「4月1日」という同調圧力
実家に居た頃「4月1日」の新聞が好きだった。
目当ては全面広告。この日を機にあたらしい会社名になったり、コーポレートスローガンが変わったり、そうでなくてもあたらしい生活がはじまるのにあわせたメッセージを打ち出したり、総じて「がんばっていこう」みたいな感じのものだ。
でもよくよく振り返れば、それらを読んで「自分もがんばんなきゃいけない」ってずっと思っていたのかもしれない。
まわりを気にしすぎて、自分を出せなくなって、家ですら本音が言えなくなって、無理しすぎて、働けなくなって、離婚して、実家戻って、やっぱり居心地悪くて、逃げて。
がんばれなくなってわかったことは「4月1日」が好きではなかったこと。
世間一般の人と同じように「前向き」になれない自分を責めていただけなのかもしれない。
でも「それでもいいやん」と思い始めている。
「前向き」「後ろ向き」になるタイミングなんて人それぞれ違って、みんながみんな「4月1日」に前を向いているわけがない。
「4月1日」の同調圧力に屈さず、前を向けないときは前を向かなくていいのだ。
その人たちはきっとみんながしんどいときに前を向ける人だから。
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