行目の始めの文字が句点(。)となっているはずです。
では文字列の真ん中あたりに1文字「あ」を書いてみるとどうなるかやってみましょう。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。あ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「あ」が2行目の先頭になりました。
これは、句点(。)を何とかして2行目の行の始めの文字にしないように努力した結果です。「あ」は行の幅としては1行目に収まるのに、禁則処理によって2行目に追い出され、2行目の最初の文字になるように調整されました。これが禁則処理の一つの行頭禁則になります。
次は行末禁則をやってみましょうか。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「
1行目の最後の文字がはじめ括弧(「)になってます。
では同じように文字列の真ん中あたりに1文字「あ」を書いてみます。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「あ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「
「あ」が1行目の行末になりました。
これは、はじめ括弧(「)を何とかして1行目の最後の文字にしないように努力した結果です。「あ」が入力されたので、これ幸いと移行の文字が全て禁則処理によってはじめ括弧類を次の行に追い出しています。これが行末禁則になります。
最後に分割禁則もやりましょう。
禁則処理では英単語や連数字は途中で改行しないようにしています。試してみましょう。
I have a pen. I have an apple. I have a banana.
という1行の文章のbananaを長くしてみます。
I have a pen. I have an apple. I have a bananananananananananananananananananananananana.
bananaの長い単語が途中で分割されることなく2行目に追い出されましたね。これが分割禁則です。
他にも禁則処理のルールはありますが、代表的なのがこの3つのルールになります。このような禁則処理を行い、複数行に渡る文章を美しく、読みやすく改行するためのルールが禁則処理となります。今回の記事の中のサンプルが美しい文章とは程遠い例なのはご勘弁ください。
このような禁則処理は弊社のSVF製品でも利用することが可能です。
[段落]-[組版処理]タブの設定項目
様式ファイル設計時にテキストフレームで上記のタブで「禁則処理を有効にする」をオンにすることで禁則処理が適用されます。
お試しいただける方は是非お試しください。
文章が長くなってきましたので、今回は一旦ここで終了します。
お読みいただき、ありがとうございました。
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