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数学問題14

$${\theta}$$ を $${0 < \theta < \pi}$$ を満たす実数とする。空間内の 4 点

$$
A(1,  0,  0),  B(-1,  0,  0), 
C(\cos \theta,  \sin \theta,  1),  D(-\cos \theta,  -\sin \theta,  1)
$$

を頂点とする四面体 $${ABCD}$$ を考える。

(1)四面体 $${ABCD}$$ を平面 $${z = t  (0 < t < 1)}$$ で切った切り口は平行四辺形であることを示し、2 つの対角線の長さを $${\theta}$$ と $${t}$$ を用いて表せ。

(2)四面体 $${ABCD}$$ を $${z}$$ 軸の回りに回転させるとき、四面体が通過してできる立体の体積を $${\theta}$$ を用いて表せ。



$${\large📊 難易度評価と解答時間目安 📊}$$

$${\boxed{🔹難易度:★★★★☆(やや難)}}$$  

この問題では、空間内の四面体の断面の形状を調べる ことと、
回転体の体積を求める計算 が必要になります。

$${\underline{\large✔理由}}$$  
(1)では、断面が平行四辺形であることを証明し、対角線の長さを求める。
・(2)では、四面体を回転させることで生じる立体の体積を計算する。
・空間図形の理解、ベクトル計算、積分の知識が必要。

$${\underline{\large✔どのレベル向け?}}$$  
大学入試(理系数学)レベル。
・空間座標の処理や回転体の計算を強化したい人向け。

$${\underline{\large⏳解答時間目安}}$$  
・数学が得意な人:30~40分  
・一般的な受験生:50~60分  
・数学が苦手な人:解答するのは難しい  

$${\underline{\large💡難所ポイント}}$$  
(1):四面体の断面が平行四辺形であることの証明。
・(2):回転体の体積を求める際の積分の扱い。

$$
\begin{Vmatrix}✨\\
\bold{空間図形と回転体の}\\
\bold{理解を深めよう!}\\
✨\end{Vmatrix}
$$


$${\large📝解答・解説📝}$$  

【(1) 平面 $${z = t}$$ での切り口が平行四辺形であることの証明】

① 平面 $${z = t}$$ による断面の点

四面体の頂点 $${C}$$ と $${D}$$ の $${z}$$ 座標は $${1}$$ なので、
$${z = t}$$ による切断面は$${C}$$ と $${D}$$ の $${z}$$ 座標が $${t}$$ のときの
$${x, y}$$ 座標を求めることで得られる。

点 $${C}$$ の $${z}$$ 座標を $${t}$$ にするため、
$${(x, y)}$$ 座標は $${(\cos \theta, \sin \theta)}$$ の比例縮小:
$${{C'} = (\cos \theta \cdot t, \sin \theta \cdot t, t)}$$  

同様に、点 $${D}$$ の $${z}$$ 座標を $${t}$$ にすると:
$${{D'} = (-\cos \theta \cdot t, -\sin \theta \cdot t, t)}$$  

また、$${AB}$$ は $${z}$$ 軸上で $${t}$$ による影響を受けないので:
$${{A'} = (1, 0, t), \quad B' = (-1, 0, t)}$$  

② 断面が平行四辺形であることの証明

$${A'B'C'D'}$$ の4点が定まったので、対角線を考える。

・$${A'B'}$$ は $${(-1, 0, t)}$$ から $${(1, 0, t)}$$ なので、
長さは $${2}$$

・ $${C'D'}$$ は $${(-\cos \theta \cdot t, -\sin \theta \cdot t, t)}$$ から $${(\cos \theta \cdot t, \sin \theta \cdot t, t)}$$ なので、
長さは $${2t \cos \theta}$$
  

よって、$${A'B' = C'D'}$$ が成立し、平行四辺形である。

③ 2つの対角線の長さ

・対角線 $${A'C'}$$ の長さは、
$${{A'} = (1, 0, t)}$$ と $${{C'} = (\cos \theta \cdot t, \sin \theta \cdot t, t)}$$ の距離:
  $${\sqrt{(1 - \cos \theta \cdot t)^2 + (\sin \theta \cdot t)^2}}$$  
  $${= \sqrt{1 - 2t\cos\theta + t^2}}$$  

・ 対角線 $${B'D'}$$ の長さは、
$${{B'} = (-1, 0, t)}$$ と $${{D'} = (-\cos \theta \cdot t, -\sin \theta \cdot t, t)}$$ の距離:
  $${\sqrt{(-1 + \cos \theta \cdot t)^2 + (\sin \theta \cdot t)^2}}$$  
  $${= \sqrt{1 - 2t\cos\theta + t^2}}$$  

よって、2つの対角線の長さはともに $${\sqrt{1 - 2t\cos\theta + t^2}}$$


【(2) 四面体の回転体の体積】

① 四面体を回転させるとできる立体

四面体 $${ABCD}$$ を $${z}$$ 軸の周りに回転させると、
$${C}$$ の軌跡と $${D}$$ の軌跡が回転面を形成し、
回転体の形状は円環型の立体となる。

断面形状を回転させると、回転する範囲の半径が
$${x = \cos \theta}$$ から $${x = 1}$$ までの回転体になる。

② 体積計算

回転体の体積は円環形の積分により求められる。  

$${C}$$ が $${z}$$ 軸の周りを回転すると、
円柱形のスライスを考えた体積の合計:
$${V = \int_0^1 \pi [(1)^2 - (\cos \theta)^2] dz}$$  

積分を計算すると:
$${V = \pi(1 - \cos^2\theta) \int_0^1 dz}$$  
$${V = \pi (1 - \cos^2\theta) \cdot 1}$$  
$${V = \pi (1 - \cos^2\theta)}$$  

また、$${\sin^2\theta = 1 - \cos^2\theta}$$ なので、  
$${V = \pi \sin^2\theta}$$  


$${\large🌟ワンポイントアドバイス🌟}$$  

空間図形の断面を求める際は、軸と平面の関係を明確にする!  
回転体の体積を求める際は、積分を適切に設定する!  
対角線の長さを求めるときは、距離公式を正しく適用する!  

$$
\begin{Vmatrix}✨\\
\bold{  空間図形の操作に慣れ  }\\
\bold{  計算を正確に行おう!}\\
✨\end{Vmatrix}
$$


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