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レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第十四回 扉

「扉」

「地元の朝」が苦手でリアル過ぎて考えたくない事柄です。でも、この曲は三曲目の早い段階での配置なのでアルバムを聴き終えた際の動揺も和らいでいます。その辺りは配慮が伺えます。つまり、曲順が冴えていて、「ディンドン」で「列を乱す奴は罪さ」と歌った後、最終曲の「パワー・イン・ザ・ワールド」の「順番を放棄せよ」と歌う一言が響く訳です。また、本作は音の輪郭がハッキリしているのがわたしは好みです。アルバムジャケットはドアーズを思い浮かべますが、音の感触はローリング・ストーンズの「ダーティ・ワーク」を思い浮かべました。再々になりますが、「地元の朝」が苦手です。この曲が無ければ、もっと、本作を好きになれたのかもしれません。「パワー・イン・ザ・ワールド」では「順番を放棄せよ」と歌っているので、「地元の朝」を飛ばして聴けば済むのかもしれません。良いとも、悪いとも、言えない本作ですが、アルバムジャケットを眺めながら思ったのも、宮本が書いた扉という字もなくても、良かったのでは?と思ってしまったことでした。

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