勝って俺たちが上に行く 2023J1⑪ガンバ大阪vsセレッソ大阪

2023年5月5日 12:08

ダービーは勝つことしか考えない。ダービーは泥臭くても勝つこと。

それのみ。

そりゃ大阪ダービーだけセレッソを応援してるわけではないから、ダービー以外もその意気込みで集中力で戦ってほしい、相手を選んでる余裕はないんとちゃうか？？ダービーの結果は良かったけど内容はまだまだ改善あるやろ？？相手17位やぞ？？浮かれたらあかんよ！？！？

いろいろと言いたくなる気持ちは正直ある。

でも今節は、一言だけ言わせてほしい。書かせて欲しい。

よくやった。セレッソ大阪ありがとう。俺らが大阪！！！

昨季のダービーは小菊さんが"アレ"を叫びまくってて今節もきっとロッカーでアレを叫んでるだろうからセリフは横取りせずバクステを楽しみにしよう(笑)

いろいろと言われてる小菊体制だが、こと大阪ダービーの勝負強さに関しては歴代の指揮官と比べても群を抜いてるし、ダービーの意味を理解して確実に結果を出している点では絶大に信頼できる。

GW真っ最中とあってチケットはほぼ完売、34,517人の大入り。

気温も相当上がってきて、春から夏へもう少し。となると、夏男の血が騒ぎ出す。

27分、山中のグラウンダーパスが中盤を経由して右サイドに渡ると陸がフリーでアーリークロス。レオ、為田、マイクが3人ともゴール前に侵入、2CBの間に入ったレオが豪快に叩き込んで先制！

暑くなったら点を取り出すレオセアラのゴール。ただすでに点を取っててこれで5点目なのでもう季節は関係ない。レオにもっともっとシュートチャンスを与えてあげよう。

前半はお互いにやりたいことを出し合う。相手のセットプレーは結構厄介というか本数も多かったし、宇佐美はプレースキッカーだとそれなりに良いボールを入れてくる。
どれだけチャンスが少なくてもセットプレーで巻き返されることはいくらでもある。本数を与えすぎたなあと思ったけどヨニッチを中心に跳ね返していく。
セレッソは4-3-3でボールを持ちながらチャンスを伺うけど、お互いの距離感が微妙にズレてパスを引っ掛けられるシーンもあり。この戦い方だと中盤に人が多い分、奪う位置がどうしても低くなるので守備のポジション取りを徹底しないと致命的な局面につながりかねない。

NHKの方では嘉人が選手どうしの距離感について多めに語ってた。DAZNのカフェ店員のブルーなぼやきを聴くよりよほどいい。
「(僕だったらFWにいるとき)ボールが出てこなかったら動き直して、引いてもらいにいく」「ボールを触ってリズムを作りに行く」とはっきり言ってたけど。

この4-3-3、そもそも4-4-2だとキヨ・真司をどう組み込むかという話から取り組み始めたスタイルなので、今後キヨが帰ってきてさらに取り組み続けることになりそうだし、結局は人で解決する問題なのかなと。
ただボール非保持でも失点シーンみたいに、ニアゾーンからの折り返しに対するケアが全くなされてないのは何回見れば気が済むのか...イエロー貰ってしまった陸を下げてマイクと輝になってから相当ウチの右サイドが狙われた。

同点になってからはボールをなかなか持てなかったけど、ゴール前でとにかく身体を張ってくれてた。
人海守備と言われても仕方ないけど、そこはもうどうでもよくとにかく結果だけ、まず失点しないこと。そしてチャンスが来たらカウンター。
真司と奥埜の2ボランチで試合が落ち着くわけでもなく。
ただやはり昨季もそうだったけどあれだけボール保持してる相手にフレッシュなスピードスターを2トップに置いたので、徐々にプレッシャーはかかっていたんじゃないかと。

ずっと攻めてばかりで前がかりになってカウンターケアがおろそかになった相手に浴びせた89分のロングカウンター。やはりこのチームの生命線はクロス攻撃なのか...！！

山中のスプリントと正確なクロスは見事だったがその山中をフリーにした動き出しとDFの背中を取るポジション取り、クロスを確実に叩きつけたシュートセンス。桜の背番号20が再び大阪ダービーで輝いた。ありがとう陸次樹！！

得点後、すぐに小菊さんが進藤を入れる準備に。
真司を下げるはずがボードの8と6を見間違え自分が下がると勘違いして早上がりしようとした山中笑笑
主審が見間違えて伝えた可能性もありそう。これから守り切るぞ！って時に勝手に下がろうとされたらたまったもんじゃない。勝ったから笑い話になったけど真相はぜひ聞いてみたい(笑)

勝ち越した後に自分が下がると勘違いした山中を呼び戻す声がDAZNでは拾われてたけど、地上波は映像もガッツリ抜かれてた。こんなん笑うわw pic.twitter.com/aNsrbbzW40
— やまけん🌸🇯🇵 (@kencrz10) May 4, 2023

真司が下がったので輝が中央に移動。おそらくやったことがないであろうポジションだがもう乗り切るしかない。
しかし5バックにしておきながら鳥海の後ろを突かれてジェバリにボレー打たれたのはいただけない...ジンヒョン様様のビッグセーブに救われた。現地じゃ一瞬ではっきり分からなかったけど後から見たらめちゃくちゃ危なかった。左手一本だったけどよくぞ反応してくれた。

最後GK谷も攻め上がってきて、クリアボールを拾った上門が無人のゴールに向かってロングドリブルかと思いきや足をもつれてしまう。そのままセレッソが凌ぎ切って終了。俺らが大阪！の大合唱。

リーグ戦に限るとアウェイの大阪ダービーは4連勝。
公式戦通算成績も21勝12分27敗になったとか。
近年はもうセレッソの時代になったとはいえ浮かれるどころか勝ち続けるにつれてますます警戒心は増すばかり。今の位置関係をこれからもずっと継続しないといけない、ずっと負けられないという想いだけ。

かつて大昔、セレッソ相手なら普通にやれば勝てると意気込んでいた相手がいた。もうそんなメンタルは通用しないしそんなことで浮かれるようなチームにセレッソにはなってほしくない。

それにまだまだ大事なゲームは続く。セレッソのライバルにふさわしいチームは他にもいる。紫のあのクラブとかね。
次の鹿島だってホームでやられっぱなしだしすぐ下の順位にいる。次こそ絶対負けられへんよ。
ダービーマッチに勝って堂々と上を目指す権利をセレッソは得た。勝率をあげるためのプレーにさらにこだわって次もなんとしても勝ってほしい。

地上波、NHKを見返すと嘉人と実況はガンバに関しては割と前向きな感想。ポヤトスのやりたいサッカーが浸透してきた感じがあると。
ただそのスタイルに合う選手が少ないので属人化されたサッカーになるのと、やはり結果がついてこないので苦労してるなあという個人的な印象。

産みの苦しみ、いま我慢すればいつかは必ず、マリノスも最初は全くだった、色々と前向きに捉えようとする意見もあるけど
そういう言葉は、勝ってきたチーム強くなってきたチームが過去を振り返って、当時は苦しかったなと思い出にふけているから発しているのであって。まだ何も成し遂げてないのにそれを言っちゃうと負けたときの言い訳になりかねないんじゃないかと...プロサッカークラブだからね。ウチも含めてどのクラブにも言えることだけど。

セレッソもロティーナが上手くいったのは尹晶煥の成功体験、守り切って勝つ試合を重ねてきたからこそ。開幕戦、ホームでのダービーマッチ、大事な試合で勝ってきたからこそ。じゃないと2019年、リーグ戦25失点、前半の失点4だけ、リーグ戦5位なんて成し遂げられなかったはず。その後レヴィー（中略）そして今がある。
勝つことでしか道は切り拓かれない。

プロチームである以上、あくまで目の前の勝利を目指す、ここからブレてはいけないと思うけど。
勝つための策をどれだけ持っているか。
毎試合勝てなかったとしても、次の勝ちにつながるものをどれだけ残せるか。

結局セレッソも今節はやりたいことが後半はできず思い通りにいかない展開になったけど、それでも巻き返せたのは4-4-2で撤退守備をより固めて奪ったら2トップのスピードを生かしてカウンターに持ち込むというプランBがあったから。結果的にこれが前がかりになった相手に見事ハマった。
最近ずっとダービーは勝ってきた成功体験もあって、ここを乗り越えればチャンスは来ると、昨季の夏を思い出した選手もいたかもしれない。精神的な余裕はわずかに残っていたのかも。

最終的にはスタイルの構築、積み上げのところ云々よりも、勝者のメンタリティの差が明確に表れた60回目の大阪ダービー。
大阪人たるもの、ダービーの潮目が変わるきっかけを与えてくれた師匠の言葉を改めて胸に刻もう。

サッカーで1番重要なことは次のプレーを考えること。

過去の成績は次の試合の役には立たない。

Miguel Ángel Lotina

数々のダービーを戦ってきた背番号8の言葉も合わせて。

■香川真司選手
Q：これまで様々なダービーを経験されてきたが、大阪ダービーでの勝利を振り返ると？
「勝つことしか考えていませんでした。それはチームも自分も。長期的に見たときには、内容にもこだわらないといけないですが、ミーティングでも『今日は泥臭くても絶対に勝つ』という話をしていました。それは、どのダービーでもそうです。勝つことがどれだけ重要か。それを僕はキャリアを通じて感じてきました。どんな内容であれ勝てたことに、ファン・サポーターは誇りをもって欲しいです。それくらい大きな1勝だったと思います」