レビュー「わたしの好きな映画10作品」 第九回 サニー 永遠の仲間たち
「サニー 永遠の仲間たち」
涙と笑い、現在と過去、音楽とダンス、カラフルでポップ、数々のエピソードと登場人物、いくつもの事柄があちこちに散りばめられた複合性の高い作品でした。時に覗かせる作家性や80年代後半の韓国の暮らしや文化も良好なアクセントになっていました。一際目立つのが、シンナー中毒の彼女、そして、顔に浮かぶ鮮血でした。してしまったことはともかく、彼女の疎外感は痛々しく、忘れかけていた苦い経験や体験、そんな記憶を蘇らせる迫真の演技でした。大小様々、幼い頃の友人関係には