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百万長者
この世の出世の不運な囚われびとーかの偉大な百万長者なるものの伝記を読んで見給え、憐れとも誉れともつかぬ困惑を感ぜずにはいられない。
この本は訳あって途中で挫折したのですが、そのまま読まないのももったいないのでちょっとずつ読んだりしておりまして、この部分は冒頭に近いところなのですが、この「偉大な百万長者」という方々の中にデール・カーネギーやジョン・D・ロックフェラーなどが入っておりまして、彼らの書物や伝記に感銘をうけておりました私としましては、それを「不運」と言われることがショックであり、新鮮でもありました。
成功したいというよりは、金持ちになって好きなことをして生きていきたいと思っておりましたが、どうやら確率的に言って成功しないで金持ちになるのはほとんど無理で、では成功しようじゃないかと思っても、それはそれで苦労が絶えないもののようで、要はほどほどの収入がある平凡な人が一番よさそうなのですが、そこを狙うのは下手をすると成功するより難しいかもしれないと思わせてくれるご本でございます。
彼らは流れる雲、街を行くとりどりのスカート、幼い日の思い出などに気をとられたりする自由人の漫歩気分や放心にも似た単純な魂の、あのなごやかさを失っている。ひとくちでいえば、生きることを忘れてしまったのだ。
そういわれると忘れておりました。
名古屋で傘を地下鉄に。