大阪、桜満開 2022J1㉒ガンバ大阪vsセレッソ大阪
ジェアン様のシュート、うますぎた。できすぎた。勝つと信じてはいたけど、あんな結末が起こるなんて。それもセレッソの選手が。美しすぎた。
ドラマの話ではない。これは大阪で最強のサッカークラブ、セレッソ大阪が残した本当の話。
この試合を目の前でホンマにしあわせだった。
まだ興奮が冷め止まないが、じっくりとこの歴史的な勝利を振り返っていく。
ルヴァン杯で同じグループに入ったこともあり、シーズン前から4回対戦することは分かっていた。今回のダービーは今季4回目。
それまでの3回を振り返ると、
まず2月にルヴァン杯開幕節は前半にセレッソが為ちゃんと上門で2点のリードを取って主導権を握り、一時は同点にされるも、終盤に相手のパスミスを突いて輝の勝ち越しゴールでまずセレッソが1勝。
次はルヴァン杯第5節で、セレッソが引き分け以上でグループステージ突破が決まる状況だったが攻めの姿勢は崩さない。一森を中心としたガンバの守備網を崩しきれず、終盤に枠内シュートを打たれるピンチを迎えるも陸がライン際で確実にクリア。大阪ダービー史上初のスコアレスドローになったがセレッソは確実にグループステージ突破を決めたので実質セレッソの勝利。
そして5月のリーグ戦。ヨドコウ桜スタジアム最多の18750人を集めた試合は、セレッソがビルドアップのミスから失点してしまうも内容としては前半から完全にセレッソのペース。ハーフタイムで「全然問題ない」「前半からやってきたことをそのままやる」「1人が勝手なプレーに走るとやられるよ」と小菊さんが選手を後押しした結果、後半はセレッソが一方的にシュートチャンスを生み出す圧倒ぶり。タガートと奥埜で3得点をゲットして逆転勝ち。
振り返るとどの試合もターニングポイントといえるものばかりで、スコアラーもスタメンも固定化されていない。チーム全員で積み上げてきた結果。
先週に天皇杯4回戦があってセレッソが劇的な勝利を挙げた一方でガンバは敗退が決まったため、今回のダービーをもって今季の対戦は終了。
ガンバとのここまでの対戦やシーズン中の戦いぶりを見ていると、確かに宇佐美をはじめ長期負傷離脱者が続出している影響はあるが、個人で解決しようとする部分がまだ多く、誰が出ても高いレベルで戦えるセレッソとは対照的。いかんせんチーム全体で戦力を底上げしようとする流れがあまり見られない。
そして個人的には大分トリニータを躍進させたことで注目された片野坂監督を過大評価している感が否めない。
サッカーの中身については深く見てないのでここでは突っ込まない。ただ、他クラブで成功した監督が自クラブで必ずしも成功するとは限らないのに、昨年までと同様に厳しい順位にいることは変わりないのに、小菊さんのように監督になって1年も満たない方もいるのに、まだ1年目だから時間がかかるから様子見だとか我慢だとか、もっとスタイルにあう選手を揃えてくれといった感じで未だ片野坂監督を支持する声が多いのは結構悩ましい。
今のJリーグは監督だけで勝てる時代じゃないよ。
立ち直るのかどうか。最悪このままズルズルいってしまってもおかしくない(ぶっちゃけどっちでもいいが)。
相手はこんな状況だし、なんせ前回のダービーでは身内喧嘩を晒しだしたぐらい酷かったので、逆にセレッソは勝たないといけないというプレッシャーを感じてしまってもおかしくなかったが、それは杞憂に終わった。
試合当日。
どういった都合があるのか、セレッソグッズを着用できるビジター指定席は南側の上層に追いやられる形に。
下層にアウェイサポを入れないことでホームの圧を作り出そうとするのが狙いと聞いたが、その割には空席も目立つし、南側の下層はセレッソのステルスサポーターでいっぱいだったし。誰の何のためのものなのか。なんとも微妙…
アウェイサポが追いやられたとはいえ上層は俯瞰して見れるし、屋根が近いので手拍子も反響しやすいが、モノレールからスタジアムまでの登山道の末に上層まで登ってやっと席についたときには湿気も熱気もすごかった。
選手のアップが始まる。
セレッソの選手紹介、今度はちゃんと上門の名前言えてた。
ガンバの選手紹介では花火が打ちあがるが、煙の捌けがあまりよろしくなく、こっちくんなとばかりにセレサポに向かってくる煙も。
ただ試合開始の時点ではほぼ収まった。降雨も予想されたがほぼなし。
前半の飲水タイム前まで、たしかに相手がシンプルに裏に出して鈴木武蔵の突破を起点にして猛攻をしかけてくる場面が多く、セレッソが決定機を作ることはなかった。失点は隆矢と翔の間に入られて合わせられたが同じ選手に合わせられたのはちょっともったいなかった。
ただ相手の時間帯といえるのはここまで。飲水タイムから以降はずっとセレッソが試合を支配した。徳真のゲームコントロールが冴えわたるように。相手はプレスをかけてくることもあったがそれを利用してセレッソがサイドチェンジ等を駆使してボールを前進できるようになると、もうプレスをかけてくることはなかった。
前半は陸からのアーリークロスを寛人・陸次樹が頭で何度も合わせる。右サイドからの攻撃に偏っているのが気になったサイド攻撃も、後半になると幅広くピッチを使って相手を押し込んでいく。
51分の寛人の同点ゴール。ジンヒョンから為田に渡ったところでチャンス確定。全員が相手の嫌な立ち位置を取って、そこにジンヒョンが確実にボールを届ける。いつものセレッソ。アシストした為田は最初右サイドの陸に展開するかシュートするかを考えてたのに歩幅が合わなかったから寛人への縦パスに切り替えただと… 為ちゃんはこういう局面でも持ち前の足元の技術を出せるのがデカい。
そして今季4回目の対戦にして初のセレッソアカデミー出身者によるゴール。寛人がよく決めてくれた。
引き続きセレッソがゲームを支配。CKも数多く得たのに決めきれず、66分の翔の惜しいチャンスも決められず。逆に前がかりになったところを突かれてシュートを打たれる場面もあった。ただ自分たちの意図した通りにゲームを進められているのはセレッソなので精神的な余裕も残っていたはずだし、なにより体力的にも余力が残っていた。
それがはっきりと表れたのが90分の決勝ゴール。
逆転ゴールが決まるなら1点目のように細かい崩しで決まるのかなと思っていただけに意外性が抜群で。
翔が奪ってパトリッキとメンデスのワンツーで攻め上がり始めたときにはガンバの中盤は全く帰陣できず。上門・颯太・メンデスが攻め上がっていたので、前向きで受けたパトリッキに誰もプレッシャーに来ない。
パトリッキが選択したのはシュート。ゴール右隅に飛んだボールがポストに当たってゴールの内側に入る。いやうますぎやろ!できすぎやろ!そんなの打てるんかい!と。ほんで決めた後どこ行くねんと(笑)。
パトリッキは当初プレー動画見ても突破力とスピードに強みはあるけどそこまで数字を挙げているアタッカーではないし得点力まで期待してなかった。セレッソデビューしたての頃もそんな感じで、欧州にいただけあって戦術理解度はさすがのものだなというぐらい。それが7月に入ってリーグ戦4試合で3得点1アシスト。もう月間MVP取っちゃいましょうよジェアン様。
パトリッキはJリーグの中でも、アダイウトンとかマルシーニョとかエウベルとか、そっちのクラスに入ったと思う。そして彼らよりも数字を残すポテンシャルがある。セレッソにこういうクラスの選手が現れるとは思ってなかったなあ。
ちなみにジェアン様は3年契約のようです、みなさん覚えておきましょう。
劇的なダービーの勝利のあとの、上層からの景色は最高だったなあ。
みんなでジェアンダンス。上層だけでなく下層のセレサポもみんな両手を上げているしメインとバックにもセレサポがいることが丸わかり。みんな楽しそう。
やっぱ勝てるよね。
厳しい時間帯もあったけど、でも楽しかった。興奮した。
興奮をちょっと落ち着かせて吹田を後にした。
勝ったので堂々とセレッソグッズをつけたまま大阪に帰れる。
嫌なこととかうまくいかないこととか、生きていると色んなことあるし、個人的にもしばらく投稿してなかった間にセレッソもいろいろあったけど、今のセレッソは追いかけがいがある。「勝利のために全員が愚直に戦う」セレッソ大阪は間違いなくいいチームになってるよ。
4度の大阪ダービーをモノにしたセレッソ大阪に対して、補強選手が軒並み戦力になっているため梶野統括部長への評価を見直す声も出てきたり、鹿島・マリノス相手に失った勝ち点4があれば今頃2位だと惜しむ声も出たり。2017年に似ている、小菊さんとタイトルを取りたいというポジティブな声も出てきた。
さらにこのチームをよくしようと後押しする流れが生まれている。このチームはもっと高みを目指すべき。残りの試合、全力で追いかけていこう。
大阪ダービー2022はセレッソ大阪の大勝利!
そしてこれからも!
P.S. 待ってましたバックステージパス、めっちゃ見てて楽しい。いっぱい見どころあるけど、自分は徳真の最高の笑顔のヨッシャー!!に惚れました。
徳真ってこんなカワイイんやな(笑)