「わたしが創る - DIY市民はじまる」 シビックテックで重要となるノーコードツールのススメ
いまだからこそ注目されるシビックテック
以下のnoteでも書きましたが、この新型コロナ禍でシビックテックに関心を持つ方はとても増えました。
シビックテックは「市民がテクノロジーを活用して自ら望む社会を
創りあげる活動とそのテクノロジーのこと」を意味しています。大事なポイントは「市民が自ら」というところですね。
ところがテクノロジーを活用するという話になったときに、どうしても課題となってくるのがICT等の技術面の壁です。市民が自ら取り組んでいきたいと思っても、そもそもその道具となるICTの知識がなかったり、プログラム開発ができないという場合が多いんです。
勉強すればいいという声もありますが、誰もがそういうことが得意というわけではなく、シビックテックを実践していくという上では、それは大きな壁だったと思います。
ノーコードツールがその壁を壊す
ところがここ数年、ノーコードツールと呼ばれる技術が存在感を増してきました。
上記記事にもありますが、ノーコードツールとはいわゆるプログラム言語を理解してコードを書くという作業をせずに、直感的なGUI操作だけでアプリ等の開発をできるツールです。
日本でも多くのテイクアウトマップアプリに利用されたGlideは、コンテンツ中心のモバイルアプリを開発するのに適しています。既に用意されているパターンを選択していくだけで、デザインも整ったアプリを作ることが可能です。
それこそ慣れている人なら早くて1〜3日、初めての方でも二週間程度でアプリをローンチしちゃいます。
ただ、Glideは簡単にできることがいっぱいある分、できないこともあります。
他にも、Bubbleと呼ばれるノーコードツールもあり、こちらは比較的自由度が高いツールと言われていて、自分でいろいろなことができるようになっています。
両者とも英語ページですが、日本語による解説記事や解説動画がいっぱい出ていますので、初心者でも勉強はしやすいです。
こうしたノーコードツールを使えば、プログラミングに敷居を感じていた人も自分の手でアプリを作ってみることができます。
現に、一般社団法人コード・フォー・カナザワが協力する金沢市のシビックテック塾ではエンジニアではない方々がGlideを利用してアプリ開発を学びました。
塾生の一人である現役の女子高校生は、文化祭のスケジュール管理などを行うアプリを開発しましたし、カフェ経営者の方は市内のスペシャルティ珈琲のお店を検索できるようなアプリを開発しました。いずれも自分が欲しかったものです。
ノーコードツールを使えば、自分が考えるアイデアを自分の手でアプリとして具現化できるようになったんですね。
今はこうした取り組みを年代問わずシニア層にまで拡げようということで、金沢市のシニアプログラミング塾にも協力しています。
参加者は56歳〜77歳までの男女。昔、プログラミングをしたことがあるという方からほぼ未経験までの方までいらっしゃいますが、とてもやる気が高く、これからが楽しみです。
DIY市民への入り口がやってきた
「DIY(Do It Yourself) - 自分でできることは自分でやろう」という考えはシビックテックの根幹です。
でも、プログラミングの技術を持たない人にすると、企画からアイデア詳細、デザインまでしたとしても最後の最後、作るところで足踏みしてしまい、プログラミングができる誰かを頼らねばいけませんでした。
でも、ノーコードツールは勉強を少しすれば誰もが扱えるぐらい優しいものであり、望めば誰もがアプリ開発をおこなえる道具です。それって、とても大きい変化ですよね。
僕はCode for Kanazawaで7年以上シビックテックの活動をしてきて、様々な社会課題に触れてきました。プロジェクトになって開発したものもありますが、残念ながら開発したけど途中で終わったもの、開発までいかずお話だけで終わったものなどもいっぱいあります。
なので、エンジニアではない方が(プロトタイプでもいいので)自分で開発できるようになると、グッと課題解決への道が拡がると考えています。
「まずはやってみよう」って簡単に言えるようになるので。
今後もCode for Kanazawaはもちろん、全国のシビックテックコミュニティと協働して、「シビックテック x ノーコードツール」という文脈の教育や啓蒙活動みたいなことがしていきたいなぁって思います。
みんなが自分で創れるって絶対かっこいいなぁ。
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