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なぜ「おとなけん玉専科」なのか

私の活動名を「おとなけん玉専科」とした理由を説明するには
「日本でのけん玉と現在地」
を知ってもらう必要があります。

「ヒモにつながった玉」
「3つの皿がある木製の剣」

この形状だけで、小さなお子さんは手に取りたくてウズウズするようです。玩具としてそれは素晴らしいこと。
説明不要で遊んでもらえることは、けん玉を伝える立場としてはとても喜ばしいことです。
でも、小さなお子さんは何をすればわからずに振り回すだけ。
小さな子に限らず、実は日本人の大多数は「いまのけん玉のことがよくわかっていない」状態だと思っています。

皿に乗せる、剣に刺すと成功。でしょ?

いえいえ、けん玉はそんな単純なものじゃありません。

玉も剣も宙に浮いています

挑戦と喜びを共有するツール

では何が違うのか。
2013年頃からけん玉は、米国のプロエクストリーム・スキーヤーがPVで技を披露して以降

挑戦と喜びを共有するツール

として海外に広まり認知されました。

よく考えてみれば「挑戦」や「成功の喜び」は、子供だけのものではありません。

海外の人と日本人のけん玉を見た時の反応を比較してみましょう。

海外の人はけん玉を手に取ると、未知の技を探しはじめます。
たとえば、ヒモでつながっている剣と玉でジャグリングをはじめたり。
アメリカではたった4、5年の間に、けん玉を使ったジャグリングができる人がどんどん増えました。
それも挑戦と喜びの共有が目的だからです。
その後、日本でもジャグリングをする人が増え、いまはメジャーな技になっています。

一方、日本人は技名や難しい技を知りたがります。昔からあるが故に固定観念である「刺す、乗せる」の構成から思考が抜け出せず、とりあえず教えて欲しい。となります。
かく言う私も、けん玉を小学生の頃に触って以来、中年になるまでそう思っていました。
あるとき偶然、逆輸入された自由な技を目の当たりにして驚き
やってみたい!!
となったのです。おじさんなのにww

「やってみたい!」の日の写真(2014年)

日本人は、けん玉を「卒業」する

けん玉の基礎技は、世間でよくいわれるような「難しいんでしょ?」と言われるようなものではなく、実は短時間に習得できます。
しかし、難易度が高い技ほど、成功率上昇に比例して練習時間が必要です。小学生対象の大会での優勝を目指すお子さんは毎日何時間も練習することもあるそうです。小学校6年まで続けたら、脅威の身体能力を獲得しています。
でも、中学校になると卒業します。一生懸命に取り組んだからこそ、テクニックを一途に追求し、壁に当たったりしているから苦労のほうが多い。結局、大会で結果を残していても「卒業」してしまいます。
筋力はそれほど付かないし、けん玉で食べていけるほどのプロ選手もほとんどいない現状を考えると、親は卒業をすすめるのでしょう。
非常にもったいないことです。

私は
けん玉=大人になったらやめるもの
ではなく
けん玉=ちょっとしたエクササイズツール
くらいでいいと思っています。
けん玉マニアな一部の人だけではなく、ジョギングや散歩のように当たり前のもの。
そうなる糸口として、まずは卒業しないでほしい。
だから「おとなけん玉専科」としました。

成功しても失敗しても笑顔になれる社会性を

お子さんがけん玉をやりだすと、飽きる瞬間があります。それは、技が成功できない時。そしてなにより
人が見ていない時
です。

かたや大人にイベントなどでけん玉を体験してもらうと、成功しても失敗しても笑顔。それはやっぱり人が見ているから。
つまり、成功も失敗も他人と共有している状態だから楽しいのです。

他人の成功をほとんど気にかけない子供より、視野が広くて他人同士でも喜びや励ましを言葉で表現し合える社会性が大人には備わっています。
『挑戦や喜びを共有する社会性を、より早い時期に身につけて欲しい』
実はお子さんへのカウンターアプローチ。大人がけん玉をはじめれば、それを見ている近くのお子さんへも良い影響がある。
それも「おとなけん玉専科」の狙いです。

かっこいい大人
笑顔の大人
友達を励ます大人

子供が間近で見れば、きっと何か伝わるはずです。

けん玉ワールドカップ2021トリックビデオより

親子が良いパートナーになる

けん玉は親が子に勧めて、すぐに追い抜かれるものです。
だからこそ、あえて親御さんも絶対に挑戦することを勧めます。すぐに抜かれないように喰らいつくのも大切です。
それでもいつか、お子さんに励まされたり、アドバイスされたりする時も来るでしょう。それが良いんだと思います。

屋内でもできて、運動にもなり、SNSで友人も増えて、親子がパートナーになれる。失敗しても笑顔で、励ましと褒め合う心もお子さんに伝えられる。
けん玉は皿に乗せる、刺す。だけじゃないんです。

KWC2023利根町会場でのワンシーン

だから、大人も楽しみつつ上手にならないと

親から見れば子供にいつか抜かれることは寂しいかもしれません。
でも、親が楽しんでる姿や努力している姿、頑張っている姿を子に見せれば、子供は親を頼もしく思えるものです。
だから、笑顔で頑張って楽しんで、それなりに上手になっていく姿を見てもらいましょう。
最初は必ず親御さんのほうが上達が早いですから、教える機会も、周りから頼られることも親御さんのほうが多いのです。

仕事中の頼れる姿をお子さんに見せられない人は多いはずです。
同僚に感謝されている姿を、お子さんに伝えられる人がどれだけいるでしょうか。
けん玉をやれば、お子さんに伝えることができるかもしれません。そして「大人になるのも悪く無い」と思わせることもできるはずです。

VERY NICE AGE KENDAMA CLUB(年を取るほど楽しくなるけん玉チーム)

「おとなけん玉専科」である理由
①けん玉での挑戦と努力の共有は大人も楽しくできるから
②励ます、讃える等、社会性をお子さんへ伝える機会となるから
③親子でけん玉をやれば、良いパートナーとなるから
④「大人になるのも悪く無い」とお子さんへ伝えることができるから


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