春の風
2月4日、今日は例年よりも早い春風が吹いたようだ。
(これを書き始めたのは朝であった。)
いつもなら芯から冷えこむほどの室温になる部屋も、今朝は弱めの暖房でも十分だった。
外に出て感じた風はさほど冷たくなく、昼にはきっと春一番独特のあの生ぬるい風になるんだろうなぁと思わせるような風であった。
私は春一番のあの独特の生ぬるい風を感じると、胸がソワソワする。
良い意味でのドキドキと、期待と、不安が入り混じるような気持ちだ。
中学、高校、大学の入学時、つまり思春期以降の僕はシャイで人見知りで後ろ向きでコンプレックスの塊で、いつも新たな環境で上手くスタートを切ることができなかった。社会人の時もそう。新卒時は今も胸に残る辛く嫌な思い出がある。
忘れてかけていたこの感情を、いつも春の風が思い出させるのだ。
そして今日も、春の訪れを感じさせる風がそんな気持ちを思い出させた。会社に向かう足取りが少し重くなった。
でもなぜだろう、今日は例年よりもその気持ちが大きく、そして強く胸に響いてくる気がした。新たな環境に飛び込むわけでもないのに。
よく考えると、思い当たる節はあった。
半年ほど前から色々と小さなチャレンジを始めた。大それたことではなくて、小さなことをコツコツと。新しい事も始めたし、新しい環境にも飛び込んでみた。今まで見たことのない世界が広がり、それまでの考え方がまさに180度変わったような気分で過ごしてきた。
この半年は本当に新たな気付きが多く、思春期のような気持ちを感じながら過ごしてきた。
もしかするとそんな積み重ねが、自分の中で無意識にこの春を何かの節目に感じているのかもしれない。
いつかこの春の風を、前向きな気持ちで感じられる日が来るように、小さくてもわずかでも、これまで通り行動を続けていかなければいけないと強く思った。