レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第十五回 風
「風」
前作からの数ヶ月での早いリリースでしたがそれが好ましいとは思いませんでした。もう少し、前作を聴き込んでから本作を聴きたかったです。フルアルバム以外も合わせれば何十枚にも及ぶ彼ら四人のアルバムの数々、なかなか、本作をあらためて、聴く機会も多くはないでしょう。テーマやコンセプトが分かり難いのかな?と思いますが、「愛と夢」の方がそれらに関しては分かりやすかったです。このアルバムを引き合いに出すくらいだから、好意的に思っていないことは察しがつくと思いますが、「愛と夢」がそうだったように本作の評価が上がる可能性もあるのかもしれません。とは言え、スランプ、試行錯誤、そのような消極的な言葉が浮かんできてしまいます。曲が量産できるから、スランプとは言わないのかもしれませんが、これを人生に例えて、上手くいかない時期もあると納得するのか、エレファントカシマシに限っては、認めたくないと思うのか、両方なのか、判断しかねます。本作は「風」というアルバムタイトルが示すように掴み所がなく抽象的で分かり辛さがつきまとう作品です。