国旗の扱いと日本人のアイデンティティ
スポーツや国家行事など、特に色々な国の人々と触れ合う時などに国旗を扱う事があります。その中でも特に日本人の国旗の扱い方が雑で残念に感じましたので、少し触れてみたいと思います。
近年の日本のシステムでは特別国旗に関しての教育がなされることはほぼありませんし、国旗がどういうものかという自覚も無いのが実状なのでしょう。
実際、日本人の中でも敬意をもって扱えている方もいる中、残念ながら地面に置いてしまっていたり、会場に放置したまま帰ったりする人も少なくはありません。
同様に多国の国旗に対しても敬意を払うことが必要ですが、その辺りも意識が薄いようです。多国の立て掛けてある国旗を倒したりなどは以ての外ですが、そのようなことも目撃したことがあります。日本人として恥ずかしい思いになりました。
対照に、多国の方々の多くは国旗を丁寧に扱っているのを見ますし、互いに尊重し合っている雰囲気を感じます。
それでは…、
私自身はというと、幼少期から祝日には玄関先に国旗を掲げる事が習慣となっておりましたので、自然と国旗に対する意識というものが育まれてきたのだと思います。
国旗を扱う上での作法の様なものに関しては、自衛隊に所属していた時の経験を基にシェアします。
自衛隊では平日、祝日の毎朝決まった時間に国旗を掲げ、決まった時間に国旗を降ろします。この時は通常の制服や作業服と違い、儀式向けの武装をします。手には白手袋を着けます。
複数名で隊を組んで行進し、国旗が保管されている場所へ向かいます。国旗を受け取ったら、国旗を頭の高さに保ち、掲揚台まで行進します。
掲揚台まで着いたら国旗を広げてロープに付けていくわけですが、体よりも大きい国旗を決して地面に触れさせてはいけません。風の強い日や雨の日などは特に気を使います。掲揚している数十秒間は、国歌吹奏とともに基本的に基地(駐屯地)内の全隊員が国旗に向かって敬礼または直立不動で敬礼をします。
降下時は基本的には同じ手順の逆順になりますが、国旗をきれいに三角形になるように畳み、返納します。この時も地面に着かないように気を使います。
幼い頃からの習慣と、自衛隊で身についた国旗の扱いは現在も役に立っています。世界の諸外国の人々との関わりの中で、日本人というアイデンティティの確立と、他国を尊重し協力し合う気持ちが育まれることは、私自身の財産の一つになっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?