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レビュー「わたしの好きなアルバム10作品」 第一回 ベガーズ・バンケット

「ベガーズ・バンケット」

ローリング・ストーンズに興味を持ち始めて、割と早い段階での鑑賞でした。アコースティックな色合いが濃い作品です。エレキギターの音を求めていたので、少し渋過ぎる印象でしたが、アルバムの一曲目、A面のラスト、B面の始まり、B面のラスト、大事なポジションに名曲が配置されていて構成が冴えていました。主要楽器に止まらず、スライドギター、パーカッション、コーラス等、それらも良好なアクセントになっていますし、ブルース、フォーク、カントリー、サンバ等、音楽的にも統一感を失わず、バラエティ豊かな仕上がりになっています。後のブライアン・ジョーンズの脱退、そして、事故死は本作の緊張感を後押しし、同時期の名曲である「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の意図的な未収録は自信の表れを感じさせます。アルバムジャケットの問題もロックの精神を印象付けたと思います。必ずしも望んでいない事柄が幸いして結果的に本作の魅力にもなっています。個人的には初めて買ったローリング・ストーンズのアルバムなので、思い出も加わって、特別な作品ですが、ここまで、アコースティック・サウンドなのに刺激的な作品はありません。

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