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レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第三回 浮世の夢

「浮世の夢」

音が大きい、宮本の奇怪なステージアクション、アンコールをやらない、終演が早い、初期のコンサートの特徴を並べましたが、これらに加えて毎回、演奏されたのが「珍奇男」でした。本作を機会にコンサートへ行くようになりましたが、この曲をダイレクトに聴きたいと思ったことも大きな理由です。この曲は惨めで憐れなわたしを美化するのに充分でした。緊張と興奮の曲ですが、一方、本作は春の一日やゆっくりと流れる春夏秋冬みたいに穏やかで温もりを持った作品でした。初めて聴いた時、アルバムの一曲目のイントロが流れた際は頭の上にクエッションマークが二つ三つと浮かぶような感覚でした。このアルバムを好きになれるのだろうか?そんなことも思いましたが直ぐに好きになりました。伝えたいメッセージは「ひとりぼっちも、結構、楽しいよ」と言われているようで、励みになりました。初期のコンサートの特徴は、着席してコンサートも聴くのもそうですが、孤独を楽しむようになったわたしはコンサート会場に集まる珍奇男、珍奇女に親近感を持ちました。

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