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隈研吾の『BAM鎌倉』を題材にGH書いてみた

建築家 隈研吾さんデザイン監修のファサードデザインです。
ファサードの特徴としては、多角形分割されたパターンが下から上にかけて大→小と徐々にサイズを変更しパース効果を狙ったデザインとなってます。
今回はこのファサードデザインをシミュレーションするGHを書いていきます。

実際にコンピュータの力を使ってこのデザインを検討したという話が隈さんのインタビューでも語られていました。
この作品については以下の記事も面白かったので貼っておきます。

BAM鎌倉の作り方

まずは、建物外形を作成していきます。
Rectangle』で長方形平面を作成し、多角形分割にはボロノイを利用します。
ボロノイ分割のためのポイント発生には『Population 2D』を使います。

ボロノイ作成のための下準備
『Rectangle』で指定した範囲に『Population 2D』でポイントをランダムに生成

ただし、今回は下から上にかけてボロノイ分割で生成される多角形のサイズを大→小と変えていきたいというところがポイントです。

単純ランダムなポイントから重み付けして間引いたパターン

下の方ほどポイントを粗くすることで、ボロノイ図形で大きな領域となるようにします。上の図では、赤く残っているポイントが間引かれたポイントです。下の方ほど多く間引かれ、上の方ではほとんど間引かれていない状態です。

では、どのようにこれを実現しているかですが、
ランダムにバラまいたポイントを『Sort』でポイントのZ座標をキーとして低い順に並び替えます。
次に、高さ方向でグラデーションするために『Partition List』で分割します。

分割後の1番目のグループ
分割後の2番目のグループ

このように高さ方向にグルーピングできれば、下のグループほど多く間引くように間引き率を設定します。

0.8~0の範囲で間引き率を設定

間引いたポイントを基にボロノイ図形を作成することで、ボロノイ図形のサイズをコントロールできました。

赤のポイントは間引かれて緑のポイントでボロノイ図形が生成される

今回の特徴は単にボロノイ分割されているというだけでなく、壁にボールがぶつけられて凹ませたような立体的な造形となっている点です。
これが薄っぺらいファサードにならずに表現に面白みを持たせています。

実際のディテール

各ボロノイ図形に対して立体的に凹ませるために凹ませる側のボリュームを用意します。

各ボロノイごとに見合ったサイズの球体を生成

各ボロノイ分割された多角形の中心から最も近い辺までを径とする球体を『Sphere』で作成します。この球体の集合を押し当てることで各ボロノイ面を凹ませたいイメージです。

球体のままだとオリジナルのイメージよりも立体的になりすぎてしまうので、『Scale NU』で平べったく変形させます。

球体を平べったく扁平させた様子
X軸、Y軸それぞれの方向に変形スケールを与えて球体を扁平させる

この平べったく変形させた球体でベースとなる直方体を『Solid Difference』でくり抜くことで球体を押し付けて付いた後のような立体が残ります。

扁平させた球体を押し付けた後のように切り欠かれた様子

最後に仕上げとしてルーバー状になるようにスリットを空けていきます。
スリット上に空けるラインは上下のラインを『Divide Curve』で分割したポイント同士を結ぶことでラインを引きます。

ラインをベースに厚みを持たせることでスリット状に切り欠くボリュームを生成し、またまた『Solid Difference』で切り欠きます。

スリットで切り欠かれた様子

最後に、木っぽく着色して完成です。

完成
全体プログラム

GHデータのダウンロード

そのまま使えるGHファイルを以下で公開してます。

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