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情報を捉える解像度

「情報」はデータ的には1つに特定できるものですが、実は同じ情報でも人によってその捉え方・理解は様々なのです。

同じ会議に出席していて同じ話を聞いていたはずでも人によって同じ結論として理解していない、ということがしばしばあります。
それは話を理解する上での前提となる知識量の違いというのが原因であることが多いです。とある課題の背景まで含めて知っているのといないのとで、その場で言葉にならなかった部分を補えているかいないかという違いとなり、それぞれで結論が変わってきてしまうことが時に起こるのです。
どこまで細かく情報を読み取ることができるのか、逆に薄っぺらい表層の言葉だけでしか情報を捉えられていないのか。
つまり、情報を捉えるセンサーの精度によって解像度が異なるということです。
話を単純化すれば、前提知識が豊富な場合は、より細かい解像度で情報を詳細まで含めて見て取れるのに対して、前提知識がなければ、かなり粗い見え方をしているということです。

このように、情報の理解には「解像度」の違いがあるということを意識しておくことが大事です。
知識豊富な人が自分と同じ前提知識をベースにして、自分と同じレベルの詳細な解像度で他の人も理解してくれると思い込みがちですが、実際にはそうではないということが圧倒的に多いということです。
同じ情報に触れたときに前提となる知識や情報、頭の働かせ方によってどこまで本質が見えるかは思っているより大きく差があります。
そして、ここが最も忘れがちで相手も自分と同じ解像度で同じ情報を理解していると思い込んでしまっていることが本当に多いです。
同じ組織で課題を共有しながら日々仕事をしているメンバーであれば多少なり同じ解像度のセンサーが備わっていることも多いですが、それでも個々人が同じ経験をもとに成っていることはありえないので、常々、「解像度」のすり合わせを意識しながら話をするようにするとよいです。

これを踏まえると、何かを伝えるときには相手の解像度に合わせた伝え方が非常に重要だということになってきます。
解像度高く情報を処理できるようになっておくことは大事ですが、実はこれよりもっと大事なのは解像度を調整してアウトプットするスキルだったりします。

自分で情報を捉える際にも「解像度」をとにかく上げて、できるだけ詳細まで見えていることが常に正解か?というと、実はそうでもありません。
解像度を下げて見る、ということは、細かいディテールには一旦、目をつぶって課題の大きな輪郭を捉えるということにもなります。本質的な大枠の部分で間違っていないか?これを捉えるのには、いちいち1つ1つの細かなディテールに気を取られていては、大きな部分を正確に捉えて判断することができなくなります。
「解像度」は上げたり下げたりしながら、今は何を見るのかを意識しながらコントロールするのです。そういうセンサーとして意識して磨いていくことが大事になります。解像度の調整を一切せずに、情報を捉えて、発信する人が如何に多いか、、周りにもそんな人がいるはずです。
昔から「木を見て森を見ず」という諺がありますが、正にこのことを言っていますね。

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Mt
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