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世界と比例(プロポーション)の関係についての研究(研究目的及び研究意義)
研究目的
本研究の目的は、建築、自然現象、我々の世界における「比例の関係」の普遍性とその応用を調査・分析し、解明する。比例の関係がどのようにしてデザインや構造、あるいは自然界における成長過程に影響を与えているのか、そしてその背後にある数理的原理を哲学的帰結を含めて考察する。
具体的な研究方法は以下の通りである。
①メジャーやコンベックス、指金やレーザー測定などで植物や建築、比例関係があると考えた物体を実測する。
②実測の結果から、その物体に比例関係があるか分析を行う。その結果が、整数比か、無理数または近似するかを計算で求めて分析する。
研究背景
比例という概念は、古くから数学的、芸術的な関心の対象となり、特に建築や自然界の観察において重要な役割を果たしてきた。例えば、ルネサンスの建築における黄金比や、植物の成長過程で見られるフィボナッチ数列のように、比例は自然や人間の作り出すものにおいて多くの場面で現れる。
また、現代の建築やデザインにおいても、比例は視覚的なバランスや機能性を生み出すための基本的な原則として重要視されているのは明らかである。しかし、植物やこの世界の創造主(絶対神を想定しない)はなぜその比率に落ち着く(収束する)のかは謎であると考えている。
研究意義
この研究の意義は、比例の関係が持つ普遍的な価値を理解し、それを実践的なデザインや建築、さらには自然界の理解に生かす点にある。比例がいかにして我々の認識器官に美や機能的要素を心身に結びつけ、どのように影響を与えるかを解明することは、建築学やデザイン学、数学、物理学、哲学の理論的に新たな知見を与えるだけでなく、新たな視点を提供することができると考えます。
この研究によって得られた知見が現代社会に役立つことを、願う。
次回は、実際に実測したデータと分析結果を紹介する。