独立でなく転職を選んだ理由
こんにちは。いのてんです。
私は不動産売買の仕事をしながら副業で大家業を営む31歳です。
私は本業で不動産売買の仕事をしつつ、副業で不動産賃貸業を営んでいます。現状、生活を最小限にすれば副業のみでも生活に困らないだけの収入を得ることができています(ギリギリですが)。
将来的には独立することを考えているのですが、副業の収入がある程度の金額に達しているのにも関わらず、なぜまだ会社員として働き続けているのでしょうか。今回はお話していきます。
①独立と転職どちらを選ぶか
私が転職したのは2024年7月のことです。
この内容を書いている約3ヶ月前の話です。
そして、転職することを決断したのは転職する半年前のことです。
ここでは転職の決断をするに至った思考プロセスをお話していこうと思います。
前職では約7年間働きました。仕事内容は不動産の売買仲介。主に実需といって、住むために買う人、売る人の仲介をしていました。
詳しい仕事内容は以前の記事に記載していますので興味ある方はご確認ください。
7年間のうち、最初の2年は営業マンとして働き、あとの5年は支店長として店舗の管理・運営をしていました。
前職の支店長時代の待遇はとても良く、給与水準は同年代の人と比べて非常に高いうえに、店舗運営における裁量権も大きかったので、とても快適に働くことができていました。
しかし、元々独立への願望が強く、副業の不動産投資である程度の収入を確保できたら独立しよう、そう思いながら日々の業務をこなしていました。
そんなある日、取引先の会社の社長に会食の誘いを受けました。
その社長には、自分が持ってきた案件を何度も買取ってもらっており、その後の販売も任せてもっていたので、取引先の中でもかなり密に付き合いを続けていました。いわゆるお得意先です。
そんな社長との会食の場で「うちの会社に来ないか?」というお誘いを受けました。
いきなりのことで心底驚きました。
給与条件を聞くと、今の仕事より条件が悪くなるのでその時は断りました。
しかし、その後も半年に1回くらいのペースで会食にお誘いいただき、その度に転職への打診を受け続けました。
回を重ねるごとに提案される給与の額も上がり、社長の私に対する思いも伝わってきました。
最終的には、歩合制ですが実績さえ残せば転職後に給与が大きく上がる可能性のある条件のオファーまでいただきました。
②何を仕事にしたいのか
元々独立することしか考えていなかったので、転職という新しい案をを提案されたことにより、深く考るきっかけになりました。
独立を目指すのが目的なのであれば転職の話など受けず一発で独立した方が早いです。
改めて自分が仕事をする上での目的を深く考えてみました。
数ヶ月悩んだ末に出た答えは
「自分にしかできないことで感謝をしてもらう」
事でした。
自分にしかできない事とは、他の人と異なる価値を提供できる事です。
その時の自分が他人に提供できる価値は「不動産」の知識くらいでした。福岡の不動産についてはそれなりに詳しくなったので、福岡の不動産に興味のある人になら有益な話ができる自信はあります。しかし、自分以上に知識を持っている人はたくさんいるでしょうし、自分より上手く説明できる人も多いので、わざわざ自分の話を聞くメリットはないと感じました。
となるとより尖った発想が必要だと考えました。
細分化された業界の中でトップを取れば自分にしかできないことに近づくのではないか、と考えるようになりました。
例えばただのラーメン屋だと競合が多いですが、醤油ラーメン専門店だと一気に競合は減ります。さらに、〆のラーメン専門店として開店時間を夜9時〜朝6時などにすればさらに競合は減ります。
このような発想で細分化して尖れば市場に勝てるのではないかと思いました。
となると、どの分野で尖るかを決める必要があります。尖るためには何かと何かを掛け合わせると良い、とビジネス書で読んだことがあったので「不動産」と何かを掛け合わせる必要があると考えました。
例えば、
・不動産×動画でYouTuberになる
・不動産×お金で不動産投資に特化する
・不動産×経営で不動産会社専門のコンサルをする
などのように、掛け合わせることで業種を細分化できるので市場の中で尖れます。
そこで私の場合、何を掛け合わせられるかを考えた時に「建築」が浮かびました。
建築学科の大学で学び、建築家になることを夢見ていた時代があるくらいに私は「建築」が好きでした。
不動産は建築との親和性も高いですし、せっかくなら好きなものと掛け合わせよう、と思い
「不動産」×「建築」
を選ぶことにしました。
ただそれだけだとまだまだ細分化が足りないので、不動産の中でも更に
「福岡」の「区分マンション」
というジャンルに絞りました。
実際そのジャンルが一番得意だからです。
その結果
「福岡の区分マンションの買取再販」
の仕事をしようと思い至りました。
自分の中でもかなりしっくり来ました。
しかし、大切なのはその仕事が顧客に求められているかどうかです。
いくら良い仕事をしても、それが求められていなければビジネスとして継続しません。
この点に関しては、顧客にも求められている自信がありました。
その理由は、実際に私が不動産売買をしていて多くの顧客の声を聞いており、中古で綺麗な物件を探すニーズは常に根強くあったからです。
多くの人は最初に新築物件を検討します。
しかし、価格が高すぎる、立地が良くない、などの理由で諦めます。
その後、中古物件を検討し始めます。中古は見た目が良くないので、できればリフォームしてある物件が良いと考えます。
このような思考プロセスでリフォーム済みの中古物件を求める人はとても多いです。
加えて、建築費の高騰や福岡エリアの人口増加などの影響により、更に増えると予測されます。
なので「福岡エリアの区分マンション買取再販」のビジネスモデルは自分が取り組むのにピッタリだと思い至りました。
③転職、そして独立へ
やりたい事が明確になり、改めて
「転職」か「独立」
かを本気で考えてました。
いきなり独立したとしても、ある程度はやっていける自信がありました。
ただ、私を誘ってくれている社長の会社では「中古マンションの買取再販」事業をこれから伸ばしていきたいと考えており、それは自分のやりたい事とマッチしていました。
会社員として取り組む事には
・失敗した時の最終責任は会社がとってくれる
・自分の身銭は切らずに仕事を学べる
というメリットがあります。
いきなり独立するより、一度会社員としてのメリットをフル活用し、学びの期間を過ごした方が将来に繋がるはず。
そう思い、独立ではなく転職を決めました。
このような決断の場は人生でそう何度も訪れないと思います。
しかし、誰しもいつかはそんな場面が訪れます。
日常的に自分のやりたい事や価値観を知るための行動を重ね続けておけば、決断を迫られる場面でも迷う事なく決め切れると思います。
今回の決断をきっかけに、私は自分の本心と本気で向き合う機会をもらいました。
それは今後の人生を長く過ごすことを考えると、非常に意義深い時間でした。
これからもそのような決断の場に立った時、判断に迷わないよう、価値観や考え方を明確にしておきたいと心底思いました。
まとめ
今回は独立ではなく転職を選んだ理由についてお話しました。
まとめると、独立を目指していたところに転職の誘いを受け、改めて自分の本心と向き合うきっかけをもらいました。
結果「福岡の区分マンション買取再販」の仕事をしたいという結論に至り、そのためには独立が転職どちらが良いのか考えました。
転職だと
・失敗した時の最終責任は会社がとってくれる
・自分の身銭は切らずに仕事を学べる
というメリットがあると考え、転職を選択。
というお話でした。
本気で独立を考えている人は、後先考えずにとりあえず独立する人も少なくありません。
それを悪いとは思わないですが、そのせいで失敗してしまっては本末転倒です。
会社員である事のメリットを享受しながら、独立の準備をコツコツ進めていくのも1つの手段です。
独立を目指す人の参考になれば幸いです。