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円高株安について初心者向けに解説

円高株安の関係にはいくつかの理由があります。特に、日本の株式市場は輸出企業の比率が高いため、円高が進むと企業業績に悪影響を及ぼし、株価が下落しやすくなります。主な要因は以下のとおりです。

1. 輸出企業の収益減少

多くの日本企業、特に自動車や電子機器メーカー(トヨタ、ソニー、パナソニックなど)は海外での売上比率が高いです。円高になると、以下の影響が生じます。
• 海外での販売価格が上昇し、競争力が低下 → 販売減少
• 海外で稼いだドルやユーロを円に換算すると目減り → 利益減少
例えば、1ドル=150円のとき100億ドルの売上があれば、円換算で1.5兆円。しかし、1ドル=140円になると、円換算で1.4兆円になり、1000億円の減収となります。

2. 投資家心理の悪化

日本の株式市場は海外投資家の影響が大きく、円高が進むと以下のような行動を取ることが多いです。
• 円高=日本経済に悪影響と考え、リスク回避で日本株を売る
• 為替差益を狙って円を買い、結果的に日本株を売る
これにより株価が下落する傾向があります。

3. 日本企業の海外投資が割高になる

日本企業が海外企業を買収したり、海外で設備投資をする際、円高だとより少ない円で投資できるため一見有利に見えます。しかし、円高が長引くと企業の海外売上が減少し、長期的に収益にマイナスとなる可能性があります。

4. インフレ期待の低下(デフレ懸念)

円高が進むと、輸入品の価格が下がり、国内の物価上昇が抑えられる傾向があります。これは一見良いことのように思えますが、企業の価格転嫁力が弱まり、賃金上昇の抑制につながるため、経済成長の鈍化やデフレ懸念が強まり、株価の下落につながることがあります。

例外:円高でも株高になるケース

円高=株安の関係は一般的ですが、以下のような状況では円高でも株高になることがあります。
1. 海外資金流入による株高
• 円高が進むと、海外投資家が日本株を安く買えると考え、日本株を買うケース。
2. 内需系企業(通信、電力、不動産、小売など)の株が買われる
• 円高で輸入コストが下がるため、恩恵を受ける企業もある(例:イオン、ニトリ、ユニクロなど)。

まとめ

円高になると、多くの輸出企業の利益が減少し、投資家心理が悪化するため、株価が下がりやすくなります。ただし、状況によっては円高でも株高になるケースもあるため、セクターごとの影響を見極めることが重要です。

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