BMW R80の高温下におけるアイドリング不良 その原因と対策

キャブをオーバーホールしても、インシュレーターを交換しても直らなかった不調。
検索すると、同じ症状が直らず苦労している人がたくさん居るもよう。なので、私の経験を書き記します。
結果はスピゴットからの2次エア吸い込みでした。


症状

始動時には1000rpmくらいだったアイドリングが、エンジンが温まってくると1500から時には3000rpmくらいまで上がってしまう。
症状初期は夏の渋滞路でたまに起きる程度だったのが、徐々に頻繁するようになる。

診断

こういった症状は混合気が薄く、特に2次エア吸込み時によく起きると分かっていたので、現象が起きている時にパーツクリーナーをキャブレターからインシュレーター付近、2次エアを吸込む可能性の高いところに吹きつけました。
すると、右シリンダーヘッド・インシュレーター間に吹きつけた時にアイドリングが正常に戻る。
ここが原因だとわかりました。

対応

前述のスピゴットとは何か。
インシュレーターがはまっている部分です。OHVのRシリーズはここがシリンダーヘッドとは別部品になっていて、ヘッドにねじ込まれています。

シリンダーヘッドと別部品なのはパーツリストでも確認できます


エンジンにまだ温かさが残っている時にインシュレーターを外したら、スピゴットがちょっと動いたような?外そうと思って手で回しても、もう動きませんでした。
パイプレンチ等を使えば外せるでしょうが、傷つけてしまえば、それこそ2次エア吸込みの原因になります。動かないなら、とりあえずはヨシとすることに。
エンジンが温まって熱膨張すると、緩んでエアを吸うのでしょうか。
ここに液体ガスケットを塗布しました。

ねじの入り口、面取りを埋めるように塗りました。

結果

50番にしていたスロージェットを45に戻し(後述)、しばらく走っているとまたアイドリングが上がる。
ダメだったか〜と思ったものの、セッティングが50番のままだった。
エンジンが温まってきた頃合いを見て、アイドリングとパイロットスクリューを調整。
同調も取り直し、しばらく試乗と調整を重ねると、渋滞で熱を持っても、安定するようになった。
これは、直ったってことで良いんじゃないでしょうか!

余談(これまでの推移)

この症状が出始めたのがいつだったか、もう忘れてしまいました。10年以上前かもしれません。
(R80には16年乗ってます)
当初から2次エア吸い込みは疑っていました。インシュレーターも変えて、キャブOH、フロートとチェックバルブも変えました。なのに直らない。
パーツクリーナー吹き付け作戦はやったのかなぁ?2次エア確認の基本方法なので、やってないはずはないと思うんだけど。
古いバイクはキャブレター本体の劣化によってセッティングが出なくなることもあるので、外車だし、そういうこともあるだろう、とジェットを大きくして対応していました。
50番にすると、ほぼ出なくなった。それが解決を長引かせてしまったのかも。
オーバーサイズのジェットはイギリスのMotobins で買いました。
R80を買った当初、プラグがいつも真っ白で、排ガス規制のためガスを絞ってるのかと思って試しにメインジェットをノーマル135から138にしたらモリモリパワー出て。
そんなこともあったので、全体的に薄めなのかな〜なんて考えていました。

もし、この記事であなたのRが直ったら、コーヒーでも奢ってください。↓

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