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テクノロジーの仕事を選択する女子学生を増やすには? [WIT チームB (2/3)]

このnoteは、エリックゼミ × デロイト トーマツ グループ「Women in Tech」との1年間に渡るプログラムにて、自分たちグループBが構想した内容をまとめたものです。全部で3編に分かれていて、この記事はその3つ目になります。

①構想内容

私たちは、女子大学スマートキャンパス化推進プロジェクトを提供します。また、その企画設計から運営、実行までも一気通貫で支援していきます。具体的な提供の方法として、ハンズオン型開発の体験講義を想定しております。様々な企業と連携しながら、最先端のテクノロジー技術を実際に女子学生がエマージングテックを活用してスマートキャンパス化を推進していきます。

②プロジェクトの流れ

実際プロジェクトの流れは以下を想定しております。

期間

期間としては、一つの講義の期間が約6ヶ月ということで、6ヶ月間と置いておいております。6ヶ月ごとにひとつのプロジェクトを構想・実行していくことで、女子学生のテクノロジーに対する楽しさや熱を生み出していきます。

流れ

大きな流れとして4つあります。
まずはじめに、テーマの設定をします。具体的にどのようなスマートキャンパス化を実装するかという内容に関しては、弊社メンバーと女子学生、提携企業と議論した上で設定していきます。
その次に、実際に講義であったり開発をスタートします。ここで最先端の技術を活用している企業からサポートを受けながらシステム開発であったりプログラミングを学びつつ、スマートキャンパス化をスタートしていきます。
開発に伴って、定期的なメンタリングも実施していきます。具体的な内容としては、進捗のサポートはもちろん、中間ピッチや運用テスト提供企業との社員交流イベントなどを通して、メンタリングを想定しています。
その後最終的にピッチを実施します。成果物をピッチとしてまとめた上で、SNSやオンラインメディアを通して社会に発信をしていきます。

この施策で大切にしている点

私たちは、女子学生のテクノロジーに対する ”楽しさ” や ”熱” を生み出すことを一番の目的においています。では、どういうタイミングでテクノロジーに対する ”楽しさ” や ”熱” が生み出されるか。私たちのチームでは、以下の2つの要素が重要なのではないかと結論づけました。
①テクノロジーがある場合とない場合で、どのくらい変化があるのか。その変化の前後を身をもって体験していること。
②その変化を自分自身が生み出すということ。
これら二つの条件を満たすには、このようなハンズオン型の開発体験プロジェクトが最も良い手段なのではないかと考え、このプロジェクトを構想しました。

発表当日の様子

③テーマ例

具体的なスマートキャンパス化のテーマは、基本的に学生主体で構想を進めていくのですが、弊チームから具体例として二つ用意しました。

テーマ例❶テクノロジーによる食堂改革

一つ目は、テクノロジーによる食堂改革です。テクノロジーを活用することで、学食の注文から決済までクラウド上で完結する体験を提供するだけでなく、安全性や健康面における体験も向上することで、より豊かな食生活を実現することができます。

具体的にやることとしては以下の4つです。
①モバイル決済システムの開発
今までは、一つの学食を受け取るまでに、20分ぐらいかかることもありました。券売機の列に並んで、紙で食券を買って、その上でまた受け渡し口の行列に並んで…という面倒なことをしていました。しかし、モバイル決済システムの開発によって、その手間がなくなっていつでもどこでも注文可能になります。
②調理ロボットのプログラミング開発
食事を提供するロボットを導入するのですが、そのロボットのプログラミング開発をします。これによりヒューマンエラーによる事故を未然に防いだり、人手不足を解消することができます。
また、モバイル決済システムとの連携を通して食事を準備するので、必要以上に食事を作る必要がなくなり、結果として食糧廃棄も減らしていくことができます。
③混雑予想システムの開発
これによってどのくらいの時間にどのくらいの食事が必要かというところがわかるので、学生も指定時刻に受け取ることができるようになります。結果として待ち時間がゼロになり、休み時間を有効活用できるようになります。
④人工肉の開発
食制限がある人とも同じ食事を楽しめるので、食事がより楽しくなったり、ヘルシーで美味しい料理を楽しむことができるようになったりします。

テーマ例❷メタバースによる保健室改革

二つ目は、メタバースを活用した保健室の改革です。特に健康面に関して、女性ならではの悩みは様々あり、その中には人に相談しづらいものも多くあります。メタバース空間の開発によって、このような悩みを専門家に相談しやすいような環境を作っていくのがこのテーマです。

具体的な内容としては大きく3つあります。
①メタバース空間の設計
女子学生目線から、相談のしやすい空間を設計します。その際、保健室のような相談ができる空間のみならず、以下の画像のような学生同士が相談できるような空間も作成します。

これによって、先生には相談しづらいが、学生になら話せる悩みを解決することができます。
②メタバース空間の開発
①をもとに、メタバース空間を開発していきます。
③メタバース空間の提供
開発で終わるのではなく、構築した環境を実際に医者や専門家の方が使えるように、使い方のレクチャーをしていきます。

④女子大学へのメリット

女子大学スマートキャンパス化推進プロジェクトを実施することによって、女子大学と提携企業それぞれに対してメリットがあります。

女子大学はこのプロジェクトを導入することで、話題性を得るだけでなく、テクノロジー業界における女性人財を輩出することができます。これらよって、女子大学の認知が増すだけでなく、その女子大学のOGがテクノロジー業界で活躍することが期待できるので、結果として女子大学のリブランディングを実現します。

⑤提携企業へのメリット

提携企業がこのプロジェクトを通して、技術提供をしていただき、女子学生へのタッチポイントを得ることができます。

まず、技術提供をしていただくことによって、話題性を得ることができるのはもちろん、対外的に技術力のアピールをすることができます。また、女子学生と関わる機会が増えることで、女子学生のインサイトを深く知ることができ、結果として女性人材の採用活動をより進めていくことができたり、採用した先に女性が活躍しやすいような環境の構築につながったりします。これらによって、企業の社会的価値が向上することが、提携企業の得られるメリットです。

プログラムを通して感じたこと

このプログラムを通して感じたことは大きく分けて3つあります。

・課題を正確に捉える難しさ
今回のターゲットが女子学生だったので、自分が当事者でないこともあり、「女子学生がテクノロジー職を選ぶ上でどのような課題を抱えているか」という課題を正確に捉えるのに苦労しました。
今回の課題設定にあたって、知り合いの女子学生に対してアンケートも行いましたが、特定したい課題が潜在的なものであったり、数値化しづらいものであった場合に、課題を把握したり可視化するのが非常に難しかったです。どのようにな設問にしたら潜在的な悩みを認知できるのかも模索しましたが、設問の仕方も苦戦しました。
しかし、課題を設定する際には、何かしらのデータをもとに考えていくことももちろんですが、ターゲットとなる方一人ひとりのリアルな声を自分たち自身が拾うことが重要だと感じました。自分たちの耳で実際に聞いたリアルなものだからこそ、自分たちが自信を持って事業を推進できるし、何より「自分たちがやらないと」という気持ちがより強くなったからです。

・「バイアス」は人間であれば誰もがもっているものであること
この言葉はデロイト トーマツ グループの理絵さんが仰っていた言葉で、このプロジェクトを通して常に考えの根底に持つようにしました。
もともと私は、「バイアス」=悪であり、何かしらの事柄に対してバイアスを「もっている」場合と「もっていない」場合のどちらもが存在していると思い込んでいました。
しかし、人間は誰しもバイアスをもっていて、それぞれのバイアスというフィルターを通して生きています。

その原因は、人間の脳の処理方法にあります。人間は1日に何度も選択を行いますが、そのすべての選択において理論を重視してじっくりと時間をかければ、脳は疲れてしまいます。したがって人間の脳は時に直観的かつ無意識の判断を下し、すばやい情報処理を行おうとするのです。

LAFOOL SURVEY ウェブサイトより

そのため、自分が当たり前だと思って無意識に判断して起こした行動だけでなく、できるだけバイアスに影響されないようにと考慮した上で放った発言にも、必ず何かしらのバイアスがかかっているということになります。
しかし、ここで重要なのは、「どんな判断にも何かしらのバイアスがかかっている」ということをまず認識することではないでしょうか。バイアスを無くそうとするのではなく、いかにバイアスに向き合っていくかに思考を向けることが必要だと感じます。今後社会に出て生きていく上で、周囲からこれまでと違った影響を受けることになると思いますが、それらが自分のもつバイアスを含めた価値観をつくっているということを時々思い出していきたいです。

終わりに

この活動が終わると同時に、3年間お世話になったエリックゼミのゼミ生としての活動も終了しました。最終年度に関しては、前期に体調を崩してしまったことが原因でメンバーに迷惑をかけてしまいましたが、それでも暖かく迎え入れてくれたメンバーに本当に感謝しています。
何度も話し合いを重ねて、自分たちBチームとして「これがいい」と思えるような事業案を出せたのが何よりも良い事だと感じます。エリックゼミのみんな、Bチームの二人、本当にありがとう!
そして、自分たちのために非常に貴重な機会をいただき、かつ手厚くサポートをしてくださったデロイト トーマツ グループの方々、そしてこのような貴重な機会をくださったエリックさんに感謝しています。ありがとうございました。

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