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レビュー「好きなドラマ、小説、漫画等10作品」  第九回 人間交差点

「人間交差点」

「三丁目の夕日」みたいに一話完結です。だからと言って決まってハートフルな物語ばかりではなくて、シリアスで暗い気分にさせられた印象が強い「人間交差点」です。「三丁目の夕日」は昭和三十年代が背景ですが、「人間交差点」は昭和が終わるまでの数年から十数年位までの時代背景、さかのぼって、戦後の話というか、登場人物の子供の頃の回想を挟んでいました。この辺りは「三丁目の夕日」に似ていますが、とにかく、ハートフルな話ばかりではありませんでした。単行本では二十数巻、二百数十話もあるので覚えていないことが多いですが、殺人の場面やそれに動揺する登場人物の振る舞い等が心に残っています。虐げられる女性いましたが、殺されてしまうのはもちろんのこと、都会に憧れて、結果、ホームレスになってしまったり、恋人に裏切られた末に殺人、結果、刑務所へ、そのような物語もありました。シングル・マザーは東京オリンピックの入場券を買ったけど、偽物だったというエピソードもありましたが切なかったです。気分が沈む話ばかりですが、時に覗かせる弱者に差し伸べる温かい手、そのような話もあって涙を誘われましたが、これもまた、「三丁目の夕日」と共通する事柄でもあります。

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